マラマ・ホヌア:ホクレアの希望の航海 パート2 サモア

by ジェニファー・アレン&ジョン・ビルダーバック

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2016年はアメリカ国立公園が誕生100周年を記念する。マラマ・ホヌア世界航海では、ホクレア号の乗組員が、アメリカ領サモア、カリブ海のセント・ジョン、フロリダのエバーグレーズなど複数の国立公園を訪問し、6月はじめにはニューヨーク市のガバナーズ島に立ち寄る。乗組員はこれまでの寄港先で、それぞれの地域が独自の方法で地球をいたわる「マラマ・ホヌア」を実践している様子を見てきた。2015年9月にアメリカ領サモアのパゴパゴに寄港した際には、国立公園レンジャーを務めるプア・トゥアウアがサモア流のマラマ・ホヌアを教えてくれた。

「私たちの土地はおそらく我が民族にとって何よりも貴重な資産です」とプアは説明した。

ホクレア号の乗組員が学校を訪れて、子供たちにホクレア号がどのように「マラマ・ホヌア」を体現しているのかを教えるあいだ、プアはパゴパゴのダウンタウンにあるパークレンジャーのオフィスで仕事をはじめた。プアのオフィスからはパゴパゴ港が見渡せる。汀線が島の中心へと8キロにわたって曲がりくねりながら入り込み、しっかりと守られている港だ。港の片側には知事公邸があり、もう片側にはレインメイカー・マウンテンがそびえる。埠頭には多数の漁船が並んでいる。パゴパゴは南太平洋でアメリカ国旗を掲げる最も有益な商業漁港である。

【 アメリカ領サモアの トゥトゥイラ島のレインメーカー・マウンテンをうっそうとした熱帯雨林が覆う。写真:John Bilderback 】

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ランニング・アップ・フォー・エアー:空気のために走る

by ルーク・ネルソン

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僕は息もたえだえに手を伸ばし、笑顔で立っている4人のボランティアとハイファイブをする。2月だというのに山頂の救護ステーションに立ってくれている彼らに、喘ぎながら感謝する。ステーションを回り込み、下の谷につづく急な雪のステップを早足で4歩か5歩目駆け下りると、雪の地面が抜け落ち、足全体が埋没する。前転した僕はひっくり返ることを余儀なくされ、あわや他のランナーと接触するところだった。なんとかコントロールを取り戻すと、前屈みになって危険を顧みない奔放さで下山する。数キロ、ほぼ標高差で1,000メートル降りると、僕は天場エリアに滑り込んだ。そこは「ランニング・アップ・フォー・エアー(Running Up For Air: 以下RUFA)」と呼ばれる無謀なイベントのスタート地点、救護ステーション、チェックポイント、そしてゴールとなる場所だ。

【 2017年のランニング・アップ・フォー・エアーのスタートラインに一斉につく参加者たち。このイベントで集まった資金は〈ブリーズ・ユタ〉に寄付される。イベント当日は、空気は驚くほど澄んでいたが、大気汚染が酷い日にマスクをかける人たちとの結束を示すために参加者はスタート地点でマスクを着用した。写真:Andrew Burr 】

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マラマ・ホヌア:ホクレアの希望の航海

by ジェニファー・アレン&ジョン・ビルダーバック

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「ヘ・ワア・ヘ・モク、ヘ・モク・ヘ・ワア」はハワイの格言で、「カヌーは島であり、島はカヌーである」を意味する。

いまから数百年前、航海カヌーはポリネシア人が島々で生存するためのツールであり、それにより食料を探し、新たな土地に定住することができるようになった。カヌーでの生活は陸地での生活の縮図だった。生き延びるために人びとは互いをいたわり、カヌーを大切にする必要があった。今日この真理を最も明白に表しているのがハワイの双胴型航海カヌー、ホクレア号だ。

ホクレア号は近代計器を使わず、太陽、月、波、鳥、風、星という自然の指標だけを頼りに帆走する。これは純粋な持続可能性の実践のひとつであり、そのミッションはひらめきに満ちている。2014年5月にヒロで進水して以来、ホクレア号は3つの大洋と4つの海、11の異なる時間帯を横断し、50以上の港に寄港しながら、海の健康と私たちが共有する地球という島を大切にするコミュニティを結びつけてきた。この世界航海は「マラマ・ホヌア(地球を大切に)」として知られる。

【 40年以上航海してきたホクレア号は、ポリネシア中の島のコミュニティで航海カヌーの再生を刺激してきた。写真:John Bilderback 】

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ロイヤル・ロビンス(1935~2017)を悼んで

by イヴォン・シュイナード

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ロイヤル・ロビンスが2017年3月4日に逝去したというニュースに、パタゴニア・ファミリーの誰もが悲しみを抱いています。個人的に彼を知っていたのは社内の一部だったかもしれませんが、そうでなかった多くの社員たちも、今日に至るまでの彼の開拓精神とクリーンクライミングへの忠誠には、大いに触発されてきました。彼に敬意を表し、彼の友人であるパタゴニアの創業者イヴォン・シュイナードが以下の想い出を綴りました。

【 「ノース・アメリカン・ウォール」初登中にブラック・ケーブでビバークするロイヤル・ロビンスと、(下から覗いている)イヴォン・シュイナード。カリフォルニア州ヨセミテ、エル・キャピタン。1964年。写真:Chuck Pratt 】

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無形資産

by ジョシュ・ワートン

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風が岩壁の上から雪の波を吹き落とし、すでに霜で 覆われた岩面にもう一層の滑りやすい雪しぶきを被せた。 俺は雪をかわすために頭を下げ、凍ったフィンガーロック に挟み込んだ血と雪にまみれた自分の指を見た。

指は実際そこにあるのだが、感覚はほぼ 1 日中まったくなかった。足の指は窮屈なクライミングシューズのなかでとっくに肉の塊と化している。相棒のスタンリーはダウン・ジャケットを何枚も重ね着し、ビレイ地点でうずくまっていた。おそらく、俺なんかに出会うんじゃなかったと後悔しながら。ジョン・ディッキーは右数メートルの空中でフィックスロープにぶら下がり、半狂乱でカメラを雪から守ろうとしている。いったいどうしてこんな愚かしい状況に陥ったのだろうか。

【 「ダン/ウエストベイ・ダイレクト」のジョシュ・ワートン。コロラド州ロッキー・マウンテン国立公園のロングス・ピークのザ・ダイアモンド。写真:Chris Alstrin 】

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公共の土地を公共の手のなかに

by イヴォン・シュイナード

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アメリカの政治家はつねに、政府を「ビジネスのように」運営することに固執してきた。彼らが請け合うのは、官僚制度の無駄をなくし、我々の問題のすべてを自由市場に解決させることだ。

さて、もしアメリカの公有地がビジネスだったなら、株主はその一部の重役たちの著しい怠慢にショックを受けることだろう。

すべてのアメリカ国民が連邦政府の公有地6億4千万エーカーの株を所有している。そして私たちは公務員を雇い、その最大の利益のために、この貴重な資源を管理させる。だが何十年ものあいだ、私たちはこのような非常に大きな所有物を気にかけず、しかもそれが信頼できる手に委ねられていると、たかをくくってきた。

私たちは化石燃料産業を取締役会に入れてしまい、公選した役職者を顎で使うボスになることをガスと鉱業企業に許しているのだ。

【 ユタ州インディアン・クリーク、ヴァン・キャンプ 写真:Andrew Burr 】

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海の呼吸がとまる前に

by 赤井絵理(パタゴニア横浜・関内

マイクロプラスチック
「私たちがいま生きている地球は、もはやプラスチックスープどころではない。プラスチックスモッグだ」 これは昨年、日本で25年以上海洋ゴミとその環境保全の活動に深く関わってきた一般社団法人JEAN が主催、パタゴニアの環境インターンシップ・プログラムを通じて、私がその通訳兼運営スタッフとして参加した、第14回海ごみサミット三重会議で、アメリカの海洋環境研究所5Gyres 代表マーカス・エリクセンが行ったプレゼンテーションでの一幕。彼の言葉を聞いた瞬間、とっさに自分の呼吸を意識してしまったのを覚えている。地球の7割以上を占め、何百年という歳月をかけて循環し、酸素を作り、たくさんの命を宿す海は、まさに地球の心臓のような存在だ。

【 沖縄北部の嘉陽の浜で拾ったマイクロプラスチック。全写真:赤井絵理  】

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雨のために作られたウェア、クラウド・リッジ・ジャケット&パンツ:日本の山から着想を得て

by 片桐星彦(パタゴニア日本支社テクニカル・ライン・コーディネーター)

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雨の多い山での行動に適した「パタゴニアの雨具」――日本のお客様の日本の夏山登山に適したレインウェアのニーズは、ストアのスタッフからの長年にわたるリクエストで分かっていた。そして3年前の2014年3月7日、鎌倉オフィスでのクライミング・アンバサダーとの製品フィードバックのセッションで、日本のいわゆる夏山登山にもっと適した「パタゴニアの雨具」が欲しいと、強いリクエストがあった。彼らの活動の中心は冒険性の高い高所クライミングではあるが、登山ガイドであり、山でさまざまな活動をする花谷、谷口の両名からの言葉だった。パタゴニアのレインウェアは2.5層構造で、軽量性とコンパクト性に優れるが、日本の高温多湿という状況では時としてべたつき感がある。だが、日本のじめじめとした雨のなかの山行でも、快適に歩いている登山者もいる。参加者に「できればXXの雨具を」と言うたびに残念な思いをするのだ、と。

【 八ヶ岳山麓で、湿気が多くてベタベタする日本の春から秋にかけての雨の日のトレッキングのための雨具について話し合う日本のクライミング・アンバサダーたち。全写真:片桐星彦 】

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ゴビ・グリズリーを追って

by ダグ・チャドウィック

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今日は、パタゴニア・ブックス出版の『Tracking Gobi Grizzlies: Surviving Beyond the Back of Beyond』より、第9章「Big Bawa(ビッグ・バワ)」の一部をご紹介します。

【 オアシスで無線の首輪を取り付けられ、その周辺の葦の草間に佇む「ビッグ・バワ」と名づけられたクマ。写真:Joe Riis 】

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マイクロファイバー汚染に関するアップデート

by パタゴニア 

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2016年6月、私たちは世界中の消費者が購入している化学繊維(以下、化繊)で作られている織物製品(ナイロン、アクリル、ポリエステル等)から生じる極小の繊維が引き起こす海洋汚染問題について、パタゴニアの調査報告を本ブログに掲載しました。

マイクロプラスチック汚染に関する調査は、科学者やアパレル業界内でまさにはじまったところですが、化繊衣類から抜け落ちるマイクロファイバーは、非常に懸念されています。私たちはこの問題を深刻にとらえ、問題の大きさと全容をより深く理解するために資金を投じ、そして影響力の強い解決策を生み出す一助となる措置は何なのかについて、理解を深めています。昨年の夏以降、私たちは問題の調査にさらなる対策を講じ、極めて重要な要因に対処する新たな行動を起こしてきました。ここでそのアップデートを報告します。

【 写真:Kyle Sparks 】

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クリーネストライン

アウトドアウェアを製造/販売するパタゴニアの社員、友人そしてお客様のためのブログです。パタゴニアについては patagonia.jp をご覧ください。

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