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パタゴニア社員へのインタビュー:リペア部門勤務、袈裟丸千晴に聞く

パタゴニア  /  2012年3月26日  /  読み終えるまで6分  /  コミュニティ

リペア部門が材木座から北鎌倉に移って6年半が経つ。明るいオフィスで、最善の修理方法を考えながら黙々と作業をする縫製スタッフ。写真:パタゴニア日本支社

パタゴニア社員へのインタビュー:リペア部門勤務、袈裟丸千晴に聞く

たくさんの修理材料に囲まれたリペア部門のオフィスで仕事をする袈裟丸千晴。写真:パタゴニア日本支社

編集前記:パタゴニアが製造する製品をすべてリサイクル可能な製品にするというゴールを目指して2005年に開始した「つなげる糸リサイクルプログラム」を、より包括的なアプローチへと拡張して2011年にはじまった「コモンスレッズ・イニシアティブ」では、製品のひとつひとつを最大限有効に利用するため、リペア(修理)が重要な役割を担っています。今回はそうしたリペア部門でリーダーとして長年にわたって働く、袈裟丸千晴へのインタビューです。

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製品を修理するという日々の業務において、いちばん苦労するのはどんな点ですか?
外見や機能、そして着用時の着心地を考えながら、お客様がリクエストされる部分を修理するために解体していく手順と、それを現状に戻していく手順をひとつひとつ考えていく作業でしょうか。修理方法のマニュアルはありませんから。また同じ素材やカラーの材料の在庫がない場合も多く、さらにそれらを日本国内で調達することができないため、代わりとなる素材やカラーの選定をするのもなかなか大変です。

修理に出される製品に傾向のようなものはあるのでしょうか?
新旧の製品にかかわらず修理依頼はあります。古いものはシュイナード・イクイップメント社(パタゴニアの前身)時代のものなどもありますよ。単純にたくさん販売された製品は、数年遅れてから修理の依頼が増えますね。

鎌倉ストアのスタッフからリペア部門に移って11年ということですが、心に残っている出来事をひとつ挙げるとしたら?
ある新製品のスナップが入荷してすぐに取れてしまったことがありました。金属スナップは入荷したものの、取り付け用のパーツはいくら待っても入荷してきませんでした。その間もスナップの欠損は多発しており、これ以上待てないと思った私は、取り付けのための形状やしくみは理解していたので、歯科医用の工具を使って金属から形状を削り出し、スナップのオス取り付け用の取り付け具とメス用の取り付け具を自作して対応したこともありました。

パタゴニア社員へのインタビュー:リペア部門勤務、袈裟丸千晴に聞く

リペア部門が材木座から北鎌倉に移って6年半が経つ。明るいオフィスで、最善の修理方法を考えながら黙々と作業をする縫製スタッフ。写真:パタゴニア日本支社

製品の状態に応じて個々の修理品に対して最適な修理方法を考えなければならないなど、非常に時間のかかる、また根気のいる仕事だと思いますが、そうした作業を長年つづけることを駆り立たせているものは何でしょうか?
きっとその製品をより良い状態に戻したいという思いが強いのと、より良い修理方法を新たに考え出していくのが好きなのだと思います。もちろん修理できるものとできないものがありますが、ただただ「できない」をなくしたいという気持ちでここまできたような気がします。鎌倉ストア勤務から産休明けにリペアに異動になり、当時はUSのリペア部門もまだ立ち上がったばかりのころだったので、すべてが手探りでした。

そのどうしても修理できないものの1つにシェルの生地の剥離があると思いますが、剥離を防ぐ方法を教えてください。
製品の寿命はお手入れによって大きく変わってきます。汚れ、とくに体から出る汗や皮脂油、それから日焼け止めローションや虫除けの溶剤などを長期間付着させておかないようにすることです。そのために洗濯をすることと、保管時の通気性もポイントです。湿気の少ない乾燥した場所がベストです。剥離はウェアだけでなく、パック製品でも起こります。

本社のリペア部門を訪問されたとのことですが、USと日本支社のリペア部門でとくに違うなと感じたことは何かありましたか?
本社のリペア部門は広大なリノ・サービスセンターの一角にあり、おもな業務は修理用のパーツを用意し、縫製スタッフへ依頼することです。日本のリペア部門は、荷受からパーツの用意、お客様への連絡、縫製スタッフへの依頼、出荷作業まですべて行っています。修理に関しては、日本の方が修理できない製品が少ないです。また仕上がりも日本の方がきれいでした。国民性でしょうか。

パタゴニア社員へのインタビュー:リペア部門勤務、袈裟丸千晴に聞く

リノ・サービスセンター内にあるUSのリペア部門を訪問。マネージャーのリリアンとパーツの調達や日米の修理対象製品について情報交換。写真:パタゴニア日本支社

現在、リペア部門は北鎌倉にありますが、その前は材木座、またさらにその前は日本支社内の4畳半くらいのスペースで、2~3名でやっていたそうですね。その当時と現在と、大きく変わる点はなんでしょう?
依頼件数は最も異なる点ですが、依頼の内容と製品が多種多様となったことですね。また製品の機能性向上にともない製品の構造自体も複雑化しているので、ベストな修理方法を探すのと、実際に作業をするのに非常に時間がかかります。修理の依頼を受けても、同じシーズン中にお客様にお返しできないのが現状で、なんとか改善したいと思っています。

「コモンスレッズ・イニシアティブ」によって、リペアがあらためてクローズアップされていますが、変化のようなものは感じますか?
全体的な依頼件数の増加と、かなり古い製品の修理依頼、そして同じ製品を繰り返し修理される方が増えています。「コモンスレッズ・イニシアティブ」によって、販売されている製品はすべて修理可能と思われるお客様が多いのですが、残念ながらそうではありません。修理できない製品は、リペア(修理)の次のステップ、リユース(再利用)リサイクル(再生)にまわしていただくようお伝えしています。

パタゴニア社員へのインタビュー:リペア部門勤務、袈裟丸千晴に聞く

ヨットは学生時代からの楽しみ。休日にサモア・チームのメンバーと葉山沖を巡る。写真:袈裟丸千晴

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