« パタゴニア・フットウェアのパートナーとチームを組んで工場を視察 | メイン | ガールズ・ゴーン・ワイルド:ジプシー・バン・クロニクル - パート1 »

パタゴニア社員へのインタビュー:パタゴニア 鎌倉勤務、藤堂光樹に聞く

台峯

編集前記:今回は鎌倉ストアで働く藤堂へのインタビューです。自身のアクティビティへの情熱と環境への活動をパタゴニアで働くことのなかにバランスよく取り入れたライフスタイルが、今回彼をインタビューの対象に選んだ理由です。広島県出身、現在妻と3人の子供たちとともに神奈川県藤沢市在住。2001年より鎌倉ストアに勤務しています。
[ 里山散策中にアリジゴクの巣を発見。鎌倉市台峯 写真:増本 雅人 ]

どのような経緯でパタゴニアで働こうと思ったのですか?
10年ほど前になりますが、当時2~4月は小笠原諸島の父島でザトウクジラのガイド、5~7月は登山&トレッキングガイドをしていたのですが、これ以外の季節を環境保護に意識が高く、自分のアウトドアスキルも生かせる職場で働きたいと考えていました。そしてそんなときにであったのが、エスクァイア日本版のパタゴニア特集でした。「遊ばざる者、働くべからず」の表紙に引き寄せられて「PATAGONIAN 100ヶ条」を読み終えたときには、ここで働くことを決めていました。

パタゴニアの直営店で長い間働いていますが、そうさせている大きな要因は何ですか?
ストアには日々本当に多くのお客様が来店してくださります。そうした方々と直接触れ合うことができ、製品やアウトドアについて話すことができる。こちらの製品知識を伝えることはもちろんですが、私たちも得ることが多く、毎日変化があってとてもおもしろいです。また、自然の場所へ人を誘いたい、という自分自身の目的を果たしやすい場所でもあるのもその理由です。

3人のお子さんたちから、仕事に活かせるような教訓を学ぶことはありますか?
以前、仕事がキツイなと思ったときがあり、「パタゴニアを辞めようかな」と、当時5歳と4歳だった子供たちの前で口にしたことがあるのですが、「それはもったいないよ」という思いもよらぬ言葉が出てきてびっくりしたことがあります。「パタゴニアの人たちはおもしろい人たちばっかりだし、お店にも毎日いっぱい人が来ていて、楽しそう!」と言うのです。幼いながらも親の背中を見て感じていることがあるんだな、と思いました。曇りのない眼で見たパタゴニア像、彼らのその言葉を聞いてから、そんな会社で働いている自分にあらためて喜びを感じ、簡単には弱音を吐かないぞと、心に誓いました。

パタゴニアで働いて、何か変わったことはありますか?
ライフスタイルという言葉をつねに意識し、大切にするようになりました。パタゴニアにはただの生活様式ではなく、人生観、価値観、習慣なども含めた生き方を、さりげなくシンプルに実践している仲間たちが多く存在していて、良い影響をたくさん与えてもらっています。どんなに仕事が忙しくても遊ぶ時間を捻出し、どんなに子育てに追われていてもアウトドアや旅に出る。そして日々の慌しさに奔走されそうになっても、個人での環境活動も怠らない。私のライフスタイルは、いまのところそんな感じです。

オーストラリア[ 育児休暇を利用し、家族とキャンピングカーで旅行。オーストラリア、グレート・オーシャン・ロード 写真:藤堂 光樹 ]

良いストアスタッフに問われるものとはなんだと思いますか?
ストアスタッフはストアというチームのなかの一員です。順風のときもあれば、逆風のときもあり、そんなときこそお互いを信頼し、スクラムを組んで立ち向かっていけるかどうか。それぞれの個性を発揮しながらも、ここぞというときにはひとつになれる、そんなバランス感覚が大切だと思います。

パタゴニアの仕事と並行してつづけている尾瀬のガイドの仕事からは、どのようなことを学んでいますか?
私の場合、藤沢に住んではいますが、こうした都会での日常を過ごしていると、どうも感性が鈍くなってしまいます。長期間自然のなかに身を置くと五感が研ぎ澄まされ、戻ってきてからのパタゴニアの仕事では、インスピレーションのわき方が違ってきます。自然とのつきあい方、楽しみ方、過ごし方を伝えたくてガイドをはじめたのですが、多くの方たちといっしょに歩くことで、逆にあらたなインスピレーションを受けつづけています。またパタゴニアの製品を実際のフィールドで活用できる場にもなっていて、そのフィードバックをスタッフ間でシェアしたり、カスタマーサービスに生かしたりすることもできます。

密接にサポートをしている環境グループはありますか?
〈尾瀬認定ガイド協議会(現・尾瀬ガイド協会)〉です。これは尾瀬国立公園において利用者に安全で快適な質の高い充実した自然体験を提供するために、高いガイド技術と正確な救急法、魅力などを解説できる知識を備えたガイドを認定/育成するために、県や関係自治体、ガイド事業者で設立された組織です。私はテキスト教本作成や試験問題の作成、ガイドの審査などに関わっており、この2年間は既存ガイドの審査を行ってきました。本年度からはいよいよ検定試験を行います。一般の方も応募できますので、ご興味のある方はぜひご覧になってください。〈尾瀬認定ガイド協議会(現・尾瀬ガイド協会)〉は昨年度、日本エコツーリズム協会の第6回エコツーリズム大賞で特別賞をいただきました。

10年後、自身とパタゴニアの関係はどのようなものになっていると思いますか?
いまと何も変わらないと思います。パタゴニアのカルチャーは私の体の一部になっています。10年後に鎌倉ストアにいてもいなくても、この会社にいてもいなくても、パタゴニアの製品作りや、環境に対する姿勢や実行力が不変なかぎり、私とパタゴニアの関係は10年後も20年後も変わりません。

尾瀬沼
[ スノートレッキングで燧ケ岳を望む。残雪の尾瀬沼 写真:藤堂 光樹 ]

関連記事

コメント

ライフスタイルという時、どうしても仕事とプライベートは分離したものと考えがちですが、藤堂さんはまさに仕事とプライベートが一体となっていて素敵だなと思います。ますますのご活躍をお祈り致します。

私も5年前まで尾瀬の山小屋に何年か従事していました。
藤堂さんとお話させていただいたこともあったので、このような記事を拝見することができてとてもうれしく思います。

自然に触れることで、「私たちは生かされているんだ」という意識が知らない間に生まれてきたような気がします。
街で生活しているときとは違う五感ですよね。
そんな自分の気持ちに正直に向き合うために、今はorganicshopのスタッフをしています。
藤堂さんの自然と向き合い仕事と向き合い、そして遊びと向き合うlifestyleにとても共感致しました。

スタッフにユーザー、そして家族。

藤堂さんの周りには、たくさんの人が集まってくる。とても温かい印象を受けました。

真のアウトドアマンだと思います。

初めてパタゴニアのストアを訪れた時、対応して下さったのが、藤堂さんでした。
着る側の思いを考えた丁寧な商品説明と一つ一つの製品に対する思いというものを感じ、迷うことなく、そして安心して購入することが出来たのを覚えています。
それ以来、我が家の生活にパタゴニア製品が欠けたことがありません。
今回のインタビューを読み、改めて藤堂さんの優しさや考え方に触れ、とても感動致しました。
そして自身のpatagoniaへの思いもより一層深くなりました。
これからも我が家に欠くこと出来ない物となりそうです。

コーキさん
こんなところで発見するとは!!!
Twitter見てたら思い当たる名前見つけて驚きました!
コーキさんと出会ったのはイタリアのローマでしたよね!?
それから利尻島で再会しましたよね!バックパッカーだったのにチャリダーになってましたよね(笑)
ドキドキワクワクした暮らし振りで何よりです!
写真の顔を見る限りですが、とても充実感に満ちた表情ですね!
これからも頑張って下さい。

元チャリダー たくより愛を込めて

 パタゴニアのストアで働くことは激務なのでしょうか。パタゴニアストアで働きたいと思っているのですが。お客さんの視点からでは見えない苦労があるのでしょうか。
 私はサーフィン大好き人間です。自然環境保護には興味があります。
 登山を経験していなくてもストア店員になれるのでしょうか。

登山を経験されていないことがストアでの採用に直接影響することはございません。実際、サーフィンが大好きなスタッフも多くストアで勤務しております。ストアでの勤務にご興味をお持ちでしたら、是非お近くのストアにお立ち寄りいただき、色々と質問されてみてはいかがでしょうか?それぞれのスタッフが「なぜパタゴニアで働いているのか」、「パタゴニアで何をしたいのか」を話してくれると思います。

とても素晴らしい!!
私は、製品が好きなのは勿論ですが、直営ストアに行くのも大好きです!
スタッフの方々の対応がとても親切でイキイキとしていてとても心地良い!!
人それぞれ感じ方は違うかもしれませんが、そういうところも大事だと思います(上辺だけのものなのか、内から出てきているものなのか、感じる人には分かると思う)。
だから、買う目的がないときでも???ふらっと遊びに行ってしまう(笑)、、、すみません(大汗)
パタゴニア大好きです!!

自分パタゴニアの社員なるのが夢です。ほんとうに憧れます。

鎌倉店からの帰りに電車の中でこちらのサイトを読んでいて、先程Los lobos vestを購入した際に対応して下さった方が藤堂さんだと知りました。
閉店時間ギリギリにも関わらず、商品の説明がとても丁寧で、私の持っている他のパタゴニアのアイテムとの組み合わせ方や悩んでいるサイズの相談にも的確なアドバイスをしてくれました。信頼のできる接客で相談して良かったと思いました。本当にありがとうございました。
たまに鳥浜のパタゴニアアウトレットや渋谷店にも行きますが、パタゴニアの店員さんはとても親切で丁寧な接客をしてくれるので、新しいアイテムを買う際にとても頼りになります。ますますパタゴニアファンになりました。

私は現在カナダを旅行中です。こっちらに来る前に旅の友に選んだのがブラックホールダッフル120リットルです。これを選ばせていただいた理由は映画「180°south」を初めて観た時衝撃を受けました。今まで自分がいかに大量消費をし物を捨て何も考えてこなかったか。人生方向転換しなくては…そう思い旅の友にするにはPatagoniaさんの商品にしようと決めました。これを始まりに限界まで使い、このダッフルと思い出を作ろうと。ダッフルの購入の際には名古屋店のスタッフの方に数週間悩んだにも関わらず容量やカナダの話しなどいろんなことを私に親切に教えてくださいました。更にトロントに行った際にトロントのお店にも何度か伺った際、私の不慣れな英語にも関わらずたくさんお話してくれたり、ブリティッシュコロンビア州に行くと言ったら話しがはずみ何も購入してない私にたくさんの情報をくれました。こんなに素晴らしいスタッフの方がいるんだから必ずどこか他の国や場所に行ったら必ず訪ねてみようと思ってしまいました。私の大事な旅の思い出になりました。Patagoniaのスタッフのみなさんありがとうございます。

先日、鎌倉店にボードショーツを買いに行きました。「クリ―ネストラインの大ファンです」と話をしたら、それならば読んで欲しい記事があるんですと、藤堂さんがご自身の記事を教えてくれました。読んでいて、明日帰国する英会話の先生の最後のレッスンで、「Socialize」という言葉を何度もなんども、しつこいくらいに繰り返し伝えてきた事を、昨日のことのように思い出していました。その時は何故?と思いましたが、今も記憶に残っている出来事でした。「社会化する、人とつき合う」といった意味ですが、今は「自分の好きなことが、社会で役立つように考え、工夫して、行動すること」を伝えたかったのではないかと思っています。自然と向き合うアウトドアやサーフィン、トレールランなどのスポーツに何か意味があるのか?意味を持たせるのはその人たちの問題ではないでしょうか。「社会化する」とは、それで喜ぶ人がいるなら収入が生まれ、結果として仕事になる。収入があれば、それを継続することができると思います。藤堂さんの記事には、この「好きなことと仕事」を考えるときに、ひとつのコンパスになるように思いました。自然をリスペクトし、感謝する。「人は考える葦である」といったのはパスカル。自然からみたら人はちっぽけな存在です。でも考える力がある。自分をSocializeする。それを考えるのが楽しく仕方ないです。

コメントの確認

コメントのプレビュー

プレビュー中です。コメントはまだ投稿されていません。

処理中...
Your comment could not be posted. Error type:
コメントを投稿しました。コメントは記事の投稿者が承認してから表示されます。 さらにコメントを投稿する

入力された文字と数字は画像と一致していません。再度入力してください。

最後に、下の画像の中に見える文字と数字を入力してください。これはプログラムを使ってコメントを自動的に投稿するのを防ぐために行われています。

画像を読み取れない場合は 別の画像を表示してください。

処理中...

コメントを投稿

コメントは記事の投稿者が承認してから表示されます。

クリーネストライン

アウトドアウェアを製造/販売するパタゴニアの社員、友人そしてお客様のためのブログです。パタゴニアについては patagonia.com/japan をご覧ください。

クリーネストラインとは

RSSフィード

Twitter

© 2013 Patagonia, Inc.
Related Posts Plugin for WordPress, Blogger...