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異なる道:ブレオ共同創始者のベン・ネッパーズとチリ南部で暮らす

by ブルック・オーテル

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パタゴニアの「$20 Million & Change」基金は2013年に、志を同じくする革新的なスタートアップ 企業がビジネスを手段として環境危機のための解決策やその他の肯定的な変化をもたらすことを支援するために始動しました。あるいはイヴォンの言葉を借りると、「自然を使い尽くすのではなく、自然と連動すること」に成功するよう、企業家と革新者を援助することを目的としています。今日はそうした会社のひとつであり、Bコーポレーションと〈1%フォー・ザ・プラネット〉のメンバーでもある「ブレオ」をご紹介します。

コチョルゲにあるベン・ネッパーズのキャビンからは海が見えます。アメリカのケープコッド出身の起業家であるベンは、チリ南部のこの小さな沿岸コミュニティにはまったく縁のなさそうな住人です。彼は廃棄された漁網をリサイクル製品に転換させる革新的な会社、ブレオの共同創始者です。ベンはチリの現場でブレオのビジネスの基本となるリサイクリング・プログラム「ネット・ポジティバ・イニシアチブ」を監督しています。ブレオはネット・ポジティバを通してプラスチック汚染を削減すると同時に、サングラスとサイドウォーク・クルーザー・スケートボードを製造するのに必要な原材料を入手するため、捨てられた網の回収を促進しています。

写真上:ブレオの漁網回収/リサイクル・プログラムの「ネット・ポジティバ」を通じてブレオのスケートボードひとつひとつに変身した漁網の量を示すブレオの共同創始者ベン・ネッパーズ(左)とケビン・エーハーン(右)。チリ、サンチアゴ。写真:Kevin Ahearn

ベンとビジネスパートナーのデビッド・ストーバー、ケビン・エーハーンは、チリの漁業コミュニティと恊働しながら持続可能なビジネスモデルを開発し、アウトドアを愛する個人に高品質のリサイクル製品を提供することを意図にブレオを創業しました。機械工学と環境コンサルタントの経歴をもつベンは、ブレオを結成する以前には野生の釣りによる漁業に焦点を当てたチリ政府のプロジェクトで働いていました。ブレオのビジネスモデルを模索する初期段階で、漁師、殊に低所得層の漁師との会話を通して、漁網を管理するインフラがほとんど皆無であることにベンは気づいたのです。「このプロジェクト全体が強力な力となりはじめたのはそのときだった。この力は今日のネット・ポジティバとなった」

 


ブレオのスケートボードとパタゴニア・ワークス。ビデオ:Bureo Skateboards


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写真提供:Bureo

 

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水から上げられた魚。チリ、ヴァルパライソのすぐ北で漁網の上に乗せられたブレオのリサイクル済みスケートボード「ミノウ・クルーザー」 写真:Kevin Ahearn

 

ブレオの他のチームメンバーはカリフォルニアに移転しましたが、ベンと妻のガブリエラはチリのコチョルゲに留まることに決めました。そこはブレオが網の回収のためにパートナシップを組んだはじめての漁村でした。そして廃棄物管理インフラと網を海に放棄することの環境への影響についての教育だけでなく、その材料に対する価値観も欠けていました。ベンは説明します。「この地域に実際に住み、状況とともにみずから働き、漁業コミュニティと毎日仕事をし、彼らがどう網を管理し、これをどうやったら本格的なプログラムに展開することができるのかを学ぶというのがアイデアだった」

現在ベンは北部のイキケ、少し南にあるコキンボ、ベンの住むコンセプシオンという3つの主要地区で、そこで操業するネット・ポジティバに関与する地域マネージャーと地元マネージャーの両方と密に働いています。各地域では5〜12の漁業コミュニティがネット・ポジティバ・プログラムに参加し、それぞれに地域マネージャーが存在します。ベンは国のマネージャーのような役割をもちますが、実際の活動からほど遠いオフィスで働いているというわけではありません。彼はつねに旅し、ネット・ポジティバに参加する漁業コミュニティと直接仕事をしています。

チリで彼が開発する「大規模計画」とは、地域および地元マネージャーに徐々に責任を移行し、リサイクル・ネットの売却を通じてブレオと関わりのある存続可能なビジネスを彼ら自身が構築することを援助することだと、ベンは説明します。「漁師が釣った魚をある値段で売るのと同じように、これらのチームはネット・ポジティバを通じて漁網を収集し、ブレオに売るのを彼ら自身のビジネスにすることができる。漁網を回収することで収入を補足できるんだ。最終的には、すべてを彼らに手渡したい。いま僕がここにいるのは彼らを指導するためだけだ」

 

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引き潮時に潮の香で満ちるチリのコチョルゲ。写真:Bureo

 

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チリのコチョルゲで回収ポイントから地元の漁師と一緒に捨てられた漁網を撤収するベン・ネッパーズ。写真:Bureo


ブレオは営利目的の会社ですが、そのビジネスモデルはスケートボードとサングラスを製造するのに必要な原材料を提供してくれる漁業コミュニティにお返しするようデザインされています。地域や地元のマネージャーがその仕事と引き換えに受け取る報酬に加えて、ブレオは収集された漁網1キロごとに追加の基金を貯めています。「僕たちが示したいのは、このビジネスは漁師が僕らに漁網をくれるだけのものではないこと」とベンは語ります。「僕らはいまコミュニティ全体に価値をもたらしている」

ブレオのチームはその基金をどう配分するのかについて無知であることを認識したとき、地元の非営利団体に援助を求めました。コンセプシオン地域ではブレオの使命と調和するリサイクル、環境教育、コミュニティの力づけの3つを支援する草の根非営利団体〈ファンダシオン・エル・アーボル〉と恊働しています。〈ファンダシオン・エル・アーボル〉はブレオの基金の最善の用途を決定するため、地元リーダーとのワークショップを組織化しています。ある村に地元コンポストセンターを作ること、また別の村の中心部に位置する小学校に缶とボトルのリサイクル・スポットを設定することなどがその例です。ブレオはまたビーチ清掃と環境トピックスについて若者を教育する、より一般的な環境教育ワークショップも支持しています。このような種類のコミュニティ関与はブレオの使命の隅石であり、コミュニティに住んで地元民と密接に働くことへのベンの誓約がその実現を援助しています。

当初、ベンとガブリエラは1年だけチリに留まる計画でした。その間にベンはネット・ポジティバを構築し、コミュニティに従事してカリフォルニアに戻る前に全員を訓練するつもりでした。しかしそれ以降、計画は変わったとベンは言います。「僕らが発見しはじめた素晴らしいことは、ここで暮らせば暮らすほど、ここが好きになったということ。僕らはずっとシンプルな場所で必要なものだけで暮らしたいと思っていた。派手ではない、地味な暮らしを望んでいたんだ」

ある意味インターネットへのアクセスがよりよいコンセプシオンの近くの町で暮らすことの方がより現実的ですが、地元コミュニティで暮らす利点はそんな便利さよりもずっと優れた恩恵をもたらします。「本当に美しい場所で、人びとは素晴らしい。このプログラムにもとてもよく反応してくれて、気遣ってくれる。心配するような犯罪や暴力はほとんどないし、とてもよく維持されたコミュニティだ」

 

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チリ、コチョルゲのカラフルな釣り船に囲まれて一息つくベンとガブリエル・ケッパーズ。写真:Bureo


 
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コチャモ渓谷の川渡り。休暇でチリ南部の地元環境を探索するベン。写真:Bureo

 

ブレオのコミュニティ・プロジェクト基金は良い評判を得ているものの、重要なことはそれに対する誠実さと忠誠を保つことだとベンは言います。ただやって来て多くを約束し、数週間後には消えてしまうような他の慈善家とは異なり、ブレオのチームメンバーは一緒に働くコミュニティにおける持続的な存在を確立しています。そのお返しとして、チリの漁師とそのコミュニティは快くブレオと恊働し、地元では「3人のアメリカ人」として知られるベン、デービッド、ケビンが出した新しいアイデアを受け入れています。尊敬と信頼を得ることは彼らのビジネス操業のためだけではなく、意義ある持続可能な関係を構築する鍵でもあります。


 
ブレオとネット・ポジティバについての詳細はbureo.coをご覧ください。

 


 

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ブルック・オーテルはオーバリン大学で環境学を学びながら長距離/陸上レースを走る3年生。ロードアイランド州ブロック・アイランドで育ったことが、ブルックのアウトドアへの愛と環境保護および地元地域の持続可能性への興味を育んだ。島で彼女の家族はアウトドア専門小売店「ブロック・アイランド・スポーツショップ」を所有/経営する。

 

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