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七転び八起き:信越五岳トレイルランニングレース2012のあとで

by ジャスティン・アングル

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注記: この投稿は、成田空港で書き始め、今日モンタナ州ミズーラで書き終えたものである

旅がつづくなか、そのちょっとした合間を楽しんでいる。仕事の遅れを取り戻したり、執筆に時間を費やしたりすることもできるが、浮き沈みが激しかったここ数日で、僕の頭は混乱している。少しそれについて書いてみようと思う。

本来ならこの原稿は2つに分けるべきだろう。ひとつは僕の日本での経験、もうひとつは信越五岳レースについて、別々にレポートしよう。

国外にはほとんど知られていない素晴らしいレース

信越五岳レースは世界レベルのレースである。その組織は最高で、細かいところまで行き届いたケアは申し分ない。パタゴニア日本支社とアートスポーツからの協賛を得て、パタゴニアのアンバサダーの石川弘樹と彼の仲間が、僕がアメリカで経験したどのレースをも超えるようなレースを提供している。しかもこのレースを耳にしたことのある人間は、海外にはほとんどいない。パタゴニアはこの現状を変えるため、2010年クリッシー・モールを、そして2011年にはジェン・シェルトンを送り込んだ。それ以外では、このレースの存在を知る西洋人はほとんどいない。

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パタゴニア・プロビジョンより、ワイルド・サーモン・ジャーキーいよいよ日本発売

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2011年11月、私たちはクリーネストラインに投稿した「腹ごしらえをして、種を救おう」という記事のなかで、US本社でパタゴニア・プロビジョンのサーモン・ジャーキーを発売することをお知らせしました。そして約1年後の今年10月、日本での発売開始をお知らせできることを大変うれしく思います。

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奇妙に聞こえるかもしれませんが、私たちの魚のストーリーについての発端はコットン業界です。1990年代はじめ、コットンTシャツの新製品が入荷したあるパタゴニア直営店の従業員が、頭痛を訴えはじめました。空気質を分析してみると、コットンTシャツに使われているホルムアルデヒドやその他の化学薬品が従業員に害を与えていることが確認されました。通気を良くすることでその問題を解決するよう勧められましたが、それでは真の問題を回避しているように思えました。

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NIYODO BLUE

by高橋 宣之

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高知県はアジアモンスーン圏なのだとつくづく感じる。雨が多い。四国山脈にぶつかった分厚い雲は大量の雨となって森に降り、やがていく筋もの川の流れに姿を変えて太平洋を目指す。そのなかに仁淀川という高い透明度を持つ川がある。流路延長124キロ。四国では吉野川、四万十川に続く三番目に大きい川である。別段、風光明美な観光地があるわけではないが、それぞれの流域には古い風土の香りが漂っていて、少し大袈裟にいえば日本の原川をとどめた川なのである。高度成長期以前には全国どこにでも見られたごく普通の川だが、いまではこんな川はめっきり少なくなった。

仁淀川を撮影しはじめてからずいぶん年月が経ってしまった。それでも私は飽きることなくこの川に通い、カメラ片手にせっせと季節のかけらを拾いつづけている。飽きない理由は、多分取り巻く自然と季節の移ろいがあの手この手で私を楽しませてくれるからだろう。言い換えると、無数の小さな感動が流域のあちこちに散在しているからである。身震いするような神秘的な風景や、茫然と立ち尽くすほどの荘厳な光景などはめったにあるものではない。そんな深い感動は数年に一度あればいい方で、日常の撮影のなかでは皆無である。しかし小さな感動はどこにでもころがっていて、それが不意打ちのようにほぼ毎日現れるからおもしろくてしょうがない。森の奥のひそやかな場所で出会う花々。紺碧の滝壺。梢の向こうのオリオン。止水に映る雲。凄味をおびた稜線の月。ピーンと音のするような夜明けの大気。透き通った静寂や風の匂い。例をあげればきりがない。

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内側にも外側にも目を向けて:「パタゴニア環境イニシアティブ2012」ブックレットが完成しました

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昨年2012年度、私たちはグローバルな視点と自らに向けた厳しい目を重ね合わせ、自然界の保護/回復に対するさまざまな取り組みを行いました。この作業に対する努力を形あるものとしてとらえるため、私たちは多くのストーリーと美しい写真を使用した「パタゴニア環境イニシアティブ2012」ブックレットのPDF版を作りました。

【パタゴニアのアワ・コモン・ウォーターズ・キャンペーンで重点を置くコロラド・リバー。コロラド・リバーは過剰取水や過剰整備により、ついに海へと達しなくなってしまった。写真:Enrique R. Aguirre Aves】

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「遅いは速い」:僕の裏庭でのミニ・アドベンチャー

by ダン・マロイ

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ひんぱんに旅をしてきたこの15年間、そのあとには家でやることがたくさんたまった。じつをいえば、そのうちの10年間はカリフォルニアについてはあまり考えもせず、ホームシックになることも、何かを見逃しているとも感じなかった。だがそのときは過ぎた。ただ年をとってきただけなのかもしれないが、発見したのは、地元には人生100回分の冒険があるということだった。

少し前、僕らの海岸線を旅して回るアイデアを思いついた。それは、何年もかけて訪れてきた他の海岸線と同じように、とても楽しいと思えた。この考えを2人の友たちに伝えると彼らも乗り気で、計画とパッキングに参加すると、旅は突如決定された。

というわけで、3週間前にカノア・ジマーマンケレン・キーン、そして僕は、自転車、サーフボード、ウェットスーツ、フィン、マイクと2台のカメラを持って、北へ向かう列車に乗った。自転車に乗って海岸線をサーフィンし、友達、家族、知り合いを訪問し、必要ならお忍びでキャンプし、そしてなるべくただ飯食いをせず、カリフォルニアの海岸で良い仕事と生活をする人びとから学ぶというのが僕らの計画だった。

これまでの旅からいくつかの写真を紹介しよう。

[写真上:ダン・マロイと彼の装備。全写真:Kanoa, Kellen, Dan]

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石木ダム:闘いつづける川原の人びと

by 松本美智恵〈石木川まもり隊

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ここはこうばる ホタルの里 自然を守る人が住む
ここはこうばる ホタルの里 ふる里愛する人が住む

「川原のうた」の一節です。「川原」と書いて「こうばる」と読みます。長崎県東彼杵郡川棚町の川原地区。13軒の家が点在する小さな集落で、その中心には石木川という細い川が流れています。川棚町民が九州のマッターホルンと自慢するちょっとかっこいい山、標高608mの虚空蔵山が育んだ清流です。

石木川のほとりには5月末から6月にかけてたくさんのホタルが飛びます。絶滅危惧種のヤマトシマドジョウをはじめメダカやサワガニなどが泳ぎ、近くの林にはサンショウウオやカワセミが棲み、棚田ではカエルの大合唱にモグラの運動会・・・まるで生きもののホットスポットのような里山が広がっています。半世紀ほど前なら日本中のいたるところで見られたありふれた風景なのですが、いまではすっかり変わってしまって、この何もない里山が日本の原風景として人びとの心を捉えます。

【写真:川原のコスモスと看板(売って泣くより笑って団結 WE LOVE KOBARU】

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理想と行動について

by ケリー・コーデス

もしかしたらこの題名はドラマチックすぎるかもしれない。結局のところ、「ただのクライミングだし、それは楽しくあるべきもの」というのがお決まりの文句だ。でもそれはしばし不誠実なものでもある。

しかし、僕らがクライミングを愛する理由は、今日の世界の日常のくだらなさからの逃避だったり、自由に動きまわれる野生の場所にどっぷり浸かり、好き勝手に行動できるからでもある。

そう、好き勝手に行動すること。

1974年にイタリアのラグニ・ディ・レコ隊によって初登されて以来、セロ・トーレにはコンプレッサー・ルートのボルトラダーに依存せずに山頂まで登攀するルートは、わずか3本しか開拓されなかった。僕はこれがいい話になると思った(ちなみにちょっと嬉しいことに、この3本の登攀全部にパタゴニアの製品テスターとアンバサダーが関わっていた)。というわけで僕はこのアイデアと物語を構想し、ロランド・ガリボッティコリン・ヘイリー、それからヘイデン・ケネディーから音声とインタビューを入手し、ナレーションとつなぎを自分で入れて野外の音を録音し、写真を選んでアレンジした。そしてオーディオとビデオのグルに磨きをかけてもらった。その結果が下記のビデオ形式になったナレーション入りスライドショーだ。

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「脱原発をめざす首長会議」の挑戦

by 野平晋作(「首長会議」事務局/ピースボート

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『脱原発を志す市区町村長のネットワークを結成しましょう』

「今日は皆さんに手紙を持ってきました。『脱原発を志す市区町村長のネットワークを結成しましょう』という手紙です」

2012年1月15日、パシフィコ横浜にて開催された「脱原発世界会議」で「地域発・原発に頼らない社会のつくりかた」と題するセッションが行われ、その壇上で、静岡県湖西市の三上市長が首長会議の結成を呼びかけました。「私が原発反対を言いはじめたのは、9.11の『同時多発テロ』が起きたときです。世界貿易センタービルに衝突する大型旅客機を見て、『原発に大型旅客機が衝突したらどうなるんだろう』と、あちこち聞いてみたんです。答えは『耐えられるわけがない』でした。原発はテロに対しても非常に危険な存在です。しかも日本は地震が多く、原発事故を懸念していました。そしてそれは、東日本大震災で現実のものとなりました。もはや見過ごすことができず、市長として反原発を表明しました」 フォークシンガーの山本コウタロー氏とともに司会を務めていた元東京都国立市長の上原公子氏も、この会合を1回限りで終わらせるのではなく、恒常的なネットワークをつくる必要性を訴えました。上原氏は、「住民の生命と財産を守る責任を負っている首長の決意は重いです。スクラムを組んで国に物申す動きが生まれれば、大きな力になります」と訴えました。登壇されていたすべての首長がこの提案に賛同し、後日、恒常的なネットワークとして「脱原発をめざす首長会議」(以下、首長会議)が発足することが決まったのです。

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知床にて

by 新谷暁生

01やせたヒグマと新谷氏

北海道東部に位置する知床半島は千島につながり、千島列島はカムチャツカ半島を経てアリューシャンへと続く。アリューシャン列島にはアラスカ半島のコディアック島付近までヒグマが生息している。そこから西のカムチャツカまでヒグマはいない。

知床にはたくさんのヒグマがいる。カヤックで半島を一周すると20頭近くのヒグマを見る。32頭を数えたこともある。正確な数はわからないが、面積あたりのクマ密度はおそらく世界でもっとも高いだろう。しかし昔からそうだったわけではない。20数年前、半島でヒグマを見ることはまれだった。しかし10年ほど前から急に目撃回数が増えた。

北海道では1990年までハンターによる春グマ駆除が行われ、役所はそれに補助金を出してきた。明治期、開拓の障害となるヒグマやオオカミは有害獣として狩られた。オオカミは早い時期に絶滅したが、ヒグマは滅びなかった。駆除の中止は結果的にヒグマを増やした。知床ではとくにそれが顕著だ。1964年に国立公園となり2005年に世界自然遺産登録地となる過程で、ヒグマの保護は当然だった。しかし今日、私たちが予想もしなかった事態が起こりはじめている。

【上:やせたヒグマと新谷暁生氏 写真:島田和彦】

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クリーネストライン

アウトドアウェアを製造/販売するパタゴニアの社員、友人そしてお客様のためのブログです。パタゴニアについては patagonia.jp をご覧ください。

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