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2度目のインターンシップ・プログラム、6年目のジュゴン食み跡調査

by 土屋 彰

1209調査

「台風接近、調査予定日の後半は影響するかもしれませんね…」、沖縄入りの前日深夜、現地から連絡が入った。9月の沖縄は台風の影響を受けることが多く、今年も天候が不安視されるなか、沖縄へ向かうこととなった。9月11日~14日の4日間、2008年以来、2度目のインターンシップ・プログラムを利用して、沖縄県名護市東海岸で行われるチーム・ザン主催のジュゴンの食み跡調査に参加するためだ。

[ 3名で海草、食み跡、調査ラインを担当して調査を進める ]

思い返せばはじめて調査に参加した2007年の夏も台風が沖縄本島を直撃し、調査は延期となった。海は荒れて調査を行うことができず、台風の残していった瓦礫や砂の除去など、スコップと荷車を手に清掃活動に終始したのを思い出す。ジュゴンの食み跡調査は天候に左右されることが常であり、日程調整も非常に難しい。そんななか、5年間継続して調査への参加・協力を継続してきた。そのあいだにジュゴンを取り巻く環境が改善されたわけでもなく、課題が山積しているのが現状で、地元の調査メンバーは目標を見失うこともあったと聞いている。地元の調査メンバーは10名に満たないため、パタゴニア日本支社からのサポートを受けて調査活動の継続、地域への理解を深めるためのイベントなどを行ってきた。春と秋の広域調査を活動の主軸とし、夏休みの時期には地元大学生や若者を集めてジュゴンの餌となる海草の観察会やジュゴンの食み跡をシュノーケリングなどで観察するなど、さまざまな取り組みを通じて調査活動への理解を深め、さらには調査協力をしてくれる仲間を集めてきたのだ。この5年間でパタゴニア日本支社として約10名強のスタッフが調査活動に参加してきた。私の1度目のインターンシップ・プログラム参加報告の影響を受けて活動をともにしてくれたスタッフや、沖縄が好きでシュノーケリングが得意なスタッフなど、さまざまな意思をもった仲間たちが調査に協力。それぞれの得意なスキルを活かして労力を提供してきた。そして今年も2名の新たなスタッフが調査協力の要請にみずから参加、ジュゴン調査も6年目を迎えた。

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「遅いは速い」 パート2 : 自転車とサーフィンでカリフォルニアの海岸線を旅する

by ダン・マロイ

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34年間カリフォルニアに住んでいるが、これまでの1000回にものぼる車での旅よりも、この1か月間でより多くの人たちやこの土地について学んだ。

もしかしたら、本当に「遅いは速い」のかもしれない。

旅に出てから5週間がたち、僕たちは古き良きカリフォルニアと新しいカリフォルニアの交差点を発見したことを確信した。

残念なことに、その交差点は物質的なものではなく、その唯一の探索方法は自転車のようだ。なぜなのかはよくわからない。ペダルをこいで旅するたびに、何かしら良いことが起きはじめるのだ。不思議な偶然だったり、出任せの出来事だったり、うれしいハプニングだったり、あるいはどこから見てもばかばかしいことだったりする。説明しようとすれば、きっと僕がおかしな薬でもやっていると思うだろう。だから、この突然のひらめきについての説明は省き、僕たちの最近の旅路であるサンフランシスコからサンルイス・オビスポまでの写真をいくつか投稿することにしよう。[編集者記:「遅いは速い」(パート1)もご覧ください]

[写真上:この写真は、最初の投稿のあとにバレルから逃げるのをやめるように言ってきたFCDのメンバーへ送る。ホオジロザメとのふれあい広場での温かく、フレンドリーな1日。写真:Kanoa Zimmerman]

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オーロラの向こうに

by 松本 紀生

Northern lights 18

北米大陸最高峰・マッキンリー山。標高6,194メートルの頂とその上空を舞うオーロラが撮りたくて、毎冬を山麓の氷河上で過ごしています。かまくらを作って50日前後のキャンプ生活。ひとりきりで過ごす厳寒期のアラスカを紹介します。

[ マッキンリー山とオーロラ ]

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鋼鉄の頭

by  赤星明彦

スキーナ画像 007


スチールヘッド。鋼鉄の頭をもった魚。北米を中心に繁殖する降海タイプの虹鱒。大きなものは体長1メートルを超え、重さも20キロ以上にもなり、その引きと跳躍は桁外れにパワフル。さらにその美しい魚体。そして釣り上げることのむずかしさ。まさに釣り人の憧れの魚。

私は仲間数人とこの魚を釣り上げるべく、カナダのブリティッシュ・コロンビア州を流れるスキーナ川へ遠征した。今年は例年になく早い冬の訪れで、氷点下を下回る気温の厳しい条件のもと、一日中、川に立ちつづけた。

13フィート余りのダブルハンドロッドをひたすら振りつづけ、寒さにしびれる指先に息を吹きかけるたびに周りを見渡すと、そこには人工物はまったく無く、護岸もされていない。崩れてむき出しになった川岸と激流に押し倒された針葉樹が、川面に突き刺さる風景。そう、この川にはダムも無ければ護岸もされていない自然そのままの姿、まさにウィルダネスが残っている。過去の長いあいだ、スチールヘッドたちは海とこの川を行き来し、成長し、子孫を繁栄させてきた。

【スキーナ川の川辺からの風景 写真:足立信正】

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die schwarze spur(黒いシュプール)

by 関口 雅樹 (ebis films 代表)

黒いシュプール

2001年に最初の作品『icon』を発表して以来、スキーやスノーボードを題材にした映像作品を制作してきた。

映像を学んだ経験はない。かつてはスキーバムと呼ばれる滑る側の立場だったのだが、あるきっかけで雪上での撮影のアシスタント「脚持ち」をすることになり、スキーバム生活をつづけながら仕事の依頼があるとよろこんで三脚を運んだ。被写体としての滑り手とカメラマンとの現場でのやり取りに参加したうえで、その結果残される映像を完成した作品として観ることができるのはとても贅沢なことだったし、何よりもその現場の緊張感と達成感にすっかり魅了されてしまったからだ。

お世話になったカメラマンと相性が良かったこともあり、3シーズンほどそのような生活をつづけながらカメラマンのすぐ後ろで撮影風景を眺めているうち、自分でもファインダーを覗いてみたくなった。北米やヨーロッパのスキーフィルムはすべて滑る側の人間によって制作されているのを知っていたし、被写体になる滑り手は自分の周りに沢山いたので、漠然とではあるが何とかなるのではないかと考え、みずから撮影をはじめたのは15年ほど前のことだ。素人同然の僕がこうして好きな題材だけを撮りつづけられたことに自分自身とても驚いているし、同時にとても恵まれていると感じる。

[ 「クローム金属のような光を発した」斜面に残された「黒いシュプール」 キャプチャー:『icon 7』より ]

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『FURTHER』 常識を超えたビックマウンテン・スノーボード・ライディング

 
常識を超えたビックマウンテン・スノーボード・ライディング・ドキュメンタリー・ムービー『FURTHER』を、ジェレミー・ジョーンズTeton Gravity Researchのタッグが『deeper』につづいて制作。ビジュアライズイメージからのDVD発売に合わせ、パタゴニア直営店でも以下のスケジュールで上映会を実施します。ジョシュ・ダークセンフォレスト・シアラーライランド・ベルなど、パタゴニアのスノーボード・アンバサダーたちも多く参加し、自身の極限をさらにつきつめるスノーボーダーの究極のライフスタイルを追ったこの作品をぜひご覧ください。

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どんな世界に住みたいかについて、大きく考えよう

by アニー・レオナード

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今年8月にキュリオシティが火星に着陸し、異世界の画像を地球に送りかえしてきたとき、人類がはじめて月に歩くのを畏敬の念を抱いて見た日を私たちに思い出させました。そしてそれから3週間もしないうちにニール・アームストロングが逝去したことにより、その記憶はふたたびかき立てられました。自分たちの惑星が直面する問題は、星に手を伸ばすことよりもさらに重要であると私たちの一部が感じているとしても、月面/火面着陸は大きく考えたこと、つまり「現状維持を受け入れるのではなく、何が可能であるかを想像したこと」の結果であることに同意するでしょう。

変革への実りある運動のはじまりも同様です。公民権運動や南アフリカの反人種隔離政策運動、そして初期の環境保護運動など、深く持続性のある社会的変革は、つねにより良い社会のために大きく考える、少数から成るグループによってはじまります。それは数人のための小さな改善ではなく、全員のための大きな改善です。

しかし今日、地球の気候変動から生物多様性の喪失、そして増幅する貧富の差といった巨大な驚異に直面するとき、私たちはこれらの問題——つまり私たちの生存が究極的に依存する環境問題を含むすべての問題よりも、短期的な企業利益を重視する経済——の根底に到達しない小さな解決策に引っかかってしまう傾向にあります。小さな勝利を祝うのは当然ですが、現存の体制に小さな変更を加えるのではなく、再建するような規模の変革を想像することに、往々にして失敗してしまうのです。

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自分の可能性を信じて

by 辰己 博実

ターン

夏はサーフィンとカヤックとクライミング、冬はスノーボードにスキーやテレマークスキーと、ニセコをベースに楽しみながら、ガイドをして生活していた私は、2008年3月10日、スノーボード中の事故により背骨を脱臼骨折し、脊髄を損傷して歩くことのできない体になった。

事故は一瞬の出来事だった。その日は休みで朝からいつものようにキッカーを飛んで遊んでいた。これで最後のジャンプにしようと飛んだキッカーのリップが日射によりゆるんでいて、スピンをしようとかけたトゥエッジがとられ、あわててヒールエッジに切り替えた瞬間、バランスを崩したまま空中に逆さ状態で投げ出されていた。頭から落ちないように何とかリカバリーしたが、飛距離が出すぎていて、ランディングバーンを越えてフラットに背中からたたきつけられた。その瞬間、それまで経験したことのない衝撃とともに、打ち付けた背中を中心に頭と足に向かって物凄い電流が流れ、腰から下の感覚と自由を失った。激痛に耐えながらヘリコプターで病院に搬送され、精密検査の結果、脊髄の脱臼骨折、一生歩くことのできない車いすでの生活になるとドクターから告げられた。結婚したばかりで子供もいる父親が一生歩くことができない。いままで自分のライフスタイルであり、仕事としてやってきた大好きなことがもうできなくなってしまった。最初は絶望だけだった。

[ チェアの重さを生かしたターン 写真:藤村直樹 ]

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日本を漕いだ夏

by 岡崎 友子
 
旅は、偏見、独善、心の狭さにとって、致命的なものである 
- マーク・トウェイン

マングローブ

今年の夏は約20年ぶりに日本で過ごした。南は西表島から北は北海道オホーツクまでいろいろな場所を訪れ、たくさんの素敵な出会いと忘れられない思い出ができた。情報に溢れ、どこにいても同じものが手に入り、同じものが食べられる生活は、便利で物質的には豊かではあるが、季節感やその土地ならではの文化やしきたりの素晴らしさを感じることが減りつつあるように思う。心の安らぎや充足感を与えてくれる小さな発見は、本当の意味での豊かな生活に、とても大事な要素なのではないかと各地を旅して感じた。小さな発見、どこにでもある感動を通り過ぎることのないよう、心と眼をしっかり開いて暮らしていきたいと心に留めながら、そんな旅を通して見つけたものを紹介しよう。

[ 八重山諸島の一部で生息しているサガリバナはマングローブの一種。夜に花を咲かせ、朝にはその花はぽとりと落ちてしまう。むっとするほどの甘い香りは人が花を目にしなくてもその存在を主張し、花火のような形は一瞬光り輝いてぽとりと落ちる花の命を象徴しているかのよう。落ちた花が次々とゆったり下流へと流れるなか、マングローブで覆い尽くされたジャングルを漕いですすんだ。〈西表島ウオーターマン〉 写真:北島 清隆 ]

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クリーネストライン

アウトドアウェアを製造/販売するパタゴニアの社員、友人そしてお客様のためのブログです。パタゴニアについては patagonia.jp をご覧ください。

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