荒川の大草原を守るために:グループインターンシップでの取り組み
今年度、 神田ストアではインターンシッププログラムを利用してNPO法人「荒川の自然を守る会」へのサポートを実施することになりました。神田ストアは「ボイス・ユア・チョイス」を通して過去4年にわたりこの草の根団体を助成してきました。インターンシップの期間は2014年6月~2015年4月で、ストアスタッフ全員で所定の時間を共有し、有給でこの団体の活動に参加します。
今回サポートすることになったNPO法人「荒川の自然を守る会」は、荒川周辺に残された自然を21世紀に生きる子どもたちに引き継ぐ大切な財産として保全していくことを目的とし、埼玉県上尾市を中心に20年以上にわたり地道に活動をつづけてきた市民団体です。
荒川は日本で最大の広さを持つ関東平野を流れ、東京湾に注ぐ一級河川です。古くから広く農業用水や発電用水、そして水道用水として人々に利用され、地域の人々に多くの恩恵を与えるとともに地域の発展を支えてきた川でもあります。この団体の活動場所は、荒川の河口から約48キロメートル上流、埼玉県上尾市、川越市、川島町にまたがる河川敷の大草原です。主な活動場所である「三つ又沼ビオトープ」と「太郎右衛門自然再生地」をあわせるとその面積は400ヘクタール以上(東京ドーム約100個分)もあり、今なおハンノキが繁殖する湿地が残っており、ミドリシジミをはじめ、イタチやタヌキ、キツネ、カヤネズミなどの野生生物が生息する貴重な生態系を見ることができる場所です。
2014年6月8日(日)、この日はインターンシップとしての活動初日でした。オオヨシキリの観察と竹林の管理、セイタカアワダチソウ抜きを予定しておりましたが、あいにくの雨模様だったために作業ができず、代わりに三つ又沼ビオトープの木道パトロールと、代表の菅間宏子さんの植物講座を行いました。
この場所で生まれ育った代表の菅間さんは、一緒に河川敷を歩くとほとんどの植物の説明をしてくれる野草のプロフェッショナル。もともと学校の先生だったこともあり、説明もとてもわかりやすく、温和な人柄により行政、学校、企業などさまざまな人たちから慕われる存在です。この日の植物講座ではセイタカアワダチソウなどの外来種とハンゲショウやカワラナデシコ、トモエソウなどの在来種の説明を受け、ここでは外来種とされる桑の実や竹林の有効利用の話などを伺いました。
「私たちは自然を壊してきた世代。生まれ育った土地にある身近な自然の本来の姿を次の世代に残してあげたい」という想いで活動をつづけてこられた。決して口だけではなく、実際に20年以上にわたり泥にまみれ、汗をかきながら、そしてなにより自然を楽しむことを忘れずに今も活動をつづけています。「三つ又沼ビオトープ」をはじめとした河川敷周辺の自然は、彼女にとってもこの団体にとっても今までの活動の成果であり、次の世代に残していきたいと願ってやまない場所なのです。
今後の活動予定はNPO法人「荒川の自然を守る会」およびパタゴニア 東京・神田で紹介していきます。どなたでも気軽に参加可能できまので、ご興味のある方は神田ストアまで。
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パタゴニアは環境保護に取り組む活動家たちに金銭的な援助だけでなく時間や労力も提供しています。そのひとつにパタゴニアの社員が有給で環境保護グループの活動に参加できる「インターンシップ・プログラム」があります。現在までに900人以上の社員がこのプログラムを通してボランティア活動をしてきました。