ナノグリップと私の「脱げない」関係

by 岡崎友子

IMG_7117

私にとって水着とは、普通の服よりも多くの時間をともにする関係と言っても言い過ぎではない大切なもの。サーフトリップ、いやじつは普段から下着をつけるのはあまり好きではなく、代わりに水着を着ていることはしょっちゅう。だから脱げません。そして出掛ける用事や人と会う約束がないときなどは、海から帰ってきてシャワーを浴びたらもうパジャマみたいな格好が多いので、人前で着るもののなかでは水着にいちばん気を使います。

まあ、言ってしまえば仕事着のようなものでもあり、自分がやっていることをサポートし、よく見せてくれる手助けもしてくれる大事なものでもあります。だからこそ、水着にはこだわりたい。多くの女性が服のおしゃれにこだわるように、自分に似合う、自分らしい色やデザイン、体型をカバーするデザインを選びたい、動きやすくずれないこと、そして何よりハッピーになれる、モチベーションを上げてくれるくらい気に入っていて脱げないものを着たいと常々思っています。

そんなことから大学生のころ、水着を作りはじめました。誰も着ていない柄で作りたいけどオリジナルのプリントなど作れる資金も規模もなかったので、一枚一枚ハンドペイントでオリジナルの柄を描いて作っていました。自分の体型(チビ、お尻が大きいのに扁平で垂れている、大根足、腕が太い)をカバーし、少しでも格好よく見えるカッティングなどを研究し、一年中見る景色やふとした出来事などから柄を考えることも、大変ではあったけれどとても好きでした。

【 25年くらい前、私がデザインした柄のラインアップ。ハイレグなのが時代を物語るけど、じつは今年、ワンピースやハイレグがカムバックしている。流行はめぐり巡ってくるから、Worn Wearも取っておくのは正しい。全写真:岡崎友子 】

続きを読む "ナノグリップと私の「脱げない」関係" »

クラウド・リッジ、ここだけのストーリー:これは、日本の山を愛する日本人アンバサダーたちのパッションの結晶だ

by 花谷泰広(パタゴニア・アルパインクライミング・アンバサダー)

Johnson_jeff_2689
2014年3月、当時アルパインクライミング・アンバサダーだった横山ジャンボ勝丘、谷口けい、そして花谷泰広の3人が鎌倉の日本支社オフィスに集い、日本支社スタッフ3名を交えてミーティングをした。そのときの議事録を久しぶりに開いてみた。多くがレインウェアに関する話題だったが、よく読むと、今回のクラウド・リッジに組み込まれたさまざまな構想は、このミーティングで出尽くしているようにも思える。それぐらい具体的なアイデアが出ていた。

アンバサダー3名の活動に、それぞれ強烈な個性があったことも良かった。よりクライミング目線で意見できる横山。女性目線や登山者目線の鋭い谷口。そして山岳ガイドという目線のある花谷。じつはレインウェアのニーズは、それぞれの立場によって大きく異なるものだ。たとえばクライミングに特化させたいのであれば、M10ジャケットのように極限まで軽量化を求めたい。ガイドであるならば、多少はかさばってもできる限り摩耗に強い丈夫な製品がほしい。僕も自分のクライミングで使うものとガイドで使うものとでは、違うことが多い。それらを両立させることは、実際とても難しい。女性の登山者であれば、見た目も大切かもしれない。しかし、ただひとつ共通点がある。それはデザイン自体が美しく、機能的でシンプルであること。まだ見ぬクラウド・リッジの模索は、そんなところからはじまった。

続きを読む "クラウド・リッジ、ここだけのストーリー:これは、日本の山を愛する日本人アンバサダーたちのパッションの結晶だ" »

雨のために作られたウェア、クラウド・リッジ・ジャケット&パンツ:日本の山から着想を得て

by 片桐星彦(パタゴニア日本支社テクニカル・ライン・コーディネーター)

Katagiri_h_0003

雨の多い山での行動に適した「パタゴニアの雨具」――日本のお客様の日本の夏山登山に適したレインウェアのニーズは、ストアのスタッフからの長年にわたるリクエストで分かっていた。そして3年前の2014年3月7日、鎌倉オフィスでのクライミング・アンバサダーとの製品フィードバックのセッションで、日本のいわゆる夏山登山にもっと適した「パタゴニアの雨具」が欲しいと、強いリクエストがあった。彼らの活動の中心は冒険性の高い高所クライミングではあるが、登山ガイドであり、山でさまざまな活動をする花谷、谷口の両名からの言葉だった。パタゴニアのレインウェアは2.5層構造で、軽量性とコンパクト性に優れるが、日本の高温多湿という状況では時としてべたつき感がある。だが、日本のじめじめとした雨のなかの山行でも、快適に歩いている登山者もいる。参加者に「できればXXの雨具を」と言うたびに残念な思いをするのだ、と。

【 八ヶ岳山麓で、湿気が多くてベタベタする日本の春から秋にかけての雨の日のトレッキングのための雨具について話し合う日本のクライミング・アンバサダーたち。全写真:片桐星彦 】

続きを読む "雨のために作られたウェア、クラウド・リッジ・ジャケット&パンツ:日本の山から着想を得て" »

ティンシェッド・ベンチャーズ:次世代の責任あるビジネスへの投資

Top
パタゴニアでは、素晴らしい製品を作り、利益を上げ、惑星を保護するという3つの目的は、相いれないものではないと信じています。そこで2013年、私たちは志を同じくし、同じ使命のもとに働く新興企業を援助する投資基金を発足しました。

今日、私たちはこの基金を「ティンシェッド・ベンチャーズ」(前「$20 Million & Change」)と改名しました。この新しい名の下で、私たちはビジネスを手段として環境問題に対応する起業家に投資し、彼らを指導し、結びつけるという、パタゴニアの歴史を継続していきます。

【 イヴォン・シュイナード 写真:Tom Frost / Aurora Photos 】

続きを読む "ティンシェッド・ベンチャーズ:次世代の責任あるビジネスへの投資" »

ハーベスティング・リバティ(自由の収穫):アメリカでヘンプを栽培することについての短編ビデオ

by ダン・マロイ&ジル・デュメイン

 

産業用ヘンプはアパレル生産の環境への負担を削減させ、小規模農家に力を与え、多岐にわたる産業で職を生み出す可能性のある作物です。2つの非営利団体〈ファイバーシェッド〉〈グローイング・ワリヤーズ〉はケンタッキー州、ひいてはアメリカの農業に産業用ヘンプを再導入するために取り組んでいます。ダン・マロイとパタゴニアの映画制作グループは、彼らの仕事がどのようにおこなわれているのか、農業を営む退役軍人マイケル・ルイスを訪れました。

上:新しい映画『ハーベスティング・リバティ(自由の収穫)』を見る。ビデオ:Patagonia

行動を起こそう

2016年7月4日、アメリカで産業用ヘンプの栽培を合法化させる「2015/2016 産業用ヘンプ農業法令(S.134 and H.R. 525)」の通過を連邦議会に促すための嘆願書が提出されます。詳細について学び〈ナショナル・ヘンプ・アソシエーション〉にて行動を起こしてください

続きを読む "ハーベスティング・リバティ(自由の収穫):アメリカでヘンプを栽培することについての短編ビデオ" »

異なる道:ブレオ共同創始者のベン・ネッパーズとチリ南部で暮らす

by ブルック・オーテル

1

パタゴニアの「$20 Million & Change」基金は2013年に、志を同じくする革新的なスタートアップ 企業がビジネスを手段として環境危機のための解決策やその他の肯定的な変化をもたらすことを支援するために始動しました。あるいはイヴォンの言葉を借りると、「自然を使い尽くすのではなく、自然と連動すること」に成功するよう、企業家と革新者を援助することを目的としています。今日はそうした会社のひとつであり、Bコーポレーションと〈1%フォー・ザ・プラネット〉のメンバーでもある「ブレオ」をご紹介します。

コチョルゲにあるベン・ネッパーズのキャビンからは海が見えます。アメリカのケープコッド出身の起業家であるベンは、チリ南部のこの小さな沿岸コミュニティにはまったく縁のなさそうな住人です。彼は廃棄された漁網をリサイクル製品に転換させる革新的な会社、ブレオの共同創始者です。ベンはチリの現場でブレオのビジネスの基本となるリサイクリング・プログラム「ネット・ポジティバ・イニシアチブ」を監督しています。ブレオはネット・ポジティバを通してプラスチック汚染を削減すると同時に、サングラスとサイドウォーク・クルーザー・スケートボードを製造するのに必要な原材料を入手するため、捨てられた網の回収を促進しています。

写真上:ブレオの漁網回収/リサイクル・プログラムの「ネット・ポジティバ」を通じてブレオのスケートボードひとつひとつに変身した漁網の量を示すブレオの共同創始者ベン・ネッパーズ(左)とケビン・エーハーン(右)。チリ、サンチアゴ。写真:Kevin Ahearn

続きを読む "異なる道:ブレオ共同創始者のベン・ネッパーズとチリ南部で暮らす" »

〈レインフォレスト・リリーフ〉:パタゴニアのソーホー店社員がアマゾンの熱帯雨林を救うためにコニー・アイランドを登った理由

by ヤシャ・ウォーリン

写真1

1988年はヤンキースが24度目のワールドシリーズで全勝し、副大統領アル・ゴアが京都議定書に象徴的に調印し、スタンフォード大学の博士過程の学生2人がグーグルという小さな会社を設立した年。それはまたパタゴニアのソーホー店の前社員アーロン・ペッツとティール・アケレットが他の3人のアクティビストとともに、コニー・アイランドの75メートルのパラシュート・ジャンプタワーを登った年でもある。その目的は「ニューヨーク市の公園部署へ:ボードウォークとベンチのために熱帯雨林を殺すのを止めろ」と書いたバナーを掲げるためだった。それはブラジルの熱帯雨林を代弁するとても効果的な草の根キャンペーンとなった。

 

電子書籍s編集者記:今日は20年におよぶパタゴニアとビッグアップルの関係を記念する本『Living & Breathing: 20 Years of Patagonia in New York City(暮らし、息づく:ニューヨーク市のパタゴニアの20年)』からの抜粋をお届けします。パタゴニアのニューヨークの4店舗で印刷本を入手するか、またはデジタル版をダウンロードしてください。

続きを読む "〈レインフォレスト・リリーフ〉:パタゴニアのソーホー店社員がアマゾンの熱帯雨林を救うためにコニー・アイランドを登った理由" »

修理は急進的な行為

by ローズ・マーカリオ、パタゴニア CEO

1

このホリデー・シーズン、私は地球という惑星のために少し早い新年の抱負を掲げます:一致団結して急進的な環境保護主義者になりましょう。

これは大掛かりなことに聞こえるかもしれませんが、そうではありません。必要なのはソーイグキットと修理マニュアルだけです。

個々の消費者として惑星のために私たちができる最善の行動は、モノを長持ちさせることです。適切な手入れと修理によって私たちの製品の寿命を伸ばすという単純な行為は、長期間にわたってモノを買う必要性を減らし、二酸化炭素の排出と廃棄物および製品を作るための水の使用量を削減します。

続きを読む "修理は急進的な行為" »

私たちのDWR加工の問題点【アップデート】

DWR

アップデート:この投稿の大部分は2015年3月18日に最初に投稿されました。私たちのサプライチェーンにおける化学薬品の安全性を改善するパタゴニアの取り組みについて、つい最近の情報とともにアップデートしたのが本日の投稿です。

パタゴニアは、他の高品質アウトドア・アウターウェア・メーカー同様、長年にわたり耐久性撥水(DWR)加工を採用してきました。これはレインウェアの表面についた水分を水滴にして分散させる化学構造(下記参照)で、表面の飽和状態を防ぐために防水性ジャケットにも不可欠な加工です。表面を濡れたまま放置すると、実際に水分が浸透していなくてもべったりと湿った肌触りになってしまいます。パタゴニアが基準として採用してきた長鎖(C-8)フッ化炭素ベースのDWR加工は、非常に効率が高く、並外れた耐久性を誇ります。しかし残念ながら、その副生成物は有毒で難分解性のため、環境中から消滅しません。したがって完璧な性能にも関わらず、容認できないものです。世界各国の政府は化学薬品会社にC8 DWRの製造中止を要請し、高品質アウトドア・アウターウェア・メーカーはDWRに匹敵する性能を備えた代案を模索しています。

続きを読む "私たちのDWR加工の問題点【アップデート】" »

ウィスキー・オン・ザ・ロック:スコットランドに答えを求めて

by クリスト・トーガーセン

Top

「それはスコットランドの最高峰ベン・ネヴィスに降る雨、あるいは雪としてはじまる。雨あるいは解ける雪は薄い泥炭土を花崗岩に到達するまで染み出し、先に進めずに、コイレ・レイスかコイレ・ナ・システでふたたび出現するまで表面下を流れる。海抜900メートルを楽に超えるこれら2つの山岳湖から流出する水は、ベン・ネヴィスの険しい北壁の青とピンクの花崗岩へとこぼれ落ち、オルト・ナ・ヴーリンと合流してベン・ネヴィウスとカーン・モル・ディアーグに挟まれた谷間へとつづく」 —ベン・ネヴィス蒸留所

 

こんな詩的な言葉がゴールドメダルを獲得したスコットランド最古の合法的な蒸留所のウィスキーのボトルを飾っている。ベン・ネヴィスは著名なシングルモルトの地であり英国のアルピニズムのるつぼである。ウールのニッカーといういでたちであれ、ゴアテックスといういでたちであれ、ここは何世代ものアルピニストが山装備を開発し、世界の偉大な山脈への遠征のために経験を積んだ場所だ。それは過酷な嵐と「短い」登攀のための長いアプローチでも知られ、スタイルを重視し、「完全なる」冬期のコンディションのみでルートを登るためのごまかしのないスコットランド人の慎重さを要求する。そこはイヴォン・シュイナードがスコットランドの最難ルートで自身を試し、手製の弓なりのピックをもつシュイナード・ゼロのアイスツールをハミッシュ・マッキネスのスコットランド同時期の急角度のピックと比較するために、40年前に訪れた場所だ。そしてそこはまた、パタゴニアの最もテクニカルな製品すべてのフィールドテストを担当するウォーカー・ファーガソンが、最新の試作品を試すモルモットとして僕らを連れて来た場所だった。

写真上:スコットランドのベン・ネヴィスの「ジェミナイ」で出口を探るジョン・ブレイシー。写真:Kristo Torgersen

続きを読む "ウィスキー・オン・ザ・ロック:スコットランドに答えを求めて" »

クリーネストライン

アウトドアウェアを製造/販売するパタゴニアの社員、友人そしてお客様のためのブログです。パタゴニアについては patagonia.jp をご覧ください。

クリーネストラインとは

RSSフィード

Twitter

© 2013 Patagonia, Inc.