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PCT(パシフィック・クレスト・トレイル)からMVTR(水蒸気透過率)へ:防水性バリヤーと透湿性の物語

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日本語版のクリーネストラインがスタートしたのは2010年10月のことですが、パタゴニア本社ではそのずいぶん前、2007年2月からクリーネストラインをスタートさせていました。この3年半のあいだの本社の投稿には興味深いものがたくさんあります。今日はそのなかから夏山シーズン真っ盛りの日本にぴったりの、パタゴニアのシェルの透湿性についてのストーリーをご紹介します。

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1974年、僕は友人と高校卒業を祝ってパシフィック・クレスト・トレイル(PCT)をメキシコからカナダまでハイクした。当時の僕らは自分のギアに疑問など抱いていなかったが、いま考えるとその多くがいかに不適切なものであったかが信じられない。そのなかで最もひどいもののひとつはレインギアだった。ゴアテックスが登場する前のことを覚えている人には、体をドライに保つためのものといえばウレタン加工をしたナイロンくらいしかなかったことが信じがたいだろう(いやフォームバックというものがあった。だが、それはまったく別の話だ)。

探したもののなかでいちばん軽量だったという理由で、僕はトレイルワイズのアノラックを持参した(トレイルワイズを覚えている人は年齢がバレてしまう)。雨のなかをとぼとぼと歩きながら、脱いだ方がもっとドライでいられるのではないかとたびたび考えた。でもこれはキャプリーンはもちろん、ポリプロピレンすら登場する以前の話で、僕が着ていたのは1970年代のハイカーのユニフォームといえるもの、つまりコットンのTシャツとジーンズだった。それらを濡らしてしまうことは何としてでも避けるべきことだった。

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そのわずか3年後の1977年、僕のPCTのパートナーのトニーと彼の弟のジョンはコンチネンタル・ディバイド・トレイルに挑戦した。彼らはゴアテックスのシェルの、おそらく最初のバージョンだったアーリー・ウィンターズ・ゴアテックス・ジャケットを持っていた。旅を終えたあと、彼らにこの目新しいゴアテックスへの感想を聞いた。

[上:カスケード山脈北部のPCTの高地を歩く。下:人生最大のハイクに備える、当時はまだそれほどオールドスクールでもない僕。写真:Old School]

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この1つの地球に、その1票を~because I love….

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アメリカでは2012年秋、総選挙が実施されます。パタゴニアはこの選挙に大いに関心をもち、11月の投票日には、私たちの最も重要な価値観をもって投票したいと考えています。以下、パタゴニアのアメリカ国内での取り組みをご紹介します。今年の夏休みにアメリカに行かれる日本の皆様、旅の途中でアメリカのパタゴニア直営店にお立ち寄りになることがあれば、ぜひ各直営店の「環境に投票を」の写真ブースを覗いてください。「because I love….」

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「環境とは私たちが住む場所、働く場所、遊ぶ場所である」と環境保護運動のパイオニアであるデイナ・アルストンは言いました。それはまた「愛する場所」であるともいえると思います。

あなたの特別な場所はヨセミテ渓谷かもしれません。または近所の一角にある、ちっぽけな公園かもしれません。あなたが働く場所はよりきれいな空気とより多くの樹木を必要とし、住んでいる場所はよりよい交通機関を必要としているかもしれません。

私たちに必要なのは、私たちが住み、働き、遊ぶ場所、そして愛する場所に忠誠を誓うリーダーです。「環境」という言葉は抽象的で、ときとして投票所では無視されることもあります。選挙期間中、「環境」は他のニーズに反した役割を与えられます。まるで「環境」が脇に追いやることのできる贅沢品であるかのように。

しかし「環境」は抽象的なものではありません。それは私たちが住む場所であり、吸う空気であり、飲む水です。リラックスしてリフレッシュするために訪れる場所であり、「環境」とは1つしかない地球の美しさと多様性のことです。

健全な地球は健全なビジネスに不可欠です。パタゴニアは今後もずっとビジネスを継続したいと考えています。責任をもって行動し、もてる範囲内で暮らし、たんに居住可能な地球というだけでなく、未来の世代のために美しさと豊かな生物多様性が守られている地球を残したいのです。

パタゴニアがこの選挙に関心を寄せているのはこういった理由です。私たちは今年11月、もっとも深淵な価値観を抱いて投票ブースに行き、責任あるリーダーを選出するつもりです。皆さんもぜひご参加ください。

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固定価格買取制度とグリーン電力証書と電力自由化

by 竹村 英明 (エナジーグリーン株式会社取締役副社長)

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自然エネルギーの電気を高価格で買い取る固定価格買取制度が7月1日からはじまりました。自然エネルギーの電気は、種別によって違いはありますが、おおむねこれまでの倍もしくは3倍の価格で20年間電力会社に買い取ってもらえるため、自然エネルギー発電の事業者は長期的な事業計画が立てられるようになりました。この制度により、今後新設される自然エネルギー発電所は基本的に全量を電力会社に売電することになり、よってグリーン電力証書化できる環境価値は新規の設備からは生まれないのではと思われている方もいます。

そう思われるのも無理はありません。なぜなら固定価格買取制度は、電力だけでなく、環境価値も全量を電力会社に渡してしまうシステムだからです。グリーン電力証書は自然エネルギーの「環境価値をお届けする商品」なので、環境価値がすべて電力会社に渡るということは、グリーン電力証書として商品にする分の環境価値はまわってこなくなるということになります。そればかりか、現在既設の自然エネルギー発電設備も、変電設備の交換などの条件をクリアし、買取価格の減額を受け入れれば、固定価格買取制度に移行することができることになりました。風力発電やメガソーラーなどの自家消費がない設備は、これによりほとんどが固定価格買取制度に移行する可能性があります。

さあ、グリーン電力証書は消滅か…というと案外そうでもないのです。

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北太平洋旋回の航海の途上にて

by スティーブ・ウィルソン

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位置:北緯29°11.9 、東経170°35.2

「クジラだ」とトレイシーがデッキから鋭く叫んだ。僕はダニと下のサロンにいて、ケルヴィンが料理したキムチと海苔のチャーハンを遠慮したあと、昼食のハマスを食べていたところだった。シー・ドラゴン号では野生動物の目撃情報は速報ニュースのようなもので、ときにはそれが日の移り変わりを示す唯一の情報だったりする。ダニと僕はカメラを掴むと、デッキへと出た。トレイシーはなにかの物体を双眼鏡で追跡しながら、遠い先をじっと見つめていた。前日は船首から100メートルもしないところでマッコウクジラがブリーチングしたため、今回も同じような機会に恵まれるのではないかと期待したのだ。しかし、遠くはなれたその物体はブリーチングも潮吹きもしない。「水面から出ているのはヒレかな?あれは何だろう?白いな、白クジラか?」 デッキにいる誰かが言う。僕はバウスプリットへ行き、写真を撮りはじめた。この日の世界には色が存在しなかった。灰色の空が灰色の海と水平線で混じり合い、まるでモノトーンの空間のなかを旅しているようだった。

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キース・マロイ監督による映画『Come Hell or High Water(何が起ころうとも)』:ついに日本での上映とDVD発売が決定

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アメリカでの公開から約1年、いよいよ日本での上映とDVD発売が決定しました。ビジュアライズ・イメージパタゴニア、そしてニクソンは、キース・マロイ監督のデビュー映画プロジェクト『Come Hell or High Water』の日本上映を発表できることを誇りに思います。この映画はボディーサーフィンの歴史と進化、そして波に乗ることの純粋さを探求する映画です。おもに16ミリで撮影されたこの映画は、ボディーサーフィンのコミュニティーに属する人びとの物語と場所をとらえ、このスポーツの文化、美しさ、シンプルさに焦点を当てています。

キースはサーファーとして有名ですが、10年ほど前、海とふたたびつながることを求めてボディーサーフィンに出会ったとき、この世界の探求がはじまりました。マロイ監督はこのプロジェクトについてこう言います。「これは息を吸って、大きな青い海で足をキックすることについての映画だ」

昨年ニューヨーク映画祭にて初上映された『Come Hell or High Water』は完売し、満員御礼でした。本映画は2011年9月23日にカリフォルニア州エンシニータスのラ・パロマ・シアターで西海岸デビューし、南、中央、北カリフォルニア、ノースカロライナ州、ロンドンなど、世界中で公開されています。日本での上映はパタゴニア直営店のみで、8月3日(金)のサーフ東京ストアを皮切りに、全国5か所の直営店で上映します。

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MEET THE CREW: フレッチャー・シュイナード・デザインズ(FCD):「どのボードも自分のボードだと思って作る」

by サミー・キャマック

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どうしてサーフボードを作る仕事に携わるようになったのですか?
サーフボードを作りはじめて、かれこれ32年以上になるけれど、いまでも大好きな仕事さ。そもそも木工の世界に入ろうとしていたんだけど、はじめてフォームをカットしたとき、木に比べていとも簡単に形を作ることができる点が気に入ったんだ。でも木よりも早くカットすることはできても、ミスはほとんど許されない。だからカットは周到、かつ綿密でなければならない。あと、毎日使えるものを作るのは楽しいよ。

あなたにとって品質とは何ですか?
僕はFCD(フレッチャー・シュイナード・デザインズ)でグラッシングを担当しているんだけど、グラッシングというのはボード作りの工程のなかでも極めて微小なレベルの作業なんだ。シェイプされたブランクスにファイバーグラスとレジンで比較的薄い膜をはる作業で、ボードが長持ちするように耐久性に優れながらも、ボードの機能性を損なわない軽さと薄さを維持するものでなければならない。

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誇りある、再利用という選択

by アニー・レオナード

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1993年にダッカの家に引っ越したとき、部屋にゴミ箱がないことに気付きました。そこで最初に市場に行ったとき、ゴミ箱を買いました。そしてすぐにバングラデッシュの首都で物を「捨てる」ということは、自分の故郷でのそれとは違うことを発見しました。私が捨てた物は、すぐに地元地域に再登場し、再利用されていました。私の、花の香りのデオドラントが入っていた青い箱は、隣人の棚で本物の花のための花瓶に変わっていました。ある小さな男の子は空になった私のコンディショナーのボトルにロッドを入れ、車輪を付けておもちゃの車を作り、紐で引っ張って遊んでいました。

再利用の可能性はどこにでもあります。それは私たちの多くが子供のころに読み聞かされた昔話みたいなものです。ジョセフのおじいさんはお気に入りの毛布をジャケットにし、ジョセフがそれを着古したら、おじいさんがそれをベストにする。ベストはハンカチになり、ハンカチはネクタイになる。ネクタイはボタンに、そして最終的にはボタンは失われる。たとえおじいさんでも、無から何かを作ることはできません。でもモノは再用途を見つけたり、何度も再利用することが可能だという教訓は明らかです。

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patagonia presents BANFF MOUNTAIN FILM FESTIVAL in JAPAN 2012開催決定

世界で最も優れた国際的なアウトドア映画祭が、今年も日本にやってくる。

世界最高のアウトドア映画祭であるバンフ・マウンテン・フィルムフェスティバル。毎年11月にカナダ・アルバータ州バンフで開催されるこの映画祭は、本年で37年目を迎えます。世界中から応募された300本以上の作品の中からグランプリ及び受賞作品を選出。その中から厳選された作品がワールドツアーにて、世界6大陸32ヵ国で上映されます。昨年の来場者数の合計は全世界で24万5千人を超え、日本でも今秋も9月から11月にかけて全国10都市で開催。世界各国から集められた山岳をはじめとするさまざまなアウトドアスポーツや自然の楽しさ、厳しさ、美しさをぜひお楽しみください。

[ 2011/12 Banff Mountain Film Festival World Tour (International) Video:Courtesy of the Banff Centre ]

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手をペンに伸ばして、反対しよう

by ローラ・リン・メドウズ

最近では、マウスボタンを1、2度クリックするだけで環境問題について行動を起こすことができます。それは忙しい日々の生活のなかで、時間を犠牲にせずに、自分の考えを選出議員などに知らせる効果的な方法です。しかし、それ以上の行動を起こしたいと思わせるような深刻な問題もあります。ワイオミング出身のローラ・リン・メドウズにとって、アラスカのブリストル湾の露天掘り鉱山はそうした問題でした。そこで彼女は時間を作り、下院議員に宛てて、心からの手紙を書きました。そして昔ながらの伝統にしたがい、問題を露出して他の人びとを喚起するため、この手紙を地元の新聞『ジャクソン・ホール・ニュース&ガイド』紙に投稿しました。下記の手紙をぜひお読みください。投稿の最後には、この問題について私たちが行動を起こせる「簡単な」方法をご紹介しています。また、ブリストル湾で捕獲されるサケの卵の多くは日本企業の手に渡ります。アラスカからは遠い日本に住む私たち日本人にも、できることがあります。ぜひ最後までお読みください。

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[下記の手紙を書くきっかけとなったワイオミングのグロヴァント・ウィルダネス。全写真:Laura Linn Meadows]

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クリーネストライン

アウトドアウェアを製造/販売するパタゴニアの社員、友人そしてお客様のためのブログです。パタゴニアについては patagonia.jp をご覧ください。

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