パタゴニア・デート
今回は私たちの友人で、このブログに頻繁に寄稿してくれるパタゴニアのアルパインクライミング・アンバサダー、ミスター・マレスタッシュティーノことマレットヘアのケリー・コーデスからの投稿です。ときとして私たちは頭を振りながら、この男は何者なんだと思ってしまいます。-編集担当
人と結びつくにはたくさんの方法がある。僕は今回、新しいアイディアを皆に紹介できることを光栄に思う。最高の絆というものは、僕たちの心に安らぎを与え、視野を広げ、そして肉体的、知性的、精神的にチャレンジを与えるというのがパタゴニアの信念だ。たとえば、ヨガだったりサーフィンだったり、トレイルランニングでもクライミング(そうそう!)でも音楽でも。それがどんなことでもね。
最高の絆には、通常はパートナーが不可欠である。そこで僕はパタゴニアの新しいプログラムのアイディアを思いついた(まるでパタゴニアが「ねぇ、君たちこうしたら」的な提案を必要としているかのようだけど)。僕たちがパタゴニアのファンなのは、同じような趣味をもっているからだよね。それなら、出会い系サイト「パタゴニア・デート」以上の素敵なプログラムはないんじゃないだろうか。想像してみてほしい。君とオンラインのソウルメイトがバーチャル・ヨガとかハーブティーなんかを楽しんで、リサイクルについて語り合い、いずれ直接会うことになるかもしれない。ツィッターで自分の裸の写真を送るような気持ちの悪い話をしているんじゃない。クールなことだけ。クライミングとかマルガリータとか。絶対うまくいくと思う。イヴォン・シュイナードに提案してみよう。僕がこの新しいプログラムの指揮を執ってもいいかって。
別にこの分野が得意なわけじゃないけど、僕は無知を自分の障壁にするような男ではないと誇りをもって言える。以前、出会い系サイトで無残にも失敗したことがある。5年ほど前オンライン・デートに挑戦してみたんだ。冬のエステス・パークはとても寂しい場所になるからね。どうしたって男は男で、羊がおびえてしまうような場所。たまに風があまりにも強く吹いて、羊さえも避難してしまうときもあるけど。でも羊が隠れてしまったら、どうやって見つけ出すか。あっ、ジョークを思い出した。クライマーはどうやって羊を見つけるか。あれ、何の話をしていたんだっけ。
そうそう、アウトドア愛好家を対象にしているというのが売りのサイトが、無料お試しキャンペーンか何かをやっていたんだ。かわいい女の子がクライミングとかランニングとか、バイクに乗っている写真なんかが載っていた。なんて素晴らしいんだ。問題はどうやったらバカまる出しじゃない自己紹介文を書けるか。ユーモアは大切だからね。そして悩んだ結果がこれ。
「僕はとくにこれといった素質のない、30歳代のクライミングバムです。目が悪くて理想が低く、うっとうしくないかわいい女の子と無意味で短期間な関係を求める。友だちならたくさんいるので、「ただの友だち」には興味なし。でももしかしたら恋か、あるいは・・・なんてことはありだったりして。僕のキャビンでマルガリータを飲みながらブコウスキーを読んだりして、ロマンチックな週末を楽しんでもいい(ただし、僕が友だちとクライミングを楽しんだあとでね)。自分に自信があって、強い自己認識意識があって、そして僕が気に入らないところは変えるつもりがある女の子にかぎる。狂った女性は応募しなくてよし。ナイスな車をもっていたらなおよし。追伸:僕はときどきヨガもします」
いやぁ、僕はおもしろいと思ったんだけどね。反応はまったくなし。ひとつも。う〜ん、「パタゴニア・デート」の企画提出はもう少し見合わせておいた方がいいかもしれないな…。