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「$20 Million & Change」とPatagonia Works(パタゴニア・ワークス)―環境のための持株会社―のご紹介

by イヴォン・シュイナード

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私は自分のことをビジネスマンだと考えるのが好きではない。私がビジネス界に対してかなりの懐疑心を抱いていることをご存知の方も多いだろう。しかし、妻と私が40年前に創業した会社「パタゴニア」は、世界的な規模でいうところの中堅会社に成長した。そしてそれは私の家族に深刻な責任を与えている。パタゴニアのミッション・ステートメントの最後の一文は「……ビジネスを手段として環境危機に警鐘を鳴らし、解決に向けて実行する」である。私たちはそのことをつねに真剣にとらえてきた。

3つの例を挙げよう。この30年間毎年、パタゴニアは売上の1%を草の根環境団体に寄付している。またこの惑星の衣料品と履き物の3分の1以上を製造する会社からなる組織、〈サスティナブル・アパレル・コーリション〉の設立に一役買った。その後すぐ、コーリションはデザイナー(のちには消費者)が製品を開発したり原材料を選択する際に、よりよい選択をするために使うことのできる社会的/環境的パフォーマンスのインデックスを発表した。そして昨年、パタゴニアはカリフォルニア州初のBコープ(ベネフィット・コーポレーション)となった。これはこの会社を成功に導いた価値観が、いまや法的な定款書に刻み込まれたことを意味する。

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スキーを履いたカヤッカー

by 柴田丈広

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これは2月の後半に行ったノルウェーでのスキー旅の話だが、パタゴニアのブログに原稿を書かせてもらうにあたって、気が引ける理由が2つあった。ひとつは、僕はカヤッカーであって、その分野のエキスパートではないということ。それともうひとつは、スキーの話ではあるが、カタログに載っているような急斜面の写真は1枚もないということだった。

僕ら4人はオスロからバスを乗り継いで、ほぼ1日をかけて移動した。スタート地点の湖は聞いていたとおり十分に凍っていた。当初の心配は無用だった。さっそく、重ねて運んできたそれぞれのソリに引き綱などの艤装をした。すでに日没が近く、この日は準備だけをしてここでキャンプした。

【写真上:出発して最初のキャンプ。高原に上がる前の湖畔】 

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2013年度ピオレドール賞のこと

 by ヘイデン・ケネディ  +  by 花谷泰広

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「それを世紀の登攀だと宣言する人もいた。でもそれに対する僕らの幻想をたしかめるために、誰かがガッシャーブルムIV峰を再登したか? それに、ある詩を世紀の詩と宣言する意味があるのだろうか? 世紀の女性をどうやって選ぶのだ?」 —ヴォイテク・クルティカ、ガッシャーブルムIV峰のシャイニング・ウォールについて

クライミングには勝者も敗者もない。どうやってそれを決めるのか?エゴや競争といったテーマから逃れることがクライミングの意義ではないのか?それが失敗であれ成功であれ、手元にある経験に自分自身を委ねること——自分の、そしてまわりの、期待の表面を突き破り、深い動機と好奇心とミステリーに到達することではないのか?僕の人生における最も偉大な瞬間のいくつかは、失敗から得られた。それに、成功とは真に何を意味するのだろう?登頂することは明らか、かつ理論的な指標だが、それに焦点を当てすぎることはそれが失敗であれ成功であれ、手元にある経験に自分たちを降伏させるという、より深淵な可能性を閉ざしてしまうことになる。多産な登山家マグス・スタンプはこう言った。「アイ・トゥースのポータレッジで8日間沈殿していた…。僕らに頂上は必要ない。ここにいるだけ、この現在に在るだけ、それで十分だ」

カイル・デンプスターと僕が、幸運にもシャモニのピオレドールの第21回の授賞式に招待されたとき、僕の頭にあったのはこういう考えだった。たくさんの赤ワインと美味しいフランス料理に満ちた4日間にわたるこの毎年のイベントは、その年「最高」のアルパインクライミングを選び、そのチームに金のピッケルを与える。カイルと僕はパキスタンのカラコルム山系にあるオーガI峰の南壁の新ルートの開拓でノミネートされた。

[写真上:カイル・デンプスターとオーガI峰の第3登を達成したあと下山中のヘイデン。パキスタン、カラコルム山系。写真:Kyle Dempster]

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責任あるサプライチェーンを目指して:パタゴニアの工場監視の取り組み

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バングラデッシュで起きた最近の悲劇的な出来事にパタゴニアの全社員がショックを受けています。犠牲者の皆さんとご家族に心よりお悔やみを申し上げます。私たちはニュースと、これに対応する世界中の政府の行動、そして現場で働く慈善団体の勇敢な努力を追っています。私たちの利害関係者は尋ねるかもしれません。このような悲劇を防ぐべくサプライチェーンを監視し、そしてパートナーである工場を援助するために、パタゴニアはどのような行動を取っているのかと。

20年前、パタゴニアはサプライチェーンにおける社会的/環境的責任の問題について真剣に検証しはじめました。より深く知れば知るほど、心配になったのです。そこで1990年代半ば、パタゴニアは公正労働協会(FLA)の設立を手助けしました。これは複数の利害関係者によるイニシアチブで、その唯一の目標は世界中の工場で公平、安全、そして健全な労働条件を促進することです。FLAは2000年初期からパタゴニアの工場を、また2008年からは弊社のコーポレット・ソーシャル・リスポンシビリティ(CSR)プログラムを監査しています。献身的なブランドによる定期的なサプライヤーの監査とトレーニングや教育は、児童労働とある種の強制労働を駆逐し、健康と安全面における細かな改善に貢献してきました。

CSR報告を含んだ責任あるブランドのCSRの試みすべてを、過去10年間に採用した工場があることもお伝えせねばなりません。不幸なことに、こういった立派な工場は稀です。パタゴニアはこのような工場をつねに探していますが、見つけた際には最初の発注前に、パタゴニアの厳しいスクリーニング工程を適用します。これらの工場の多くの概略は、パタゴニアのフットプリント・クロニクルでご覧いただけます。

【写真上:カリフォルニア州ベンチュラのトゥルーパート・マニファクチャリング社の社長シェーン・プルコップが、パタゴニアのソーシャル/エンバイロメンタル・レスポンシビリティのチームにパタゴニアのために製造しているリバー・クランポンを見せる。写真:Jim Little】

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サーフィンにおける体のメンテナンス

by 進士 剛光(パタゴニア・サーフィン・アンバサダー)

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どんなスポーツでも、アスリートになればなるほどスポーツ時の前後のウォーミングアップとクールダウンは必要不可欠で、トップ選手になればなるほどその時間も長くなる。ケガの防止、パフォーマンスの向上と維持、メンタルのコントロールなど、あらゆる面において重要な役割を担う。もちろんトップアスリートにかぎらず、一般的にスポーツを楽しむ人たちにも同じことが言える。普段あまり体を動かさない人がいきなり体を動かすと、またそのスポーツが激しければ激しいほど体に痛い場所がでる。エクササイズやストレッチや体操など、なんでもいい。まず体と対話をする時間を少しだけでももつことに損はないだろう。

ところがサーフィンは、海に着いたらそのまま海に入る。よくても簡単な体操をして入水という人がほとんどだ。真剣にサーフィンに取り組んでいる人でもメンテナンスの重要性を知る人は少ないだろう。「サーフィン=スポーツアスリート」というイメージが少しでも定着するようサーフィンがオリンピック競技に加わり、テレビでひんぱんに放送される……そんな日本の文化に浸透すべきスポーツであると心から思うからこそ、そのアプローチのひとつとして僕はメンテナンス/ケアの必要性を伝えている。

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アメリカで最も危機に晒されている川はかのコロラド・リバーである

by エイミー・サワーズ・コーバー

私たちは皆、淡水によって繋がっています。川は血管のように流れ、州や国境を超え、私たちの社会を維持しています。西部では1つの川が7つの州とメキシコを繋げています。それはレッド、グランド・リバー・レッド、リオ・コロラド、マイティー・コロラドといったいくつかのニックネームをもつ川です。

コロラド・リバーは真に砂漠の命綱です。4種の連邦政府でリストにされている絶滅危惧種の魚を含む多数の野生生物の生息地に水を提供します。この川と支流は26億ドルにものぼるリクリエーション経済と25万の持続可能な仕事を支えています。何百万人もの人びとが釣りやボートやハイキングのために川に訪れ、また水と時が削り取った壮大な景色を眺めながら、畏敬を抱いてグランド・キャニオンの上に立ちます。

私たちはこの川に多くを要求します。デンバーからロサンゼルスまで3千6百万の人びとがこの川の水を飲んでいます。川はおよそ4百万エーカーの農地を灌漑し、アメリカの15%の食物を育てています。けれども今日、川はダムでせき止められ、吸い取られ、迂回させられて、海に到達する前に枯れてしまっています。

それが今日、〈American Rivers〉が最も危機に晒されるアメリカの川のレポートでコロラド・リバーを第1に指定する理由です。

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サーモンのために団結

by レイ・フリードランダー

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メアリー・シェリーの小説『フランケンシュタイン』と同じレベルに置かれている遺伝子組み換えのサーモン『フランケンフィッシュ』は、バイオテック産業がデザインした創作物だ。この魚は一年中成長するように考案され、その食欲は猛烈で、餌とする魚への影響は維持不可能である。また通常の3年ではなく、1年半で市場に出せるようにデザインされている。もし食品医薬品局(FDA)に認可されれば、フランケンフィッシュは市場に出回る最初の遺伝子組み換え動物となり、将来アメリカにおいて他の遺伝子組み換え動物への道を開くことになる。

なぜ反対するのか? アメリカ最大の国有林、トンガス温帯雨林に住む私たちの経済とアイデンティティーは、野生の極みであるサーモンによって維持されている。野生のアラスカサーモンは9.86億ドルとアラスカ南東部の仕事の11%を生み出しているのだ。これらの経済にとって、遺伝子組み換えサーモンが私たちの海に誤って導入されることは巨大な驚異である。それは経済だけにとどまらず、人間の健康にも影響する。遺伝子組み換えサーモンを食べることのリスクは未知であるため、人間だけでなくサーモンに依存する海洋動物にとっても驚異なのだ。

[写真上:遺伝子組み換えサーモンは「人間の健康や環境にリスクは呈さない」としたFDAの決定に対し、地域集会にて異議を唱える小さなアラスカ沿岸の町、シトカの150人の住民たち。 写真:〈Sitka Conservation Society〉 ]

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クリーネストライン

アウトドアウェアを製造/販売するパタゴニアの社員、友人そしてお客様のためのブログです。パタゴニアについては patagonia.jp をご覧ください。

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