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裏庭のフラッキング

パタゴニア  /  2013年9月9日  /  読み終えるまで7分  /  アクティビズム

小学校から草地を隔てただけの場所にある、エリー町内のフラッキング式の天然ガス採掘地。Photo: Topher Donahue

裏庭のフラッキング

小学校から草地を隔てただけの場所にある、エリー町内のフラッキング式の天然ガス採掘地。Photo: Topher Donahue

パタゴニアの環境キャンペーン「アワ・コモン・ウォーターズ」を通じて、また私たちの住む町や身近な地域が、年々拡大する石油や天然ガス開発の危機にさらされている状況を受けて、一般に「フラッキング」と呼ばれる水圧破砕法が、水、大気、土壌、野生生物の生息環境、そして人体の健康に弊害をもたらす可能性について、私たちは大きな懸念を募らせてきました。現在、米国内にある石油・天然ガス坑井の90パーセント以上は掘削にフラッキングを利用しており、その工程に使用される多くの薬剤や化学薬品が人体や野生生物にとって有毒な物質であることがわかっています。

そしてフラッキングは米国東部だけでなく、世界各国に広まっています。

天然ガスは何十年ものあいだ、大規模な自然に噴出するガス田の上に垂直に掘られた単一坑井から採取されてきました。その後、高収益をうたい文句に登場したのが、水と化学物質を大量に使用してシェール(頁岩)層から天然ガスを採掘するフラッキングです。

•フラッキング坑井1基あたりには、その耐用期限までに平均200万〜800万ガロン(約760万〜3千万リットル)もの大量の水が使用され、そのうちの1〜2パーセントには有害な薬剤が混入しています。つまりフラッキングに使用される水は汚染されているのです。フラッキングにまつわる汚水や薬剤についての詳細は、リンクや参照記事をまとめた〈アースウォークス(Earthworks)〉のウェブサイト「Hydraulic Fracturing 101(水圧破砕の基礎知識)」をお勧めします。

またフラッキングについての原典を掘り下げてお読みになりたい方には、『ニューヨーク・タイムズ』 紙の記事「Documents: Natural Gas’s Toxic Waste(公式記録:天然ガスの有毒廃棄物)」がお勧めです。

•フラッキングに使用される化学物質の多くは人体や野生生物に有毒であることが知られ、その一部は発がん性物質であることがわかっています(詳しい情報については、上記のリンクをご参照ください)。

•企業秘密法と環境法の規制の欠如により、ほとんどの州の採掘会社がフラッキングに使用する薬剤成分を企業秘密法として公開しないことが許されています。フラッキングをおこなっている石油・ガス坑井の近隣に住む住民は、近くの坑井でどんな化学物質が使われているかを知ることができないでいます。

•2005年のエネルギー政策法の抜け穴により、飲料水安全法のもとにフラッキングを取り締まる連邦環境保護局の権威のほとんどが剥奪されています。さらにフラッキングは飲料水安全法、クリーン・ウォーター法、クリーン・エアー法、およびその他の連邦・州・地方の環境関連法・条例についても規制対象外となっています。

フラッキングのリスクと影響は多岐にわたるため、私たちはみずからを教育し、フラッキングを規制または禁止する各地方自治体の権利を支持し、地方・州・連邦の各政府による監視と規制努力をサポートします。

この深刻な問題についてさらに多くのことを知るうちに、有害な影響を阻止するためにみずから立ち上がって発言し、行動を起こす活動家や地域コミュニティに触発されてきました。これらは草の根運動そのものです。以下にその実話や情報源の一部をご紹介します。

•ペンシルバニア州にある小さな町の住民たちが、掘削とフラッキングから地元の公園を守るためにどう戦ったかについてお読みください。

コロラド州の農耕地が直にフラッキングの被害を受けた、アリソン・ガネットをフィーチャーしたアレキサンドリア・ボンバック監督のドキュメンタリー映画『Red Reel』をご覧ください(環境問題を扱うルポルタージュ作品シリーズ「MoveShake」の1つ) 。

•今日フラッキングは全米各地でおこなわれています。米国内のどこでフラッキングがおこなわれ、どこで「フラックシデント」(フラッキングとアクシデントの造語)が起きているかが一目でわかる〈Earthjustice〉制作の地図をご覧ください。

私たちパタゴニアは一企業として、また一個人として、ほぼ間違いなくハイドロ・フラッキングに由来する天然ガスを使っているということを認識しています。パタゴニアの本社があるカリフォルニア州では、州の供給電力に占める天然ガスの割合は37%にもなります。さらに化石燃料全般にあてはまることですが、パタゴニア社の製品の多くが、石油を原料とするポリエステルやナイロンといった化学繊維で作られています。しかし、パタゴニアのポリエステル製品のほとんどはリサイクル・ポリエステルを使用しています(一部は製品の製造工程で発生する廃棄繊維、また一部は水や炭酸飲料のペットボトルからのリサイクル)。ナイロン製品の一部もリサイクル・ナイロンから作られています。またパタゴニア製品の輸送も天然ガスや石油に依存しています。輸送とカーボン・フットプリントを含む、製造が環境に及ぼす影響についてのブログ記事はこちらをご覧ください。

結果として、おもに電力や輸送のために天然ガスを含めた化石燃料に私たちが依存しているこの現状は、資源節約と(ソーラー・風力・地熱などの)再生可能エネルギー資源への移行を提唱し、支持することをより一層重要にしています。

フラッキングが淡水に与える影響についてより詳しく知るにつれて、天然ガスが私たちの将来のエネルギー供給に果たす役割について議論が分かれるということもわかってきました。多くの人が、天然ガスを、石炭から再生可能資源へ移行する際に不可欠な「架け橋」となるグリーンな代替燃料だとうたっています。フラッキングによる天然ガスがわが国のエネルギー源のなかで大きな割合を占めているという事実は認識していますが、架け橋的燃料というコンセプトには疑問を抱いています。もしフラッキングによる天然ガスに同意し、その過程における投資を支持したら、安価で豊富な燃料にフォーカスするあまり、真の再生可能エネルギーの開発がおろそかになる恐れはないでしょうか。政府や産業界には、進行しつづける破壊的な気候変動を回避するために天然ガスから離脱する意志があるのでしょうか。結局のところ天然ガスも所詮は化石燃料であり、それを燃やせば大気中への二酸化炭素放出量は増加します。掘りつづけることでクリーンエネルギーの未来に到達することはできません。さらに天然ガス採掘施設から排出・漏出する不燃メタンガスの潜在的なインパクトについても概して無知なままです。このよう不安材料を多く抱える天然ガスの状況を考えると、環境への負荷がより少ない再生可能なエネルギー、そして可能であるなら環境負荷がゼロの方向へ、できるだけ速やかに移行することが不可欠だと感じます。

代替エネルギーについての研究と対話のいくつかには勇気づけられるものがあります。最近発表されたスタンフォード大学のマーク・ジェイコブソン教授の率いる共同研究は、エネルギー産業の就業人口を減らすことなく、2050年までにニューヨーク州全体を風力発電、太陽光発電、水力発電で維持することが可能だという説得力のある議論を展開しています。

パタゴニアのCEO、ケイシー・シーハンは2012年10月、コロラドの地方紙『デンバー・ポスト』の論説で次の見解を示しました。「フラッキングが環境と人間の健康に危害を与えるという増加しつづける科学を疑問視する方には、こう言いたい。「疑わしきは罰せず」の原則を子供に与えようではありませんか。手遅れになる前にクリーンエネルギーへと移行したことを子供たちに誇りに思ってもらえるように」 パタゴニアは今後もこの問題を追跡し、全米各地のフラッキングを規制し、また禁止するよう地方・州・連邦の各政府に積極的に働きかけている草の根運動を支援していきます。

「アワ・コモン・ウォーターズ」のキャンペーンについての詳細は、https://www.patagonia.com/jp/patagonia.go?assetid=6504をご覧ください。

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