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第21回フエコ・ロック&ロデオからのレポート

ブリッタニー・グリフィス  /  2014年4月24日  /  読み終えるまで6分  /  クライミング
第21回フエコ・ロック&ロデオからのレポート

「フエコ・タンクスは世界最高のボルダリング」だと、誰かが大胆にも百科事典もどきのクライミング情報サイトMountainProject.comに投稿した。「最高」 かなり強烈な言葉だ。私は世界中の有名なクライミング・エリアを多々訪れてきた。だからオンラインの大げさな推薦ひとつで私の懐疑心が変わるわけはない。

いちクライマーとして、フエコについてはもちろん聞き知っていた。フエコがアメリカのクライミングの著名エリアであることに疑いの余地はない。ヨセミテのビッグウォールクライミング、スミス・ロックのスポーツクライミング、インディアン・クリークのスプリッターのクラッククライミングなどのように、ボルダリングといえばフエコだ。そしてフエコで開催された毎年恒例のロック&ロデオの第21回目をパタゴニアが支援することになり、ついにこの著名なボルダリング・エリアに巡礼する完璧な言い訳ができた。

私はクライミングの分野はどれも好きだし尊敬するが、あえて言うと、ボルダリングは私のいちばん好きではないカテゴリーになる。あんなに小さな岩であんな風にハードにやるというのは馬鹿げている気がする。……でも理由の大半は私がそれを苦手としていることだ。

第21回フエコ・ロック&ロデオからのレポート

恥をかかないためのトレーニング。フエコまで行って何も登れないとう可能性に恐れをなした私は、1月まるまるをガレージでのトレーニングに費やした。トレーニングのひとつは腰に錘をつけてキャンパスボードにぶら下がること。Photo: Steve Maisch Training archives

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「Nobody Here Gets Out Alive」で生き残るアナ・バーゴス。Mountainproject.comには「世界最高のV2」と記されている。Photo: Sam Davis

第21回フエコ・ロック&ロデオからのレポート

フエコのハイボール。Photo: Sam Davis

ロック&ロデオはこれまでに私が参加した(つまりはほとんどすべての)草の根のクライミング・イベントとほぼ同様の形式をたどる。企業テント、クライミング・コンペ、スライドショー、食事、ビール、DJとランジのコンペだ。

第21回フエコ・ロック&ロデオからのレポート
第21回フエコ・ロック&ロデオからのレポート
第21回フエコ・ロック&ロデオからのレポート

クライミング・イベントの成功の秘訣:ブース、キャンプファイヤー、そしてもちろんビール用ボウル。パタゴニアは再使用できる折りたたみ式ボウルを300以上寄付し、機知に富むクライマーはこれをホットケーキに、ブリトーに、そしてビールを飲むのにも使った。また私たちはこれをTシャツと交換し、〈Climbers of Hueco Tanks Coalition〉のために$400の資金を稼いだ。Photo: Justin Wood

クライミング・コンペはあらゆる年齢、およびあらゆるレベルに解放されていた。ボルダリング・コンペの男女のトップ6人は4か国を代表していることがフエコの国際的地位を物語っている。

第21回フエコ・ロック&ロデオからのレポート
第21回フエコ・ロック&ロデオからのレポート

多くの有名なクライマーがこのイベントに参加したことは素晴らしいが、私たち全員が最も誇りとすべきことは、このイベントが未来の世代のためにフエコのクライミングを支援/維持することに手を貸していることだ。

フエコ・ロック&ロデオからの収益はフエコ・タンクス州立公園&史跡、〈Climbers of Hueco Tanks Coalition〉、そして地元エル・パソの青少年アウトリーチ・プログラムに寄付される。これらの組織は公園を保護し、この史跡でクライマーが登るための特権を守り、クライミング・コミュニティが地元のコミュニティにお返しをするのを手助けする」–huecorodeo.com

フエコではアクセスの問題ナシにクライミングの美徳が語られることはない。これは予約、時間待ち、支払い、時間待ち、規則、そしてまた時間待ちという、ときとして紛らわしくイライラさせられる(そして無論のことコストのかさむ)システムだ。クライマーなら誰しもうんざりしてしまうことばかりである。

第21回フエコ・ロック&ロデオからのレポート

フエコでの持久戦。Photo: Justin Wood

しかし公園当局の束縛的なポリシーにも関わらず(あるいはその結果による現象なのか)、私が興味深く目撃したのは、私が期待していた以上に、辛抱強さとルールに調和した共存の精神をクライマーが見せていることだった。多くのクライマーと同じように、私ももっとそうならなければ、と思う。

フエコでウロチョロしている人たち皆がダートバッグだったり、あるいはクライミングのバカンスを楽しんでいるわけではない。フエコが自宅の裏庭であるサム・デイビスはそこで暮らし、トレーニングしながら、電子工学を学んでいる。サムと彼の奥さんのアナはまったく見ず知らずの、ベンツのスプリンター・バンで暮らす私を、2週間も彼らの敷地で居候させてくれた。世界中で過去20年登り、最上のもてなしを受けてきた私でも、クライミング同志であるという理由だけでこのようにもてなしてくれる人がいることに感銘を受ける。

フエコはボルダリングができる世界最高の場所なのか。そのシステムはめちゃくちゃなのか。私にはわからないし、あまり議論もしたくない。でも疑問の余地がないのは、クライマーの私にとってもっとも重要なもの、つまりコミュニティがそこに存在するということだ。クライマーのコミュニティがフエコに存在し、フエコで息づいている。そして日々愛する場所で登るためにこのシステムに対処している。これが究極的にフエコを世界クラスの場所にしているのだ。

第21回フエコ・ロック&ロデオからのレポート
https://youtu.be/7WfL3dVEgeQ
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