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#いしきをかえよう

佐藤 潤一  /  2017年12月11日  /  読み終えるまで4分  /  アクティビズム

パタゴニアはミッションに「最高の製品を作る」ことに加えて、「ビジネスを手段として環境危機に警鐘を鳴らし、解決に向けて実行する」ことを掲げています。「環境危機」と一言で言ってもさまざまですが、パタゴニアがとくに取り組んでいるのは、台風の大型化や集中豪雨を引き起こす気候変動問題と、毎日100種以上の生物が絶滅しているといわれる生物多様性の喪失の問題です。その2つを解決するためには貴重な自然や里山環境をまもっていく必要がありますが、その一環として、私たちは2015年より長崎県の石木ダム建設問題に携わってきました。パタゴニアはその建設計画を見直してほしいと考えています。

「ダムの何が問題なのか」「ダムは洪水対策のために必要なのでは」と思われる方もいらっしゃるのではないでしょうか。現時点で必要なダムはもちろんあるでしょう。しかし石木ダムは1975年に計画され、そもそも建設目的とされていた佐世保市の水需要を満たすという必要性が人口減少などでなくなっているうえ、地域の貴重な里山環境や河川環境を破壊するだけでなく、計画予定地に暮らす人たちの先祖代々の暮らしと土地を強制的に奪うことになります。しかもこの計画には多額の税金が使われ、その総事業費は538億円にもなります。

42年前の1975年、皆さんは何をしていたでしょうか?第二次ベビーブームのピークが1973年。当時は約200万人が毎年誕生していた時代ですが、現在の出生数は約100万人と半減しています。人口の減少とともに、技術は急速に進化しました。1975年は国内ではじめてテレビゲーム(モノクロのもの)が発売された年だそうです。それから今日までの42年、社会環境は大きく変化しました。当時必要だったかもしれない事業が、時代とともに必要でなくなっていく。このような事業は定期的に見直して、将来に必要なことにそのお金を回していくことは、極めて自然なことです。

パタゴニアは長年の経験から、さまざまな環境問題を考えるとき、各々が「問題を知る」ことで、少しずつでも「意識を変え」、さらに「行動を変える」という過程の重要性を痛感しています。そこで、石木ダム問題についても、活動に取り組む長崎県の市民団体や個人、著名人とともに、パタゴニアも協力し、「#いしきをかえよう」という新たな取り組みをはじめています。まずは石木ダム問題を「知り」、ダムへの「意識を変える」ことで、ひとりでも多くの人に、石木ダムの建設について公開討論会を開催することを長崎県に求める署名への協力をお願いするものです。「#いしきをかえよう」では、俳優の伊勢谷友介さん、音楽家の坂本龍一さん、作家のいとうせいこうさんなども、それぞれの立場から石木ダム問題に対する思いを寄せてくださっています。

「(中略)これからの未来、一人一人が本気で心配して見ませんか?そして、未だ見ぬ未来の子供たちの為に遺すべきもの、創るものを本気で考える時です。いしきをかえる。」(伊勢谷友介さん)

「一度失われたものは、二度と元にかえらない。先祖から受け継いだ人々の暮らしと里山の自然を壊してまで、本当にダムが必要かどうか。この伝統と自然を子供たちに残さなくてよいのか、よく考える必要がある。」(坂本龍一さん)

「ダムを作るより漏水工事。賢いインフラ整備で生活の質を高め、自然を保全。価値を有効に使う未来を応援します。」(いとうせいこうさん)

パタゴニアのアンバサダーでもある玉井太朗さんも「(中略)石木ダムは明日は我が身なのです。今いちど目線をあげて自分達の身の周りをよく知る、そして考える事。未来に生きる子供達のために大人がやるべき仕事です。必要なものはつくり、無駄なものはやめれば良い、大事なことは反対賛成以前にあると思うのです」というコメントを寄せてくださいました。

長崎県のことだと思うと、長崎県外の方々には、少し遠い問題のような気がしてしまいます。しかし、本当にそうでしょうか。また、たくさんの社会課題がある現代社会だからこそ、そもそもの意識を変えることからはじめることが遠回りのようで、近道なのだと思います。

まずは、「#いしきをかえよう」のウェブサイトをご覧ください。そこでは石木ダムの問題点もわかりやすく説明されています。内容をご覧いただき、共感してくださったら、ぜひ署名にご参加ください。

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