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シンプルなフライから学んだこと

by イヴォン・シュイナード 

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私がこれまでにやってきた――登山やホワイトウォーター・カヤックから、スピアフィッシングや道具作りまで――さまざまなアウトドアへの探求や、手作業で何かを作ることにおいては、初心者からベテランへの進歩とはいつも、複雑さからシンプルさへの旅だった。イラストレーターがアーティストになるのは、より少ない筆さばきでメッセージを伝えることができるようになったときだ。

フライフィッシングはまったく逆方向に進んできたように思う。必要以上に複雑で金のかかる娯楽となり、何百種ものフライラインやハイテクロッド、あるいはトラックを止められるほどのドラグを備えたリールを選べる。アングラーならトラウトやサーモンの走りを止めるにはシンプルなドラグで十分だとわかっているにもかかわらず、釣り産業に不安感を煽られて、最新のギアと最新のフライを装備しないと釣りが楽しめないような気になる(正直、私も複数のロッドとリールを所有しているし、ある種のメイフライの特定の成長段階を正確に疑似するフライが見当たらないと悪態をついている自分に気付いたこともある)。

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つながる海森川里:種子島の子供たちとの「うみとも」プロジェクト

by 内野加奈子
 
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地球の70パーセントという広大な面積を占める海。その海にはミクロレベルのプランクトンから、地球上で最大の生きものといわれるシロナガスクジラまで、多種多様な生きものたちが暮らしています。一般的に、水深約200メートルまでの海は「沿岸域」と呼ばれ、砂浜や干潟、磯やサンゴ礁など、さまざまな環境が広がっています。沿岸域は海全体の面積からするとたった8パーセントですが、太陽の光の届く浅瀬の海は生きものの量も多く、その数パーセントのなかに、夥しい数の生きものたちが暮らしています。

陸地からすぐの沿岸域に暮らしている生きものたちは、当然ながら川を通じて海へと流れる下水や農薬や土砂など、陸からの影響を大きく受けながら暮らしています。けれども、直接目に触れないものへの関心はどうしても集まりにくいもので、そうした陸と海のつながりに注目されることはなかなかありません。身近な森の木がすべて枯れ果て、突然砂漠のような状態になれば、いったい何があったのだろうと大きな注目を集めることになるかと思いますが、もし仮に海のなかで同じような状況が起こっても、その現状が実感をもって受けとめられることは、なかなかむずかしいかもしれません。実際のところ陸から海への影響は、農地にしみ込んだ化学肥料や農薬など、その発生源を特定しにくいものが多いという現実もあります。

そんななか、普段の暮らしのなかではなかなか触れることのできない、海、森、川という自然のつながりや私たちの生活との関わり、そして循環を損なうことなく自然からの恵みを受け取っていくための知恵や技術などを、体験をもとに学ぶことができる場を生み出したいと、今年はじめに種子島で「うみとも」プロジェクトとよばれる取り組みがはじまりました。それは豊かな自然の残された種子島をフィールドに、海と森、海と畑のつながりを実感してもらうプロジェクトです。

【 写真上:Kanako Uchino 】

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by アン・ギルバート・チェイス

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体重を支えられる箇所を探って不安定な雪のヘッドウォールにアイスツールを打ち込むと、眼下には深まりゆく闇のなかでジェイソンとキャロが、私が落とす雪と氷の絶え間ない集中砲火を避けようとハンギングビレイで身を寄せ合っているのが見えた。もう16 時間登りつづけていた。私はふたたびアイスツールを叩き込み、腕を肘まで雪に埋めると、最後の頂上尾根へとつづく急な雪庇の上に唸りながら這い上った。

肺いっぱいに冷たい薄い空気を吸い込んだ。暗くなる寸前の光に輝く山頂が見える。少なくともあと2 時間はかかるだろう。目前には暗雲の壁が迫っていた。

【 上:ガルワール・ヒマラヤの広大さに包まれるアン・ギルバート・チェイス。インド、ウッタラーカンド州 写真:Jason Thompson 】

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最悪の発想

by ルーク・ネルソン

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「狂気は必要じゃないけど、助けにはなる」というのがタイの口癖だ。長年にわたる僕たちの無謀な遠征が何度この言葉で語られてきたか……は、もう数えても無駄なので止めていた。そのときは、とにかく現況を生き延びることに集中しようとしていた。

ランニングらしき行為はすでに何時間も前に終わっていた。日は差していたが、寒かった。氷点下32 度という寒さだ。僕たちが向かっていた暖を取るための山小屋へとつづく道は、数キロ前で整備も途絶えていた。午前中に2 台のスノーモービルが追い越して行ったものの、その軌跡も役には立たなかった。僕たちの体重を支えてくれたかに思えた軌跡はときに何の前触れもなく、片脚を股までズボッと雪のなかへと吸い込んだ。雪面に残ったもう片脚を雪に埋もれさせないよう、なんとか脚を抜き出すために格闘するのは、体力を消耗した。

【 上:外が摂氏マイナス30 度に近いときは、できるだけ時間をかけて地図と相談するのも悪くない。今後のルートをゆっくりと練るタイ・ドレイニーとルーク・ネルソン。ワイオミング州ソルト・リバー山脈。写真:Fredrik Marmsater】

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『Surf Is Where You Find It(改訂/増頁版) 』 ジェリー・ロペス著発刊&ジェリー・ロペス来日

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ジェリー・ロペスの言葉は、彼のボトムターンとおなじように美しい。幼少期を裸足で過ごしたハワイのサトウキビ時代、サーフィンの歴史に名を刻むレジェンドたちとのスリルに満ちた体験、世界有数の波質を誇る未開拓ポイントへの冒険トリップ。どのストーリーにも、読み手が実生活に当てはめられる教訓が存在する。本書を通じて、自分自身サーファーであることに誇りをもつことができた。
―ジャック・ジョンソン

ジェリー・ロペスがサーフィンから学んだ数々の体験を綴った『Surf Is Where You Find It』にストーリーと写真を追加。新たにスノーボードとスタンドアップ・パドルのストーリーを含み、新たに訳しおろした改訂/増頁版が、10月14日(金)発刊します(一部直営店は10月15日(土))。

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クリーネストライン

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