MonoMax別冊 『patagonia PERFECT BOOK』
パタゴニアが1冊丸ごとフィーチャーされたパタゴニアのパーフェクトブックが宝島社の『MonoMax』別冊ムックとして、8月27日に発売されました。この制作のため、宝島社と編集プロダクションの取材陣が夏真っ盛りの7月中旬、鎌倉の日本支社や各地の直営店を訪れました。今日はその取材陣の一人、藤原雅士氏による「パタゴニア・コラム」のご紹介です。
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年齢も40を超えると、なかなかに身体が自分の意思通りに動いてくれない。普段からスポーツをやっている人は別だが、高校時代に部活でバレーボール、休日にはサーフィン…そんな時代から何もせず、20年以上も身体をロクに動かしていないんだから、当然といえば当然だろう。発達するのは筋肉じゃなくて、お腹の肉……。
そんな僕は現在、編集プロダクションに所属している。取材・原稿の対象は世に出ているモノは何でもやるというスタンス。今回は我が社に宝島社発行の『パタゴニア・パーフェクトブック』の仕事が舞い込んできた。仕事柄、商品の原稿は書いたことはあるが、丸々取材して執筆するのははじめて。そうして宝島社(普段はMonoMaxを編集している)の高田氏やパタゴニアのマーケティングのスタッフとの打ち合わせも終え、ムック本作りがスタートした。
最初の取材は鎌倉の日本支社。僕の会社は渋谷にあることを考えると、なかなかの行程を要する。「遠いんだよ鎌倉!」と心の中でつぶやきながら、鎌倉の日本支社に到着。始業時間からの取材となったが、まずその雰囲気にビックリ。とにかくリラックスした感じなのだ。この表現、抽象的かもしれないが、とにかくリラックスしているというしかない。ただし、それは“弛緩した空気”とは違う別のなにか…。見ていると仕事はちゃんとしているようだし、簡単にいえばメリハリがあるといったところか。この特殊な雰囲気を知りたければ、この鎌倉に来てもらうしかない。まぁ、一般の人は入れませんが……。そう、日本支社の特集もしているこのムック本を見てもらえばイチバン分かるかも!ということで、是非この『パタゴニア・パーフェクトブック』を書店にてお買い求めください。
他にもこの日本支社が他と違う部分はたくさんあった。例えばサーフボードやウエットスーツが干してあったり…。聞けば実際に使用しているもので、ここからボードをもって海に入ることもあるという。『社員をサーフィンに行かせよう』はパタゴニアの創始者、イヴォン・シュイナード氏の著書だが、まさにこれを実践したかのような光景だ。正直、この環境がうらやましく思える。そんななか、ひとりの社員が汗だくのランニングスタイルでオフィスに入ってきた。彼はトレイルランニングが大好きな青年。明日の100マイル!のレースに備えて近くを走ってきたという。そして彼はおもむろに自分が着ていたショーツを椅子の後ろに干すと、仕事に向かった。そのままで仕事?とこちらが心配してしまったが、それは杞憂に終わる。このパタゴニアの鎌倉の支社にはシャワーも完備されているとのこと。恵まれた環境。パタゴニア日本支社がこの鎌倉にあるのも頷ける部分だ。山に囲まれていて、ちょっと歩けば海。アウトドアスポーツ好きにはたまらない環境。この環境とアクティビティ好きな社員に、“元”スポーツマンの僕としては、かなりの刺激を受けた。20数年ぶりにサーフィンでもやってみようかな、と。まぁ、その前にお腹の肉の矯正を先にしないと……。もしそうなったらパタゴニアのサーフィン好きの皆様、ご指南よろしくお願いします!
環境といえば、パタゴニアは地球の自然環境の保全にも力を入れているのは周知の事実。僕はこの環境保護活動に力を入れている企業を、やや懐疑的な目で見ていた。理由は“企業のイメージを優先させる”ためだけに目先の活動を行っていると思っていたからだ。まぁ、理由はどうあれ、環境保全のために売上が還元されるのは良いことなのだが、僕的にはどうしてもしっくりこない。でも取材をつづけるうちに感じたのは、パタゴニアがこの環境活動に対して、真摯に向き合っている点。専門の部門をキチンと置き、真剣に地球の未来を考えて活動する。また、そのスタンスが良い。お金を寄付するだけではなく、環境活動家や団体などと一緒になって考え、そして歩む。ここまで、真摯に地球の未来を考えている企業は、僕が取材した中ではそうはなかった。
– 藤原雅士(ライトアウェイ)