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チリ政府がパタゴニア地方にダム建設プロジェクトを認可

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チリ南部に位置するパタゴニ地方は世界に残された最後の偉大な原生地域とされています。そこは「エコ・ジェム(生態系の宝石)」と呼ばれ、たぐいまれな動植物や氷河が削ったフィヨルドが現存する、ほとんど工業開発されていない地域です。また比較的有害ではない代替エネルギーも豊富にあります。チリ政府はこの壮大な地域の自然の威厳を守ることによって得られる大きな観光収入の可能性を十分に理解していません。そして国内のアンケートではいずれもチリ国民が水力発電ダムをパタゴニアに建設することに反対していることが示されています。

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こうした状況にもかかわらず、世界中で最も原生に近い川のうちの2つをせき止めるこの70億ドルのプロジェクトは、今日チリ政府の委員会の環境認可を受けました。最新のイプソスの世論調査では、反対の声はチリ国民の61パーセントにふくれあがっているにもかかわらずのチリ政府の決断です。

[写真最上:コロニア氷河につづく氷でいっぱいの湖。コロニアはリオ・バケル流域の一部。写真上:自由に流れる野生のリオ・バケルのパワーを美しい滝で感じるクリス・カッサー。ハイドロ・アイセン提案により、チリ最長かつ最も野生の川を永遠に変化させてしまうダムが建設される。写真:James Q Martin]

米国を拠点とする〈National Resources Defense Council〉の弁護士であるロバート・F・ケネディ・Jr.はこのプロジェクトの影響について、「経済的にこのプロジェクトが必要であるということはまったくない。大きなエネルギーの需要は北部と金属産業からきており、その地域にはすでに他の資源がある」と語ります。「アタカマ砂漠は太陽光発電に最適である。標高は高く、一年365日を通して日光が得られ、すでに送電線も存在する。それらはほとんどの場合においてエネルギーを供給している事業からたった数キロの場所に位置する。これらのダムが建設される唯一の理由は、エンデサがピネラ政府にもつ政治的な影響力によるものでしかない」

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[アイセン、チリ。2010年2月17日。ハイドロ・アイセンプロ・ジェクトのための巨大なダムの一基の建設が予定されているリオ・バケルとリオ・ネフの合流点。©Daniel Beltra.『Patagonia's Rio Baker - What Will Be Lost』から抜粋。]

クリーネストラインでは2008年からの断続的な投稿で、この巨大な水力発電プロジェクトの初期のニュースから、パタゴニアの最も原生に近い手つかずの川の2つであるリオ・バケルとリオ・パスクワにダムが建設される可能性についてお伝えしてきました。リオ・バケルはチリに残された最大級の野生の川で、パタゴニア社が支援するパタゴニア国立公園の設立が予定されている場所のすぐ脇を流れています。このプロジェクトはまた、北部に電気を送るための2,400キロにもおよぶ巨大な送電線の建設も提案しています。送電線のコリドーによりチリの土地の多くが永久的に傷つけられ、パタゴニアの北に位置する他の川にもダムが建設される可能性を生んでしまいます。今日の決断はこの議論をさらに激化させることでしょう。送電線の建設はダムよりも多くの損傷を与えると多くの専門家が予測しています。送電線の建設によりパタゴニアの遠隔地にさらに開発を押し進める可能性が広がり、またさらなるダム建設が予想されるからです。このプロジェクトの環境調査は12月に予定されています。

『ブルームバーグ・ビジネスウィーク』誌がコンタクトを取った反対派の下院議員ガブリエル・シルバーによれば、「法廷は今日の投票が行われることを許可したが、その結果を覆すかもしれない」とコジャイケのレポーターに話したとのことです。

パタゴニアにはこのニュースを知った皆様から「何か行動を起こしたい」という数々のお問い合わせをいただいています。チリ国民と環境保護団体は現在も5月9日(月)に発表されたこのニュースに動揺していますが、こうした団体がそれに応える戦略を練るにつれて、行動プランがまとまるでしょう。世界に残された最後の偉大な原生地域であるパタゴニアを保護するために働くこうしたグループからの情報をつねにチェックしてください。

- Patagonia ¡Sin Represas! (ダムはいらない)
- Natural Resources Defense Council's Save BioGems Campaign
- The 180º South-inspired ¡Sin Represas! effort
- Conservacion Patagonica
- International Rivers
- Rios Libres

また、パタゴニアではリオ・バスクアとリオ・バケルの水力発電ダム建設の阻止に取り組む〈sinrepresas.com〉に、1枚の売上につき5ドルを寄付するPatagonia 180º South Sin Represas T-Shirtを販売しています。

このプロジェクトと反対運動についての最新情報は、随時お伝えしていきます。

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いつも視野を広げてくれる記事をありがとうございます。残り少ない原生自然を更に壊してまで追い求める「豊かさ」って何なのかを考えてしまいます。日本においても原発停止の影響で不要なダム政策が復活しないよう注視せねば。

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