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立ち上がる日本

by マーク・シマハラ

japan

2011年3月11日。最も忘れがたい誕生日となった。地震と津波が幾千もの命を奪い、数百万もの人びとが家を失い、いくつもの村が壊滅状態となった日。僕は地球の反対側で被災者の状況を悲しみ、東京にいる親戚に連絡を取った。アメリカ全土で行われた募金のための手作りお菓子のバザーにボランティアとして参加し、自転車レースで獲得した年間の賞金を被災地支援のために寄付した。僕は日本人の気質を象徴する回復力で、日本がこの災難からさらに強い国へと立ち直るであろうと信じることに慰めを見いだそうとしていた。

[キム・ディグスによるFCDジャパン・リリーフ・Tシャツのアートワーク]

そして今年は日本には行かないと決めていた僕に、抗いがたいチャンスがめぐって来た。国際コーヒー競技会である「ワールドサイフォニストチャンピオンシップ」が9月に開催されることになったのだ。サイフォンは日本で人気のコーヒー抽出方法で、コーヒーの最高の入れ方だと言ってもいいだろう。コーヒーオタクの僕は世界中のバリスタと競うというアイデアにワクワクした。お客さんにコーヒーを出したことこそないが、アメリカ中で何十時間ものコーヒー抽出クラスを取っていた。米国代表として参加させてもらえるよう〈米国スペシャルティコーヒー協会〉を説得し、許可を得た僕は旅路に着いた。

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『The Story of Stuff』にみる新たな社会運動のカタチ

「まずは無駄に購入しない、そして修理する、そのあと再利用する。製品のリサイクルはこれらの選択肢がなくなってはじめてなされるべきです。ですからパタゴニアがはじめた「コモンスレッズ・イニシアティブ」には、とても感心しています。必要ないものは買わない(リデュース)、まだ使えるものは修理する(リペア)、あるいは他に必要としている人に譲る(リユース)、そしてついに使い道を失ったものだけ再生のためにリサイクルする。これこそが、真の解決策なのです」
─アニー・レオナード 『The Story of Stuff』著者

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パタゴニアでは今秋から、ウェアをより持続可能な方法で製造、購入、使用することで製品のライフサイクルの循環の輪を結び、着古したウェアから新しい製品を作り出し、パタゴニア製品を廃棄物として埋め立て地で眠らせないことを目的とした「コモンスレッズ・イニシアティブ」を開始しました。

アニー・レオナード氏の『The Story of Stuff』はモノが作られてから、消費され、ゴミとして廃棄されるまでの一生について描いた20分ほどの映像作品で、2007年にウェブサイト上で公開されました。以来『The Story of Stuff』は世界中に広まり、いまでは1,500万回以上の閲覧数を記録し、環境をテーマとしたオンラインムービーのなかで最も閲覧数の多い映像のひとつだといわれています。今日はこの『The Story of Stuff』の翻訳を手がけた照井里江子氏からのメッセージをご紹介します。

[ 『Story of Stuff』ティーザー。FreeRangeStudio制作。本編は「インディーサテライト」のウェブサイトからもご覧いただけます ]

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『腹ごしらえをして、種を救おう』

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『腹ごしらえをして、種を救おう』
byイヴォン・シュイナード
『Holiday 2011』カタログ(英語版)掲載

パタゴニアは、環境査定プログラムに着手して「吟味された生活」を営む以前は、他のアパレル企業と同じようにただウェアを作るだけの企業だった。1988年春、ボストンのニューバリー・ストリートにある古いビルを改築し、パタゴニアの3つ目の直営店をオープンした。すると何日もたたないうちに、従業員が就労中に頭痛を訴えはじめた。空気質を分析してみると、ビルの通気システムはたんに同じ空気を巡回させているだけで、私たちのコットンTシャツの縮みを防ぐために使われているホルムアルデヒドやその他の化学薬品が従業員に害を与えていることが判明した。

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「コモンスレッズ・イニシアティブ」のご紹介:リデュース(削減)、リペア(修理)、リユース(再利用)、リサイクル(再生)、リイマジン(再考)

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まずは無駄に購入しない、そして修理する、そのあと再利用する。製品のリサイクルはこれらの選択肢がなくなってはじめてなされるべきです。ですからパタゴニアがはじめた「コモンスレッズ・イニシアティブ」には、とても感心しています。必要ないものは買わない(リデュース)、まだ使えるものは修理する(リペア)、あるいは他に必要としている人に譲る(リユース)、そしてついに使い道を失ったものだけ再生のためにリサイクルする。これこそが、真の解決策なのです」
─アニー・レオナード 『The Story of Stuff』著者

18世紀の英国ランカシャー州で発展した綿紡績業および被服貿易業の新興は、産業革命をあおり、近代経済を生み出す一端を担いました。けれどもいま、より持続可能な経済社会を目指すために、その原動力を逆転させるべきときがやって来ました。そして今日、お客様と私たち自身の協力関係を築く「コモンスレッズ・イニシアティブ」を開始します。「コモンスレッズ・イニシアティブ」は、ウェアをより持続可能な方法で製造、購入、使用することで製品のライフサイクルの循環の輪を結ぶこと、着古したウェアから新しい製品を作り出し、決してパタゴニア製品を廃棄物として埋め立て地で眠らせないことを目的としています。

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誠実なドーナツ

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パタゴニアで働くなかでの素晴らしい財産のひとつに、興味深い人たちに出会えることがあります。ベンチュラ本社でオンライン・マーケティングを担当するマーク・シマハラは、旅で訪れる先々でカフェやベーカリー探索にいそしむほどのコーヒー&焼き菓子好き。今年の春にはパタゴニアの環境インターンシップ・プログラムを利用して、持続可能性に配慮したコーヒーを認証する団体とともにグアテマラにも行きました。そんな彼が一押しの日本のあるドーナツ・ショップとの出会いと、その魅力について語ってくれました。

【Canezees Donuts (ケンジーズドーナツ)にて 全写真:Mark Shimahara】

1年前のある金曜日の夕方、友人のクリスが〈1%・フォー・ザ・プラネット〉のメンバーたちに社内ツアーをしていた。パタゴニア本社のあるベンチュラオフィスの社員はすでにほとんどが帰宅していたが、まだ仕事をしていた僕にクリスが日本の九州でドーナッツショップを経営しているケンジと奥さんのアサコ、娘のマリを紹介してくれた。甘いものには目がない僕。「ドーナツショップ!いい!」と思った僕は、数週間後に親戚を訪れるために日本に行くことを伝えると、彼らが博多にあるショップに誘ってくれた。やった!

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「私のフットプリント」:スキーとの新しい関係をシェイプする

今日はフットプリント・クロニクルに刺激を得たパタゴニア社員の話をご紹介します。ここでお伝えする物語からは、パタゴニアが企業として何をできるのかというビジョンをさらに高揚させるインスピレーションを得ることができることでしょう。良い変革をもたらすための途上で発見した彼女個人のフットプリントを垣間見て、そのストーリーをお楽しみいただき、さらにコメント欄にて皆様ご自身の「私のフットプリント」経験をシェアしていただければ幸いです。

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米国でのスキーには多くのアメリカ人スキーヤーが口にしたくない側面があります。刺激的なアウトドアの要素がたくさん存在する一方で、スキー産業はかぎられてきた資源に多大に依存しています。そして非常に多くの場合、これは山でのスポーツ好む人びとを石油への依存にしばりつける結果を招いています。

アメリカの主要スキー場のほとんどが公共交通機関のおよばない遠隔地に位置するため、燃焼機関を使用せずにスキー場に到達することができるのはごく少数の幸運な人びとだけです。バックカントリーでのスキーを好む人はリフトという稼動しつづけるためのエネルギーからの独立を宣言できるかもしれませんが、その一方で、リフトに乗るスキー場利用客と同じように、そうしたバックカントリースキーヤーも、ほとんどの場合、その目的地に到達するために車に依存しています。
[全写真:Miyazaki/Greenhall collection]

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ペーサーシップの極意 - 『信越五岳トレイルランニングレース2011』を振りかえる

スタート

新潟県と長野県の県境に連なる信越五岳。その美しい山並みを結ぶ全長110キロのトレイルを舞台に、今年で3回目を迎える『信越五岳トレイルランニングレース2011』が9月24日~25日に開催されました。パタゴニアのトレイルランニング・アンバサダーである石川弘樹がプロデュースする本大会は、580名の選手とともに130名のペーサー(伴走者)がレースに出場。パタゴニアからは昨年度のクリッシー・モールにつづき、アンバサダーのジェン・シェルトンも来日し、日本支社の社員も選手やペーサーとしてレースに参加しました。今回はロジスティックス部の福田麻衣子とマーチャンダイジング部の宮川和人の2人に、選手とペーサーとしてそれぞれの視点からレースを振りかえってもらいます。

[ 午前5:30、レースがスタート。ゴール制限時間は翌午前3:30 写真:パタゴニア日本支社 ]

コンビを組むことになったいきさつ

<選手:福田麻衣子>
昨年につづいて2回目のエントリー。しばらくのあいだは、昨年の辛かったレース内容を思い出しては、「どうして今年もエントリーしたんだろう?」と悶々とした気持ちでいた。そんなある日、男性の同僚からペーサーの申し出。正直、動揺した。頭のなかで、去年のレースを思いかえす。110キロ、約22時間の走行に加え、普段の生活では口にしないエネルギー補給食ばかりを食べつづけることからくる内臓疲労で、胃は水さえも受け付けず、お腹を下し、エイド毎にトイレに立ち寄ったことが頭をよぎる。異性のペーサーにそんな姿をみせられるのか。それでも前回どれだけペーサー(昨年は女性だったけれど)に助けられ、力をもらったかを思い出し、彼の好意を素直に受け入れて、伴走をお願いすることにした。

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同僚、ホルガー・ビスマンを偲んで

Holger
今日は親愛なる友人であり、素晴らしい同僚のホルガー・ビスマンの逝去をお伝えしなければなりません。

ホルガーの並外れた前向きな姿勢からは健康問題のかけらも見当たりませんでした。けれども10月中旬、数か月の闘病生活の末にミュンヘン近くの病院で他界しました。妻のクリステラ、娘のヨハナとヘレナに見守られた静かな最期でした。

ホルガーは2008年12月にパタゴニア・ヨーロッパのジェネラル・マネージャーに就任しました。彼の生きる喜びとパタゴニアへの情熱は初日から、アネシーの同僚とはぴったりの組み合わせでした。彼の魂と意欲、そして活力は、私たちのブランドの最もエネルギッシュなアンバサダーとして、彼が出会ったすべての人に影響を与えました。カリフォルニアのライフスタイルを楽しむため、家族とともに何度かベンチュラにも訪れ、サーフィンにも挑戦しました。彼の娘たちへの純粋なる愛と誇りは、周囲の人びとに喜びを与えるほどでした。

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クリーネストライン

アウトドアウェアを製造/販売するパタゴニアの社員、友人そしてお客様のためのブログです。パタゴニアについては patagonia.jp をご覧ください。

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