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瀬戸内海でオオミズナギドリの生態を追う

by 渡辺 伸一 (動物生態学者/福山大学生命工学部准教授)

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オオミズナギドリは、日本の海域で比較的よく観察できる海鳥だ。その繁殖地は世界で約60島が確認されているが、8割以上を日本列島が占めている。飛翔能力に優れ、1日で数百キロを移動できる。彼らの飛翔範囲を調べると、日本列島がすっぽりと収まることが分かる。

オオミズナギドリは、普段は海上で過ごし、小魚などを食べて暮らしている。子育ては陸地で行うため、3月になると繁殖地へ戻ってくる。産卵し雛が巣立つ10月まで、餌場となる海と繁殖地を行き来する。繁殖地は、北海道、本州、四国、九州のような大きな島にはなく、無人島や人口の少ない離島に限られる。大小約7千の島々がある日本列島のなかで、繁殖地に選ばれる島はわずか1%未満ということになる。はたしてどのような理由で、その島を選んでいるのだろうか。

[ 上の写真:ふ化から約1か月後のオオミズナギドリの雛 ]

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第21回フエコ・ロック&ロデオからのレポート

byブリッタニー・グリフィス

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「フエコ・タンクスは世界最高のボルダリング」だと、誰かが大胆にも百科事典もどきのクライミング情報サイトMountainProject.comに投稿した。「最高」 かなり強烈な言葉だ。私は世界中の有名なクライミング・エリアを多々訪れてきた。だからオンラインの大げさな推薦ひとつで私の懐疑心が変わるわけはない。

いちクライマーとして、フエコについてはもちろん聞き知っていた。フエコがアメリカのクライミングの著名エリアであることに疑いの余地はない。ヨセミテのビッグウォールクライミング、スミス・ロックのスポーツクライミング、インディアン・クリークのスプリッターのクラッククライミングなどのように、ボルダリングといえばフエコだ。そしてフエコで開催された毎年恒例のロック&ロデオの第21回目をパタゴニアが支援することになり、ついにこの著名なボルダリング・エリアに巡礼する完璧な言い訳ができた。

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MODECOの「ReCrafted」始動:パタゴニアのフィッシング・ウェーダーに第2の人生を

by 水野浩行(MODECO代表)

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MODECOは省資源やゴミの減量、またCo2削減といったエコロジーをはじめ、地球と社会に配慮したデザインを手掛けるバッグブランドです。私たちは「捨てられる素材に命をもういちど」をベースコンセプトに、日々国内外に眠るさまざまな産業廃棄物や副産物と相対し、より有効的な活用を目指したアップサイクルを行いながら活動しています。アップサイクルを行うためにはより多くの企業の環境配慮に対する賛同とアクションが得られなければなりません。おかげさまで小さく、若い私たちのMODECOというブランドを通じた活動に、今日まで多くの企業に賛同していただいています。そして今回、このアップサイクルによりいっそう大きな影響を与えそうなアクションが生まれる機会が、パタゴニア日本支社との連携で始動しました。それがこの「ReCrafted」 という新ブランドです。

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輝くアンバサダーたちと共有したシャモニの時空

by 谷口 けい (パタゴニア・アルパインクライミング・アンバサダー)

2_1.Patagonia Chamonix

先日クリーネストラインでご報告した、3月19~20日にシャモニで行われたパタゴニア・アルパイン・プレスイベントには、7名のアルパインクライミング・アンバサダーが参加していた。シャモニ在住イギリス人のマットとジョン、同じくシャモニ在住のカナダ人のマックスとアメリカ人ゾーイのカップル、ご近所のスロベニアからマルコ、アメリカ、コロラド州からスティーブ、そして日本からは私。

マックスとゾーイとマルコとはアラスカやスコットランド、シャモニなどで何度か一緒になったことがあるが、マットとジョンは初対面。彼らから受けた印象はとても強い。無条件に人を惹きつける輝きをもっているとでも言おうか、話しているとお互い笑顔でいずにはいられなくなる。人と山と自然が本当に好きなんだって思うし、冒険的クライミングと人生を楽しんでいる部類の人たちだと確信する。

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いまこの瞬間を最大限に抱くこと - シャモニで出会った登攀と人と偉大なる自然の芸術

by 谷口 けい (パタゴニア・アルパインクライミング・アンバサダー)

モンブラン・デュ・タキュール東面

疾風のごとく過ぎ去ったシャモニでの日々。持ち時間は5日、そのうち2日間はパタゴニア・プレス・イベント。残された3日間でどこまでこのすばらしい花崗岩と雪と氷のフィールドを遊びつくせるか。スロベニアのパタゴニア・アルパインクライミング・アンバサダー、マルコ・プレゼリと語ったことは、「限られた時間」と「明確な目的」が充実した結果をもたらすということ。さらにマルコは「選択肢がいくつもあったら、あれもこれもと色目が出て、結局どれもモノにならない」と話していた。まさにその通り、我々は3日間のフリーと2日間のイベントを遊びつくした。

日本を発ってシャモニに着いたのは夜中。友人宅でウェルカム・ディナーを受けてベッドに倒れ込む。時差ボケなどと言っている場合ではなく、朝焼けのモンブランを拝む時間に飛び起き、街で買い出しのあとエギーユ・ド・ミディへ。フランスでの山の楽しみ方は、山小屋での時間(2時間かける食事を通して会話を楽しみ情報交換すること)にあるというフランスの友人の言にしたがい、ペラペラの財布をはたいて優雅に山小屋〈Refuge des Cosmiques〉にチェックイン。ドイツから来ていたスキー縦走のおじさん2人組に彼らの冒険行を聞いたり、オーストリアの若者クライマー2人組とは明日はどこへ登攀しに行くか話したり、スイスとスウェーデンの2人組スキー縦走家には想像したこともないようなスキーツアーの話を聞いたりする。それからイケイケな感じの若いガイド君にモンブラン・デュ・タキュール東壁のルートのコンディションや雪の状態を聞くと、壁の状態は良いけど、頂上稜線は雪崩れる可能性が高いから行くなと言われた。もっと年配の素敵な感じのガイド氏に意見を賜ると、やっぱり雪崩の危険があるからタキュールの稜線はヤバいということだった。

[ モンブラン・デュ・タキュール東面 全写真:谷口 けい ]

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『Tributaries(トリビュタリーズ)』:対照と共通についての国際フライフィッシング映画

by RC・コーン

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いま私は、撮影後のスクリーンを凝視する過酷な時間の真っただ中にいる。それは髪をかきむしり、目が腫れる経験だ。今日もまた14時間労働で、新鮮な空気が必要になる。私は満天の星の下を長い散歩に出かけながら、バハマ、アイスランド、そしてパタゴニアの夜空を思い浮かべる。

前作『Breathe(ブリーズ)』のあとにやりたかったのは、フライフィッシングの含蓄するものを広義に探求することだった。このスポーツは世界にどのように溶け込んでいるのか。このコミュニティは世界中でどのようなものなのだろうか。世界規模での相違点と共通点は何なのだろうか。個人的な旅ではなく、世界中の釣り場となる水とそこにある文化を探求したかった。

私を魅了する場所や魚について考えて、そして飛行機を予約した。所有物の90%を倉庫に入れ、携帯電話のサービスをキャンセルし、トラックのバッテリーケーブルを外して、別れのビールを飲み干した。

 [写真上:ボーンフィッシュを追うプレスコット・スミス。バハマのアンドロス島マスティック・ポイントの干潟にて。全写真:RC・コーン提供]

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オーストラリアで手に入れたもの

by 進士剛光(パタゴニア・サーフィン・アンバサダー)

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今まで感じたことのない時間を味わうこととなったオーストラリアだった。この歳になって1か月半も日本をはなれて生活するなんて、贅沢な時間の使い方だと思う。僕も「休みは週一」という生活を長年していたから、そのことは心から感じる。絶対にこの大切な時間を無駄にしないように、必ず何かを手に入れるために行こうと心に決めていた。そして計画した。

僕がオーストラリアに通っていたのは10代のころだ。そのほとんどはコンテストのためで、宿泊先と海の往復を繰りかえすのみだった。そのときはもちろんそれで十分だった。だが大人になると違ったものにも興味が沸きはじめる。今回は色々な場所に足を運び、見て、聞いた。オーストラリアの個人的な印象も、10代のころはいい波があり、少し田舎ののんびりした空気が流れていて、ゆったりとした時間を過ごすことができるというようなものだった。だが10数年前に比べると、オーストラリアはかなり変わっていた。車の数も建物の数も高さも格段に増え、人の数もとにかく多くなっていた。もちろん海のなかも大混雑。ポイントは多いので、サーフィンするには場所を選ばなければ、そして贅沢を言わなければ、空いている場所でもできるが、やはり有名な場所ではポイントパニックになっていた。

【有名なサーフポイントでのサーフィン。毎日のようにいい波、そしてサイズのある波で練習ができる 全写真:進士剛光】

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九頭龍山に描いたライン

by 松尾憲二郎

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まずは島田が最後の下見へと張り出た尾根に向かった。そのときに舞い上がった雪煙でコンディションの良さを確認できた。尾根の先端にあるマッシュラインを島田は横から観察している。だがその後ろ姿からは、あまりいい感触はつかめていないように見てとれた。狩野は島田の横を進み、自らのドロップポイントに向かって、さらに奥へとスキーで移動する。2人のどちらかがスタートを切ると決めた時点で、僕は予定のカメラポジションへ向かいたかった。

【全写真:松尾憲二郎

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私たちがNo Nukes Go Renewableと言う理由:豊かで創造的な地域生活を生む

6a0134876739c6970c01a51186efd1970c-250wiby 飯田哲也 (認定NPO法人 環境エネルギー政策研究所(ISEP) 所長)

いま「ご当地電力」が熱い

福島の会津電力、小田原のほうとくエネルギーをはじめ、北海道から沖縄まで、地名を冠したご当地電力が、とりわけ311後に続々と立ち上がっている。まず「ご当地電力」とは何か、ここで定義しておくと、国際的にほぼ共通な「コミュニティパワー」と同じ定義をベースに、私が拡張した定義によれば、以下の3つの原則から成っている。

・ 第一原則:地域コミュニティによるオーナーシップ

・ 第二原則:地域コミュニティの参加と意思決定

・ 第三原則:地域コミュニティが便益を享受すること 

第一原則の「オーナーシップ」とは、狭義には資本金の過半数以上をもつことによる「当該地域エネルギー事業の所有」となる。けれども、、広義には当該地域エネルギー事業に関して地域コミュニティが当事者意識(「我がこと」と感じる意識)をもつことも含まれている。第三原則の「便益」とは、経済的な便益のみならず、社会的な便益(たとえば誇り、共通の良い思い出など)にも拡張して捉えるべきものである。

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クリーネストライン

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