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スカイライン - パタゴニアとの付き合い方

by 横山 勝丘 (パタゴニア・アルパインクライミング・アンバサダー)

フィッツロイ

パタゴニア社のロゴを見せて、「このロゴを知っているか」と聞くのはあまりにバカげた質問かもしれない。それぐらいあのスカイラインのロゴは、パタゴニア社の顔として毅然と君臨している。でもどれだけの人がパタゴニアという名前の由来を知っているのだろうか。小さいころから山のことばかり考えてきた僕にとって、パタゴニア=衣料ブランドという図式はそもそも存在しない。僕にとってパタゴニアは「南米最南端に位置する、荒々しい山と氷河に覆われた土地」だし、それはいまでも「あまり」変わらない。では本題。あのスカイライン、何という名前の山なのだろう。
 
答えはフィッツロイ。いや正確には、ここに描かれたスカイラインはじつは7つのピークによって構成されていて、これらすべてを合わせて「フィッツロイ山群」と呼ぶ。そして真ん中のいちばん高くて目立つピークがフィッツロイというわけ。遠くからでも目立つこの山は、昔からクライマーにとっては憧れの対象だった。初登頂は1952年、フランス人によって達成された。1968年にはイヴォン・シュイナードたちが、カリフォルニアからはじまった旅の最後にこの山を登った。そのルートは「Ruta de los Californianos(カリフォルニア・ルート)」 、もしくはその遠征名にちなんで「The Fun Hog Route」と呼ばれている。

[ フィッツロイ山群 写真:横山 勝丘 ]

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ダムネーション - 川はみずから回復する

by ケイティー・クリングスポーン

Creek

2011年9月、緑生い茂るワシントン州オリンピック半島のエルワ・ダムが重機によって少しずつ削り取られ、米国史上最大のダム撤去プロジェクトがはじまりました。

1913年以来エルワ・リバーを塞き止めてきたダムは、下流のエルワ・ダムが完全に撤去され、上流のオリンピック国立公園内にあるもうひとつのダム、グラインズ・キャニオン・ダムも部分的に取り壊され、来年初夏までには過去の廃物となる予定です。川は100年ぶりに解放されるのです。

[ 写真上:オリンピック国立公園内にある64メートルのグラインズ・キャニオン・ダムは、1927年以来、たぐいまれなチヌーク・サーモンの産卵床への遡上を違法に塞いできた。 写真:Ben Knight/ダムネーション ]

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キャシャール南ピラー5日目

by 花谷泰広(パタゴニア・アルパインクライミング・アンバサダー)

CIMG1637

キャシャールに取り付いて5日目の朝を迎えた。今日も暖かい朝日が僕たちの凍えた体を弛緩させてくれる時間がやってきた。しかし気持ちまで緩むことはなかった。明るくなってあらためて、僕らが置かれている危うい状況がハッキリした。現実を目の当たりにして、言葉少なげに出発準備を整えていった。

出発前から悪い雪の部分はまかせてくれと豪語していた割には、厳しい現実を前に少し気後れしている自分がいた。ここで落ちることは絶対に許されない。腹をくくって1ピッチ目のトラバースに入る。動き出してすぐの氷にスクリューを1本決める。これが最初で最後のプロテクションとなった。あとは自分を信じるのみ。危ういヒマラヤ襞のリッジをひとつひとつ、ていねいに越えていく。たっぷり時間をかけて最初の50メートルをこなし、さらにうんざりするほど雪を掘って、少しでも安定した氷に何とかスクリューを決めてアンカーとした。

【2012年キャシャール5日目4ピッチ目。この日一番の核心部を登る花谷。撮影:馬目弘仁】

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パタゴニアのクライミング・シーズン:僕らは何を持っていったか

by ケリー・コーデス

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ブリッタニーがいったいどうやっているのか、あるいは彼女が正直じゃないのか——そんなことはないとは思うが——分からない。エル・チャルテンの小屋のちらかったガラクタの山を見ては、彼女の投稿についてまた考える。どうも怪しい。気まぐれなジプシー女には気をつけなきゃな。

僕はパッキングが大嫌いだ。ストレスがたまる。よくよく考えて、書き留めて、考え直す。このシャツ対あのシャツ。この山対あの山。コンディションと野心、どの山を登るか、そして登らないかの予測。僕はアルゼンチン領パタゴニアへのこの遠征について、目標をもっていた。それは事前に準備をしておくことだった。つまり余裕で、ストレスがなく、特別な女性の友達(スペシャル・レディー・フレンド=SLF)と過ごす時間が作れるような準備。そして出発前の1週間を楽しむのだ。

毎年パタゴニアのアンバサダー仲間、そして世界中のクライマーがアルゼンチンにある小さな町、エル・チャルテンを訪れる。彼らのゴールはパタゴニア地方の巨大な花崗岩——そのいくつかは世界でもっとも困難な山——を登ることだ。アンバサダーと仲間たちによる最新情報は、パタゴニアの各チャンネルとツイッター#vidapatagoniaでどうぞ:
       
クライミングギアのパッキングにはちょっとした、だが重要な調整が必要だ。必須のギアを忘れたおかげで、登れなかったりすることにもなりかねないのだから。でも同じように重要なのは、人生においてクライミング以外のことも楽しむこと。登攀の精神面において、それは不可欠なことだ。心構えがなければルートも登攀もないのだから。

[写真上:遠征前のパッキングの嵐。コーデス家。写真:Kelly Cordes]

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パートナーシップ

by アニー・レオナード

Annie-320wi「The Story of Stuff」プロジェクトでは、新たに環境保護に目覚め、変革を起こしたいと願う人びとから毎週、何百通ものe-mailをいただきます。これにより私ははじめて学ぶことから、変化のための行動を起こすまでの道について考えることとなりました。ハーバード大学のトニー・ワグナーは彼の新刊書『Creating Innovators: The making of young people who will change the world.』で、その道のことを遊びから情熱、そして使命への軌跡だと表現しています。

私たちは楽しいという理由で何かに着手します。そしてこの興味は、創造的で構造のない、実験的な遊びを通じて、情熱へと変わることがあります。情熱がつづくと、使命にまで成長することもあります。人生における使命を見つけてしまったら、思いやりのない、より深く関わることを求めない世界にはもう戻れなくなります。

パタゴニアで働く人たちは登山やサーフィンなどの楽しみをきっかけに、自然の世界を熱烈に愛するようになりました。彼らがはじめた会社は環境への意識を慈しみ、自分の社内で、そしてより大きなアパレル産業で、さらに顧客の住む地域社会や、ひいては社会全体においてまで行動を起こすようになりました。

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パタゴニアの牧羊

ジム・リトル(パタゴニア・クリエイティブ・サービス)

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パタゴニアの福利厚生制度はとても充実しているが、そのなかでもとくにすばらしいのは、環境保護グループでボランティア活動をする機会を与えてくれるインターンシップ・プログラムだ。ベンチュラ本社でエディターとして働いてきた15年間に、僕はウエスト・イエローストーンで野生のバッファローを追い、産業化したチリの森林の影響を目にし、ネバダ州北部のセージブラシ地帯の環境について学び、そして最近ではアルゼンチン領パタゴニアで2週間の〈ネイチャー・コンサーバンシー〉の草原プロジェクトに参加した。

牧羊はパタゴニア地方で最も一般的な土地利用法で、面積はカリフォルニアの3倍、そしてその大半は個人所有である。だが長年にわたる過放牧が草原を砂漠化させている。そこで草地の劣化を逆転させて生物多様性と淡水源を守るため、パタゴニアは〈ネイチャー・コンサーバンシー〉と、そしてウール製品のネットワーク管理/開発を手がけるアルゼンチンの企業オーヴィスXXIとパートナーシップを組んだ。

[上:羊の群れに向かうガウチョとボーダーコリー]

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キース・マロイによる新しいボディーサーフィンの本、『 ザ・プライト・オブ・ザ・トルピード・ピープル』からの抜粋

by ジョン・R.K.・クラーク

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波待ちしながらラインアップにいると、いつも海鳥の存在に気づく。僕がいちばんよくボディーサーフィンをするオアフ島の南側では、「マヌ・オ・ク(シロアジサシ)」が空中アクロバットを展開し、「イワ(グンカンドリ)」がまるで宙で停止しているかのように僕の頭上を高く舞う。だが僕がいちばん好きなのは「カウプ」。サーファーのあいだを大胆不敵に駆け抜ける茶色いアホウドリだ。カウプは波に乗るのが大好きで、皆の注目を浴びながら、ラインアップのあいだを翼を広くひろげて割れる波のフェイス沿いの気流をサーフィンしていく。ハワイの先住民は彼らの飛ぶ様子を滑空という意味の「カハ」と名付けた。そして、この言葉を使って、ボディーサーフィンのことを「カハ・ナル」と呼んでいた。つまり波を滑空するということ。僕にとってボディーサーフィンの本質とは、波のフェイスをグライディングしていくことだ。ボディーサーファーはザ・ウェッジで命懸けのドロップをしていても、パイプラインで完璧なバレルを力強く駆け抜けていても、あるいはマカプウの波打ち際で子供たちと一緒にクルーズしていても、ウェーブ・グライダーであることに変わりはないのだ。

[写真上:タヒチでのキース・マロイ、52ページ。写真: Chris Burkard]

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コモンスレッズ × PASS THE BATON

by 遠山 正道(株式会社スマイルズ代表)

PTB

1999年からスープの専門店「Soup Stock Tokyo」を経営してきた私たちが、東京・丸の内に物販店の出店を持ちかけられたのが2008年。これまでとは異なる業態についていろいろと模索しましたが、どれもしっくりこない。新しく何かを作って手に余らせることにどこか違和感を覚えたのです。そしてすでに世の中には魅力的なものはたくさんあって、ひとりひとり個人にはその歴史や経験や文化、そしてセンスがある。だからそれらを交換するだけで十分に素敵な世界が成り立つと考えた私たちは、都内の一等地でリサイクルショップ「PASS THE BATON」(以下PTB)をはじめることにしました。ちょっと抽象的なイメージですが、「モノが集まるところが赤く光る地球儀があれば、東京は世界で最も赤く光っている場所。その赤い光を地球上に薄くピンクに延ばしていきたい」 PTBの薄いピンクのブランドカラーはそんなところからきています。

PTBのテーマである「NEW RECYCLE」には3つの切り口があります。本来の在り方に一考を加え、古着やデッドストック品やB品などに新しい価値を吹き込み「REMAKE」するもの、一度舞台から降りたけれど本来の魅力を失っていない品物に光をあてる「RELIGHT」。そして、好きだけれどもう使わなくなってしまったものに歴史とストーリーを添えて販売する「RECYCLE」は、個人のセンスで見出された品物の魅力とそれを使っていた人物の人となりを知ることができるよう、出品者がメンバー登録をするのが特徴です。オンラインショップではこれらの情報をじっくりと閲覧、購入でき、店舗では実際に商品を手に取って購入することができます。出品する際に名前とプロフィールと写真、そしてそのモノのストーリーを添えてもらい、購入されたお客さまには「こんな風に使ってます」などフィードバックをいただく仕組みです。古くて価値が逓減していると言われかねないモノを、そのストーリーなどによって、たったひとつだけの魅力的な存在に価値を昇華させるキラメク瞬間を私たちは大事にしています。

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Fall/Winterセール - 本日より開催

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パタゴニアでは本日より直営店/通信販売/オンラインショップにて、2012年秋冬製品を対象としたセールを実施します(一部除外品あり)。さらに直営店ではこのセールにつづき、2月21日(木)から24日(日)まで4日間のファイナルセールを開催します(アウトレットストアは2月25日(月)まで)。この機会にぜひお越しください。

[ 超クールなローカルたちにスポッターを務めてもらうリディア・ザモラノ。カリフォルニア州ジョシュア・ツリー国立公園 写真:BEN MOON ]

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クリーネストライン

アウトドアウェアを製造/販売するパタゴニアの社員、友人そしてお客様のためのブログです。パタゴニアについては patagonia.jp をご覧ください。

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