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マイクロファイバー汚染に関するアップデート

by パタゴニア 

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2016年6月、私たちは世界中の消費者が購入している化学繊維(以下、化繊)で作られている織物製品(ナイロン、アクリル、ポリエステル等)から生じる極小の繊維が引き起こす海洋汚染問題について、パタゴニアの調査報告を本ブログに掲載しました。

マイクロプラスチック汚染に関する調査は、科学者やアパレル業界内でまさにはじまったところですが、化繊衣類から抜け落ちるマイクロファイバーは、非常に懸念されています。私たちはこの問題を深刻にとらえ、問題の大きさと全容をより深く理解するために資金を投じ、そして影響力の強い解決策を生み出す一助となる措置は何なのかについて、理解を深めています。昨年の夏以降、私たちは問題の調査にさらなる対策を講じ、極めて重要な要因に対処する新たな行動を起こしてきました。ここでそのアップデートを報告します。

【 写真:Kyle Sparks 】

これまでに学んだ基本的なことは私たちの取り組みの指針であり、また問題解決に取り組むあらゆる人に与える知識にもなるでしょう。

  • 海で見つかるマイクロファイバーは、ランニング・ショーツからヨガ・パンツ、フリース・ジャケットにいたるまで、多様な衣類に使われているナイロン、ポリエステル、レーヨン、アクリル、ポリウレタン 等の素材から生じるため、アパレル業界全体で、また製品のライフサイクルの全段階において、この問題に取り組む必要がある。
  • アパレル製品だけが海に流れ出るマイクロファイバー源というわけではない。漁網、ペットボトルのキャップ、包装、ビニール袋など、他の産業もこの問題の一因である。問題解決への鍵となる調査の優先項目は、海へ流出するさまざまなマイクロプラスチック源の量の測定である。
  • 高品質の衣類は、品質の低い化繊衣類に比べて洗濯中の抜け落ちが少ない。製造業者と消費者は長持ちする衣類に投資することが重要であることが説明できる。
  • 洗濯機はその汚染経路内の必ず通過する段階である。そこで多くの家庭で使われる一般的な洗濯機を中心にテストを進めた。汚水処理施設のフィルターは65〜92%のマイクロファイバーをろ過するが、それでも大量の廃棄物を環境中に放出する。私たちは調査結果を家電産業および排水/廃棄物業者に提示するつもりである。

パタゴニアは、製造するすべての製品が環境に何らかの悪影響を与えるという事実を認識しています。その上で、私たちはサプライチェーンにおける製造工程の改善からリサイクル素材および天然素材の使用、そしてお客様への再利用、修理、リサイクルの奨励まで、製品がそのライフサイクルのあらゆる段階で環境や社会に与える負担を削減する努力をつづけています。

解決策のための最高の投資先を選択するとき、私たちは意思決定の指針となる情報を徹底的に求め、全体的な効果を最大にできる領域を慎重に定めます。なぜなら製品を作って消費者へ売るというビジネスはつねに何らかの犠牲をともなうことを知っているからです。私たちがとくにこだわるのは品質です。長く使用することのできるウェアは、埋立地行きとなることも買い換える必要も防ぐため、私たちができる他のあらゆる改善策に打ち勝ちます。

この2年間で、パタゴニアの化繊衣類から抜け落ちるマイクロファイバーへの問題解決は、その優先度としてますます緊急性が高まりました。以下は、私たちが進めてきた取り組みです。

  • 繊維の抜け落ちを最小限に抑える改良素材の調査研究
  • マイクロファイバーの種類、発生源、また生態系や公衆衛生への影響をさらに理解することに取り組む科学者の支援
  • 海洋プラスチック汚染に挑む革新的な組織への投資
  • お客様や、より広い一般との積極的な対話

私たちの目標は、パタゴニアが与える影響を把握しながら、現在進行中の広範な初期調査に貢献し、最終的には、事実に基づく事業運営の改善方法を見つけることです。

さらなる調査の必要性

私たちは科学者、研究者、一般支持者で構成されるグループをベンチュラのパタゴニア本社に招き、パタゴニアのリーダーシップチームとともに、マイクロプラスチック問題について熱い議論を交わしました。その長い1日の終わりに私たちが到達したのは、「まだまだ知らないことが多い」という明白な意見の一致でした。そこでパタゴニアは、アパレル業界、家電業界、排水/廃棄物業者、その他の研究者、メディアをはじめとする誰もが明確な決定を下すのに必要な情報を得られるよう、この問題に取り組む研究者の支援を率先する役割を担うことにしました。

具体的には、2つの科学的調査に着手しました。1つ目は2016年6月のブログでも紹介した、洗濯中にパタゴニア製品から抜け落ちるマイクロファイバーの測定(と低品質製品との比較)調査です。カリフォルニア大学サンタバーバラ校のブレン環境科学・経営スクールの研究者たちに委託しました。

Fiber【 20ミクロンのフィルターで撮影されたファイバーの画像。1ミクロン(またはマイクロメーター)は1メートルの100万分の1(1センチは1メートルの100分の1)に当たる。このファイバーはパタゴニアのジャケットを洗った洗濯機からの流水をろ過して捉えたもの。写真拡大率は千ミクロン。写真:Shreya Sonar(カリフォルニア大学サンタバーバラ校ブレン環境科学・経営スクール) 】

 

最近はじめたばかりの2つ目の調査は、マイクロファイバーの抜け落ちにつながる繊維や素材の特徴の把握と、洗濯中に抜け落ちる可能性のある素材の迅速な検査方法の開発を目指しています。ノースカロライナ州立大学との協力で進められています。どちらもパタゴニア、そしてアパレル業界の今後の新素材の研究開発に役立つものです。完了次第、調査結果を報告する予定です。

水域環境で見つかるマイクロファイバーのさまざまな発生源、またどのマイクロプラスチックが海洋生態系に害を与えるか、そしてマイクロファイバーを摂取した海洋生物を食べた人間は、健康にどのような影響があるかなどを理解するためには、今後もかなりの調査が必要です。そしてこの情報は、私たちの取り組みへの直接的な対策にだけでなく、現在私たちが注意を払うべき多くの切迫した環境問題というより幅広い状況で、この問題を適切に評価するために役立つものであり、それには気候変動も含みます。

お客様に情報を提供するための新たな計画

さらなる調査研究に加えて、私たちには海へ流出するマイクロファイバーについてこれまで分かっていること、そして最も重要な「いま、できること」を、お客様に伝えることにおいて、より積極的な役割を担っています。

今後できるだけ早急に、パタゴニアの店舗、あるいはウェブサイトで化繊のウェアを購入するお客様に、パタゴニア製品に限らず、化繊衣類全般の取り扱い方法、つまり洗濯中のマイクロファイバーの抜け落ちを最小限に抑え、また抜け落ちたマイクロファイバーを海に流出させない方法に関する情報提供を開始します。ほとんどの人はさまざまなブランドの衣類をたくさん所有する傾向にあります。お客様にはマイクロファイバーによる海洋汚染を防止する一助となる方法を理解していただき、私たちはこの問題とそれが環境や人体に与える影響についてさらに情報収集をつづけます。ここでは洗濯のヒントに加えて、高品質で丈夫な衣類の購入が洗濯中の繊維の抜け落ちを最小限に抑える重要な対策であることも、お客様に再認識していただきます。

以下はお客様にお伝えしたい情報です。ご一読ください。

***

新たな衣類を手に入れるときに大切なのは、購入するものすべてには何らかの環境的犠牲をともなう、という事実を認識することです。パタゴニアは洗濯中に化繊のウェアから抜け落ちる極小ファイバーについて調査しています。科学的にはまだはじまったばかりではありますが、こうした抜け落ちたマイクロファイバーが海へ流れ出ることはすでに明らかになっています。以下の簡単な手段は、お客様のウェアがその製品寿命を通じて環境に与える影響を抑えるのに役立つものです。

• ウェアを使いつづける:長期にわたってウェアを使いつづけることは、地球への影響を削減するために、誰もが個人で実行できること。必要なものだけ、そして長持ちする高品質のものを購入する。カリフォルニア大学サンタバーバラ校の研究者たちの協力を得て実施されたパタゴニアの最近の調査では、品質の低い一般的なフリース製品に比べて、パタゴニアの高品質の製品は、繊維の抜け落ちが少ないということがわかった。(brenmicroplastics.weebly.com)。
• 洗濯の回数を減らし、ドラム式洗濯機を選ぶ:マイクロファイバーは洗濯中に抜け落ちるため、どうしても必要なとき以外は洗濯しない(水の節約にもつながる)。最も使用回数の多いアウターでも、丸洗いはときどきしか必要ない。泥が付いたら(私たちはそれを願っています)、洗濯機に投げ入れる代わりに、ぼろ切れやスポンジで拭い取る。洗濯機について考える:縦型洗濯機で洗った化繊のジャケットは、ドラム式洗濯機で洗った場合に比べて、抜け落ちた繊維が5倍にも上る。
• 繊維のろ過を助ける:化繊の衣類をフィルターバッグに入れてから、手洗いするか洗濯機で洗うことにより、マイクロファイバーの流出を大幅に減らすことができる。数週間以内には、アメリカとヨーロッパのパタゴニアのウェブサイトで、使いやすいGuppy Friend(guppyfriend.com)を原価で購入することができるようになる。あるいはWexco’s Filtrol 160(septicsafe.com/washing-machine-filter)などのような、洗濯機用フィルター(配管作業は必要)を導入する。

*パタゴニア日本支社注:日本のパタゴニアでのバッグの販売は現在準備中です。進捗があり次第、ここでアップデートをお知らせします。

この問題に関するパタゴニアの取り組みについては、www.thecleanestline.jp/マイクロファイバーをご覧ください。ここでご紹介したガイドラインあるいは皆様の製品に関するご質問は、いつでもお問い合わせください。皆様のご協力に感謝します。

***

パタゴニアは数週間以内に、手洗いでも洗濯機でも使用でき、化繊衣類と排水口のあいだでマイクロファイバーのろ過の役割を果たす洗濯バッグ「Guppy Friend」の提供を開始します。バッグは原価で、アメリカとヨーロッパのパタゴニア直営店およびウェブサイトでお買い求めいただけます。パタゴニア社内で実施したテストでは、このバッグの使用によりマイクロファイバーの流出を大幅に減らすことができることが分かりました。

Bag【 写真提供:Guppy Friend 】

 

Guppy Friendはドイツの私たちのパートナーによって開発されました。パタゴニアは€100,000の助成金を提供して、この製品のさらなる改良を支援しています。

進歩的な研究開発など

新たな調査とお客様への情報提供に加えて、消費者の洗濯の解決策として非常に効果的な洗濯機用フィルターWexco’s Filtrol 160などのテストも実施しました。今年の後半にはRozalia Project’s microfiber catcher ballが市場で購入できるようになることに期待しています。またおもに〈Outdoor Industry Association〉との協力により、アウトドア業界内でマイクロプラスチック問題に関する共同議論を開始し、さらに海のマイクロプラスチック問題への認識を高める非営利団体に5年間で合計$180,000の助成金を提供しました。

パタゴニアの素材ラボでは、バイオベースの新素材を求めて積極的な研究開発を押し進めてきました(長期的な展望は、繊維にも包装にも完全生物分解性の素材を見つけることです)。この研究開発はマイクロプラスチック汚染問題に応えるものではありません(過去には植物ベースのウェットスーツオーガニックコットン使用の進歩などの革新が生み出されています)。しかし抜け落ちを抑える化繊の素材を開発し、天然素材から作られるよりテクニカルな衣類をお客様に提供することを目指す私たちにとっては不可欠な要素です。

(しかしながら、化繊の代替品を考案したとしても、環境や社会への代償をまったくともなわない素材は存在しない、という事実を認識することは重要です。私たちの目標は、皆様にウェアをより長く使っていただける方法を提供しながら、環境への影響を削減する方法を探しつづけることです)

私たちはまた、ティンシェッド・ベンチャーズ基金を通して、水を使用しないテキスタイル加工企業Tersus Solutions(ターサス・ソリューションズ)にも投資しました。循環型の性質を備えたターサスの技術では、マイクロファイバーは水路に排出されず、システム内で捉えることができます。ターサスの機械はすでに商業ランドリーで使用されており、私たちは同社の革新により、マイクロファイバーの蔓延が廃水から減っていくことに期待しています。

私たちはこの新たな難題に重点的に取り組み、マイクロプラスチックの海洋汚染にまつわる深刻な懸念の全容をつかみながら、根本的な解決へ向けて主導的に取り組むための最善の機会を探りつづけます。問題に対する理解を深めながら、あらゆる環境的/社会的な課題のなかでマイクロプラスチック汚染について考える態勢を整えて、肯定的な影響を与え、そして結果として情報に基づく明白な決断を下す機会を得ます。

今後の進展についても、私たちのお客様、パートナー、そして一般の皆様に、随時お知らせしていきます。

 

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コメント

洗濯バッグに着いた物質は、どうなるのでしょうか?

お問い合わせありがとうございます。

糸くず(繊維)は手や指で取り除いて、ごみ箱に捨ててください。その糸くず(繊維)が自治体が管理する焼却システムで焼却されれば、汚染物質は捕捉されることが推測されます。お客様の庭先、家庭、野外等で個別に燃やすことは推奨できません。

パタゴニアの製品に対する責任ある姿勢に対し賛同します。
自分は嘗て、20年以上前にコロラド州へスノーボードをしに行きました。
彼の地のあまりの寒さに現地のスポーツ用品店で初めて、パタゴニアのフリース製スナップTプルオーバーを購入しました。当時日本でもまだフリースは珍しかったように思います。おかげで寒さを感じることなく遊びまくることができました。
その時買ったフリースは、今でも現役で、冬場のパジャマの上に着る防寒として使っています。驚くほど長持ちです。
コットンのフルジップフーディは残念ながらあまり長持ちせず、袖のところがすぐ擦り切れてしまいましたが、このフリースは未だに(年月経過で相当みすぼらしい外観ではありますが)しっかりとしています。名品だと思います。
美しい自然のためにも、今後もこうした良い製品を選びたいと思います。

パタゴニアの洗濯バッグは通常の洗濯ネットとは素材が違うのでしょうか?衣類が傷まないようにいつも洗濯ネットを使っているのですが、それがマイクロファイバー汚染に貢献するのであれば幸いなのですが。

大変興味を持って記事を拝見しました。今まで全く考えていない事でした。
乾燥機を使う習慣のない家庭、国、個人は、洗濯物を叩いて外に干すことが予想されます。我が家がそうです。空気中に巻かれたマイクプラスチック、マイクロファイバーは、人体や生き物に害はあるのですか?空気中から海へ巻かれることはあるのでしょうか?
アメリカでは乾燥機を利用するのが普通で、洗濯物を干すという意識がないと思います。日常的に乾燥機を使わないケースも、今後の研究に加えていただけないでしょうか?

べるこ様

お問い合わせありがとうございます。

パタゴニアがアメリカとヨーロッパで先行して販売を開始した洗濯ネット「Guppy Friend」を開発したベンチャー企業は、世界中の川や海からプラスチックやマイクロプラスチック汚染を減らすことを目的に設立されました。その素材には洗濯中に抜け落ちたファイバーをろ過する機能をもたせた特殊なマイクロフィルターが使用されており、その特徴は、テキスタイル製品のファイバーの抜け落ちを抑制、抜け落ちたファイバーの99%をろ過、水の透過性が高い、毛玉の発生を抑制、試験機関によるテストに合格している、です。

Jean様

お問い合わせありがとうございます。

マイクロファイバーを吸い込んだ場合、人体への影響を引き起こすかについては、現時点ではまだ科学的に解明されていないのが現状です。以下に、英語ですが、最近の関連する記事をご案内します。http://bit.ly/2mZr4A1

また、空気中から海に向かうかという点については、空気中や土壌中にあるマイクロファイバーは降雨とともに川に流れ込み、最終的に海にたどり着く可能性があります。私たちはこの新たな難題に重点的に取り組み、マイクロプラスチックの海洋汚染にまつわる深刻な懸念の全容を掴みながら、根本的な解決へ向けて主導的に取り組むための最善の機会を探りつづけます。今後の進展については、随時お知らせしていきます。

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