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最後の暗闇:オワイヒー・キャニオンランズの170マイルを走る

ジェフ・ブラウニング  /  2016年8月18日  /  読み終えるまで5分  /  トレイルランニング, アクティビズム

オワイヒー・キャニオンランズの1日目。岩だらけの旅の味を覚えるため、渓谷へと向かって進むジェフとジェシー。 Photo: Fredrik Marmsater

足の感覚がなかった。凍るような冷たい極寒の川を数え切れないほど渡った。狭い谷底に沿って進めるルートを探すため、柳の群生を押し倒しながらはい進み幾度ともなく川をジグザグに渡る必要があった。たった6マイルを進むのに3時間も要し、僕たちの能力では持て余すことに着手してしまったのではないかと思いはじめていた。とはいうものの、オワイヒーに冒険はつきものだ。今後10年のうちアラスカとハワイ以外の48州でミルキーウェイ全体がはっきりと見える場所はわずか3つになってしまうこと、そしてオワイヒーはそのうちのひとつになることが予想されている。ここは最後の暗闇なのだ。

計画はシンプルに思えた――新しいオレゴン・デザート・トレイル(ODT)の最後の170マイルを4日間で走る。ウルトラ・ランナーのジェシー・ヘインズ、写真家のフレッド・マームセイターとジョナサン・バイヤーズ、ロジスティック担当にトレイルヘッド・ラボのジェレミー・モントー。全員が壮大な冒険に乗り気なウルトラ・ランナーだ。オレゴン州東部の高地砂漠に点在するウェイポイントをつなぎながら横断する全長800マイルに及ぶODTは、現時点ではただの概念に過ぎない。170マイルはウルトラランニングの世界ではわずかな距離だが、深く侵食された火山の谷や流れる川などの高度な技術を要する地形が、ウルトラランニングという用語に新たな次元を加えた。

オワイヒー・キャニオンランズはオレゴン州南東部に広がる250万エーカーの広大な土地だ。ここにはカリフォルニア・ビッグホーン・シープのアメリカ最大の群れ、危機に晒されているキジオライチョウ、24種類以上の植物固有種、また知られているだけでも500以上の遺跡が存在し、そのなかにはアメリカ先住民のペトログリフや19世紀のトレイルも含まれる。国立原生景観河川に指定されているにも関わらず、オワイヒーのほとんどは保護されていない。それは〈オレゴン・ナチュラル・デザート・アソシエーション〉が変えようとしている現実であり、僕がオワイヒーに戻ってきた理由でもある。

これは楽しく、そして辛いものになるだろうと考えていた。

最後の暗闇:オワイヒー・キャニオンランズの170マイルを走る

ひっきりなしに柳を殴りつけながら突き進むことに慣れてきた僕たちの足は、川の蛇行部分に広がるものに止められた。初日の序盤、リトル・オワイヒー川で繰り返し柳をかき分けるジェシー。Photo: Fredrik Marmsater

最後の暗闇:オワイヒー・キャニオンランズの170マイルを走る

トッピン・キャニオンを抜けたあと、僕らは草が点々と生える川沿いの最後の数マイルの岩場を軽快に駆け抜けた。Photo: Fredrik Marmsater

最後の暗闇:オワイヒー・キャニオンランズの170マイルを走る

ODTはこの川を幾度となく交差しながら、狭まっていく渓谷を通過する。僕たちはオワイヒー川のノース、ミドル、そしてサウス・フォークを成す、ジグザクに侵食された3つの渓谷の広大な景色を大いに楽しんだ。ワイドスプレッド・パニックの「オール・タイム・ロー(史上最低)」を口ずさみながら、僕はまさか自分たちがほぼそこまで来ていたとは知る由もなかった。Photo: Fredrik Marmsater

最後の暗闇:オワイヒー・キャニオンランズの170マイルを走る

ODTのクロスカントリーのジグザグ、川、そしてランニングへ出発する前に小休止。Photo: Fredrik Marmsater

最後の暗闇:オワイヒー・キャニオンランズの170マイルを走る

2日目の脂肪たっぷりの朝食のあと、僕たちはメイン・オワイヒー川の横断を目指した。僕のあとにつづいて、ジェシーも命懸けの泳ぎを披露。僕よりも優雅な泳ぎだったことは認めよう。夏の流量は低く、毎秒200立方フィート/秒程度だが、最近の積雪と降雨により2,000立方フィートの勢いで流れていた。もちろん、楽しかったよ。Photo: Fredrik Marmsater

最後の暗闇:オワイヒー・キャニオンランズの170マイルを走る

夕暮れの空に不吉な雲堤ができているのに気付いたそのあと、稲妻が走った。午後5時、アイロン・ポイントでチームと合流。空が突風と豪雨、雷と稲妻、そして雹を一斉に解き放つと、僕たちは一面に広がる壮観な景色を堪能しようと一息ついた。Photo: Fredrik Marmsater

最後の暗闇:オワイヒー・キャニオンランズの170マイルを走る

オワイヒーの原野にさらされた水のないリム上の長距離がつづくセクションは、テクニカルでほぼオフトレイルのコースを続行するため、毎日サポートを提供してくるチームの存在は必須だ。ランバート・ロックスとアイロン・ポイントへと続行する前、再度チームと合流し、涼を取り、燃料補給するジェシーと僕。Photo: Fredrik Marmsater

最後の暗闇:オワイヒー・キャニオンランズの170マイルを走る

回復後、ODTのリム沿いのクロスカントリーを進むジェシーと僕。僕たちは並んで、堅実なペースで走った。日が沈みはじめるとともに、遠くに雪を抱いてそびえ立つスティーンズ山を雲が覆う。Photo: Fredrik Marmsater

最後の暗闇:オワイヒー・キャニオンランズの170マイルを走る

雨と晒されたビバークをともなった徹夜の行動のあと、僕たちは完走できるかもしれないと思いはじめた。だが士気が高まるのもつかの間、1マイルも走るとその自惚れがしっぺ返しとなって跳ねかえってきた。疲れ果てた僕らは日没までにはベンドに戻らなければならなかった。72時間で142マイル走ったところだった。Photo: Fredrik Marmsater

最後の暗闇:オワイヒー・キャニオンランズの170マイルを走る

レスリー・ガルチからオワイヒー湖の終点までの最終日はまた別の日に。Photo: Fredrik Marmsater

最後の暗闇:オワイヒー・キャニオンランズの170マイルを走る

最後の暗闇を満喫するジェシー。Photo: Fredrik Marmsater

最後の暗闇は危機に直面している。すでにウランと金の採掘計画が提案され、オレゴン州マルヒュア郡にはおおよそ17万2千エーカーの石油と天然ガス採掘のリースが申請されており、この暗闇の未来は危機に晒されている。〈オワイヒー・コーリション・コンサベーション・プロポーザル〉のウェブサイトをご覧いただきたい。連邦議会の行動とオワイヒーを野生のままに保護する2500万エーカーの国立保護区の提案が必要とされている。僕たちはこの世界の野生を開発し、産業化してきた。オワイヒーはそれでも生きている。そのままにしておこうではないか。地元と全国の団体がこの素晴らしい土地を守ろうと必死で闘っている。WildOwyhee.orgのウェブサイトで近況を知り、行動を起こそう。

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