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マイル・フォー・マイル、パート1:新しいパタゴニア公園に到着【アップデート】

by ルーク・ネルソン

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突風が吹き、ヘネラル・カレーラ湖畔に打ち寄せる水がしぶきを上げる。目を閉じて立っている僕の日焼けした頬に噴霧がひんやりとする。目を開けるとパタゴニアはまだちゃんとそこにある。まるで夢のようだ。長年この場所を目にすることを夢見てきた。そしていま、僕はここですっかり圧倒されている。どんなところなのか、どんな匂いがするのか、どんなふうに感じるのかを何度も繰りかえし想像してきたパタゴニアは、まったく想像以上の場所だ。運転、空港、飛行、空港、ギアの積み込み、そしてまた運転に費やした39時間は霞のように過ぎ去り、いま静けさのなかに聞こえるのは湖に吹く風の音だけ。

4年前、僕はサーモン・リバーのミドルフォーク沿いにあるフランク・チャーチ原生地域の真ん中で非常に過酷なランニングを完走した。歴史的なサーモンの遡上の保護に取り組む〈セーブ・アワ・サーモン〉の活動に注目を集めることを目的に、タイ・ドランシーと一緒に途方もなく長い距離を走ったのだった。自信過剰かつ計画不足だったにもかかわらずイベントは成功し、僕たちが走った248キロのストーリーから多くの人たちが保護の取り組みについて学んでくれた。

写真上:はじめてパタゴニア公園のトレイルに足を踏み入れるパタゴニア・アンバサダーの、ルーク・ネルソン、ジェフ・ブラウニングクリッシー・モール。チリのアイセン地方にあるパタゴニア公園。写真:James Q Martin

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八ヶ岳:横岳東面・北沢ルンゼ

by 島田和彦 『DIGGIN’ MAGAZINE ISSUE04』より転載

八ヶ岳

危うくそのまま滑り降りてしまうくらい忽然と、最後の砦である大滝がその姿を現した。60mのロープがギリギリ20cmほど雪面に届くという宝の場所を探し当て、登り返すという最悪の選択肢は、ようやく消えていった。先ほどからうろついていた熊の親子が、僕らの帰る方向へと走り去っていく。帰路へとつづく安全地帯でいつもどおり最後尾に陣取り、スキーヤーにどうにかして追いつこうと努力するわけでもなく、スプリットボードをただひとり、心ゆくまで堪能している。12時間の山行をスキーヤーについていくのは中々骨が折れることだが、道具をスキーに戻そうとは思わない。まだマイノリティであることを楽しんでいたい。

札幌に住んでいたころは、世界は北海道だけで十分だった。しかし本州に住むようになってからは、ある意味吹っ切れた感じで、雪を求めてどこへでも行く気になった。いまは日本地図を広げては「ここは、どうかな?」と課題を練る範囲が広がったとポジティブに捉えている。

こうした課題に首都圏での生活と仕事とともに取り組んでいくには、それなりの条件が必要になる。滑りの筋肉は必要不可欠だから、シーズンはじめには、ゲレンデを嫌というほど滑り倒す。それができるのも限られているから、行ったからにはこれでもかというくらい乳酸が溜り、12ラウンド戦ったあとのボクサーのようになったら帰ろうと思う。山登りに行けないのなら、ザックをパンパンにして自宅で踏み台昇降を1時間は粘ってみようか。心肺機能のトレーニングのために、ランニングの優先順位も高い。ストレッチは苦手だが、怪我防止や血行のためには仕方がない。岩場でのロープワークやクライミングジムで汗を流すのも然り……。こんなふうに人生で2度とこない冬のために準備をしている。もちろん、パタゴニアでの仕事と両立させながら。

【YOKODAKE PEAK VIEW  写真:KENJIRO MATSUO】

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環境のために出荷する

by ギャヴィン・バック

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今年の夏、ネバダ州リノにあるパタゴニアの配送部が地元の2つの非営利環境保護団体を援助した。僕らは全社員が受けることのできるパタゴニアの環境インターンシップ・プログラムの恩恵により、〈ヒドン・バレー・ワイルド・ホース・プロテクション・ファンド〉と〈シュガー・パイン・ファウンデーション〉と仕事をするチャンスに恵まれたのだ。

ヒドン・バレー・ワイルド・ホース・プロテクション・ファンド(HVWHPF)〉はリノ市の南端に位置し、「ヒドン・バレーを囲む丘陵に移住した野生の馬を保護/保全する」ことを使命とする。その仕事には捕獲された馬を救って保護すること、西部の野生動物のアイコンである馬に冬の間餌を与えることなどがある。西部を徘徊する野生の馬は広大な砂漠で放牧し、破壊的な山火事の蔓延を防ぐ手助けをするという重要な役目をもつ。

写真上:サトウマツ植樹の腕を披露するクリス。全写真:パタゴニア配送部提供

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『Unexpected:30Years of Patagonia Catalog Photography』日本語版、Expectedな第2版発行

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パタゴニアは初期のころからアウトドア写真家として活躍する友人たちのネットワークを巻き込み、現実に存在する人びとが自然のフィールドで好きなアクティビティに情熱を傾ける姿を収めた写真を送ってくれるよう呼びかけてきました。そしてその結果として生まれたのが新しい、「Unexpected(まったく予期していなかった)」、視覚に訴えかけるようなスタイルのカタログでした。それはいまも、毎号のカタログに新鮮な驚きをもたらしてくれています。パタゴニア・ブックス刊『Unexpected:30 Years of Patagonia Catalog Photography』はそうした写真を私たちのもとへと運んできてくれた多くの人びとの視点や尽力、そして冒険心に捧げるための贈り物です。

その日本での第2版の出版を記念して、本書の編集を担当したジェーン・シーバートからメッセージが届きました。

 「日本で『Unexpected』の第2版が出版されたことを聞くのはすばらしいことです。この本を作るのは仕事というよりは、ある意味「好きでしたこと」でした。だから新しい人たちのもとにこの本が届きつづけることを知り、とてもうれしく思います。   この本の目標は、多数のマーケティング的騒音ののなかで、人生と「自分を見失わないこと」のあいだの瞬間を称賛することです。私たちは世界中に散らばるパタゴニアックからの写真を受け取っては、それらに感嘆しつづけています。そしてそうした写真がパタゴニアというブランドの中核を成すのです。」  

- ジェーン・シーバート、パタゴニア・フォト・エディター

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日本の川に自由な流れを取り戻すために署名を

ダムネーション

「なぜ自然保護論者はいつも何かに反対しているのか」と問われたとき、環境保護主義者デイビッド・ブラウアーはこう答えた。「何かに反対しているとき、それは別の何かを応援していることになります。ダム建設に反対するのは、川を応援しているからです」 私もまた野生の川が大好きだ。それゆえに私たちの会社は1993年以来、川に悪影響をおよぼす廃物と化した古いダムの撤去に携わってきた。」

— イヴォン・シュイナード (パタゴニア創業者)

 

私たちの活動に参加してください。アメリカ本社では役に立たないダムの撤去を訴え、オバマ大統領宛の請願書に署名するよう皆様に促しています。日本支社では「日本の川に自由な流れを取り戻す」ため、まずは熊本・球磨川の瀬戸石ダムの撤去、愛知県・長良川河口堰の開門、北海道サンル川のサンルダムの中止のために、行動を起こします。

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「Family Man(ファミリーマン), 5.14」:初登の物語

by ソニー・トロッター

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日々起こる色々なことと同じように、すべては5年前に届いたあるeメールからはじまった。それはブリティッシュ・コロンビアのオカナガン・フォールズの友だちからスコーミッシュのクラック狂の仲間数人に宛てた短いメールだった。

「よお、みんな、このいくつかのルーフクラックを見てくれよ。きっとフリーで登れるぜ!じゃあな」−ダグ

ダグと彼の奥さんのジャネットはスカハ・エリアの長年の地元クライマー、ハイカー、そして探索者で、おそらく誰よりもスカハに詳しい。それになんといっても彼らは最高にいい人たちだった。もちろんこのメールには思わず目を見張りたくなるような見事な写真が1枚か2枚添付されていた。最初から魅了された僕は、すぐにでも飛んで行きたかったことを認めよう。でも時間や資金、そしていくつかの約束事があり、そこへちゃんと行けるようになるまでに2年足らずを要した。

写真上:ルート上部の核心の入り口にさしかかるソニー。写真:Taran Ortlieb

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「環境に投票を」2014:経済の成長と地球の限界

 by 枝廣淳子(幸せ経済社会研究所所長)

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衆院選に向けての政策論争が展開されています。争点の柱は「経済成長戦略」です。「アベノミクスでデフレから脱却して経済成長できるのか否か」「経済成長のためには、もっと規制緩和を進めることが必要だ」「法人実効税率をどのくらい引き下げれば経済成長できるのか」といった議論が戦わされています。

そのたびに、ちょっと待てよ、と思います。みんな経済成長のための方法論の優劣の議論をしているけれど、経済成長そのものを問い直す時期に来ているのではないでしょうか、と。ちなみに、2パーセント、3パーセントといった経済成長率は小さく感じるかもしれませんが、成長率2パーセントなら36年後に、3パーセントなら24年後に、経済規模は2倍になります。

私たちが何とかしなくてはならないと考えている、地球温暖化も、生物多様性の危機も、水不足の問題も、そのほかの“環境問題”も、「身の丈を超えた経済成長をつづけることによって、地球1個ではとうてい支えきれないほど人間活動が拡大してきた」という問題が引き起こしている症状であり、本質的にはそれは“経済問題”だと私は理解しています。

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瀬戸石ダムの撤去の実現に向けて~人が動けば、川も流れだす~

by つる詳子(瀬戸石ダムの撤去を求める会

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映画『ダムネーション』のプロデューサー、マット・シュテッカーは、潜っていた球磨川の支流百済来川からあがると、「魚を2000匹は見たよ」と嬉しそうに笑った。11月の半ばすぎ、晩秋にしてはとても暖かい日、私は彼と荒瀬ダム上流の支流百済来川にいた。生態学者でもある彼は『ダムネーショ』の日本での公開に合わせたイベントのために来日し、その機会を利用して日本ではじめてのダム撤去の現場を見たいと希望したことで、私が2日間彼を案内することになり、そして真っ先に彼が行きたいと言ったのがここだった。

【荒瀬ダム上流には、依然として土砂や魚の移動を妨げている瀬戸石ダムが存在する。全写真:つる詳子】

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山葵四重奏(ワサビカルテット):ルース氷河での38日間と4つの新しい登攀

by 谷口けい(パタゴニア・アルパインクライミング・アンバサダー)

Concerto下部1p目.2

この春訪れたデナリ南麓ルース氷河最上流部で、幾度かの偵察行をしつつ、自分たちらしい4つの登攀をすることができた。何よりも贅沢だったのは、多くの人が集うアラスカの地で、この間はまったく人に会わなかったことかもしれない。そのことは、自分とパートナーと自然(山も空も大地も)とが純粋に向き合うことができる環境を作り出してくれたと思う。だから、より雑音無く、自分たちのラインに向かうことができたと思うし、美しくも厳しい自然の姿を受け止めることができた気がする。

前奏曲 "Prelude"プレリュード
―Dan Beard南壁バリエーション / V, snow & ice / 7hrs.

我がBCから約1時間半のアプローチ。南壁に向かって右端のベルクシュルントを越えて壁に取り付く。広いクーロワール状から三角岩を回り込んでトラバース、壁のほぼ中央を上部へと向かう。上部ヘッドウォールを右上し、チムニー状の隙間に導かれて頂上プラトーへ。氷と雪の広い頂上に着くころには雪雲に包まれてしまったけれど、氷河上での生活第一歩としては上々の、楽しい登攀となった。

【Concerto:下部1p目。全写真:谷口けい】

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クリーネストライン

アウトドアウェアを製造/販売するパタゴニアの社員、友人そしてお客様のためのブログです。パタゴニアについては patagonia.jp をご覧ください。

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