子どもは私たちの最高の製品:ホワイトハウスの「勤労者世帯のための変革の推進者」に参加する
勤労者世帯への私たちの忠誠についてオバマ大統領から評価を受けることは名誉なことです。つねに家族にとってパタゴニアを素晴らしい会社にしてきたマリンダ・シュイナードと賞を受賞した社内の託児施設プログラムを30年前にベンチュラ本社に開発し、以来ずっと運営してきたアニタ・ファートゥとともに感謝します。
社員を公平に優遇したいと希望する他の会社のためのお手本となることを嬉しく思います。それは私たちの時代におけるビジネスの必須の要素です。パタゴニアは家族を支援するため、社員全員に無料のヘルスケア、病気休暇と有給の産休、社員のための社内託児施設、託児施設に通えない社員には資金援助など、数々の福祉手当を提供しています。
社会と環境の変化への自分の願いを仕事場の外へ追いやらねばならなかった企業で勤めた後、私は2008年にパタゴニアへやってきました。人として、そして市民として日常の仕事に全身全霊で打ち込むことを望んでいたからです。けれども私は懐疑的でした。競争の激しいビジネスにおいて本当に会社の価値を指針にできるかどうかを、この目で確かめたかったのです。
パタゴニアの託児施設プログラムはこの可能性を裏付ける可視的な証拠で、社会的慣行を向上させ、サプライチェーンにおける環境への悪影響を削減する私たちの取り組みのなかでも、いまもなお最も顕著な事例です。
「良いギアに加えて(パタゴニアは)父母になる社員のために2か月の有給の育児休暇を提供している。そして本社に託児施設を設けている。社員は信じる大義のために有給のボランティア活動もできる。彼らは子どもの学校で時間を過ごすことができ、月々の支払いと教室で子どもが輝いている様子を見ることのどちらかを選択する必要もない。それは社員が会社を成功させるために労を惜しまないことを意味する。なぜなら彼らはローズやその他の経営陣が社員に配慮していることを知っているからだ」
社内の託児施設の利点は明白です。子どもは活発で興味津々で幸せそうです。アニタ・ファートゥが言うとおり「子どもが同じ場所にいて、周囲の大人たちが彼らを愛し、育んでくれるのだと信頼する能力を持つと、発育の全側面において必要なすべてを行うエネルギーが備わるのです。子どもたちはより明確に発言するようになり、自尊心も高まる傾向にあります」
両親と祖父母への利点も見られます。子どもと日中に会うことができ、一緒に時間を過ごし、親としての人生を犠牲にすることなく労働生活に従事できます。また私たちのプログラムは出張中の際、1歳児以下の子どものためのチャイルドケアの支援も提供します。
あまり目立たない利点もあります。それは子どもの存在が全社員にとって仕事場をコミュニティへと変身させることです。子どもの姿と笑い声はビジネスへの責任と同時に、私たちの人間性を重視することが仕事の目的であることを思い出させてくれるのです。
こういった投資から得られるビジネスへの成果は重大です。たとえば離職による社員の補充コストは既存社員の基本給の150%に達します。出産後に仕事を辞める、あるいは長期休暇を取る女性の率は43%ですが、パタゴニアではほぼ全社員が標準の育児休暇の後に仕事に復帰します。
30年以上を経たいま、パタゴニアはここで育ったかなりの数の子どもを雇用しはじめました。そして社員とその子どものための疲れ知らずの推進者であるアニタ・ファートゥは最近、さらに400人の社員を支援するためにリノのサービスセンターに同様の施設の準備をはじめました。
私たちは市民およびビジネスパーソンとして多くのチャレンジに直面します。世界を変えるためには変革の代理人となること、プライベートと同様に職場でもその能力を持つことが不可欠です。私は全身全霊を仕事に傾けることのできるパタゴニアでその可能性を実現することができました。その要因の一部は全員の足を地に着けさせてくれる才能ある同僚の子どもたちです。社員からの忠誠を願うどんなビジネスもこれについて学び、後につづくべきです。