なぜ私たちは公有地について気遣うべきなのか

by ハンス・コール

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アメリカの公有地がどのように管理されるべきかについての討論は、1900年代初期にテディ・ルーズベルト大統領が既存のシステムを築いたときからつづいています。意見の相違の原因は、しばしばエネルギー/資源開発と野生の場所をレクリエーションと野生生物のために保護することのバランスです。パタゴニアは私たちが最も大切にしてきた野生地を保護するために何十年も戦っています。これらの地域は手付かずのままにしておけば最も高い価値をもたらす、卓越した特徴を抱く場所です。これまでの数え切れない戦いにおいて、私たちは連邦政府の公有地がすべてのアメリカ国民に属し、この国の遺産の核を成す一部であるという基本的な考えのもとに結束する草の根団体と地元の人びとを支援してきました。

【 バーミリオン・クリフ国定記念物は滑らかな砂岩と緩やかな台地の地形 。楽観的に再導入されたこの場所には、カリフォルニアコンドルが巣作り、アメリカ西部屈指の夕焼けを誇る。写真:Bob Wick/Bureau of Land Management 】

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ひだまり ~石木川がつなぐ未来への旅路~

by 東田トモヒロ(ミュージシャン)

WTK-667

去年4月に起きた熊本地震は僕にとってこれまでで最も身近で、最も大きな災害だった。多くの家屋や建造物が倒壊し、地割れや土砂崩れなどもあちこちで発生していたので、震災当初は何もかも失われてしまったかのような悲しい気持ちで過ごしていたように記憶している。石木ダムのことに出会ったのはまさにその頃だった。

長崎の山村、豊かな自然の残る美しい場所が、ダムと資本主義という洪水に押し流されようとしている。さまざまな価値観が花開き、豊かさの本質を自然の中に見いだそうというこの新世紀にあって、なんて意味の無いことがなされようとしているのだろう。瓦礫にまみれ、多くの人々が住処や働く場所を失った熊本、僕らが日々向き合っているリアリティ。同じときに隣の長崎では、そこに暮らす人々の気持ちを無視したダムの建設計画が押し進められようとしている。2つのできごとは僕の中でひとつに結ばれ、その中にこそこれからの未来や社会のあり方についてとても大切なことがあるような気がしてならなかった。これは僕が通るべき、向き合うべき旅路なのだと。

[ 昨年10月に野外イベント『WTK – WITNESS TO KOHBARU IN AUTUMN 失われるかもしれない美しい場所で』が石木ダムの水没予定地で開催された。 写真:SUNCloud. ]

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チリの偉大な日:トンプキンス・コンサベーションが歴史的な国立公園誓約に署名

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3月、私たちはクリスとダグ・トンプキンスの信じがたい偉業を祝いました。それは100万エーカーの公園土地をチリ政府に寄付する誓約で、これは私有団体が国にした史上最大の土地の寄付です。チリの大統領ミシェル・バチェレはプマリン公園とパタゴニア公園を含む5つの新たな国立公園を設立し、さらに3つの公園を拡張するために、追加として政府所有の900万エーカーを誓約しました。

プマリン公園におけるこの小さな協定への署名儀式には、イヴォンとマリンダ・シュイナード、リックとジェニファ・リッジウェイ、ジミー・チンも参加しました。一行は故夫であり自然保護のパートナーであったダグが妻にちなんで名付けたセロ・クリスティンを登るためにパタゴニア公園を訪れていましたが、この署名儀式のために寸前でルート変更をしました。

【 チリに1,000万エーカー以上の新たな国立公園を作る誓約書に署名するチリ大統領ミシェル・バチェレとクリス・トンプキンス。写真提供:チリ政府 】

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イヴォン・シュイナードとローズ・マーカリオによるライアン・ジンキ内務長官への手紙

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2017年5月4日
ライアン・ジンキ長官
内務省
1849 C Street, N.W.
Washington DC 20240

親愛なるジンキ内務長官殿、

あなたは内務長官として、アメリカ国民が所有する公共の土地と水を彼らに代わって管理するという厳粛な責任を課されています。現在あなたが見直ししている国定記念物を含む私たちの公有地は、我が国の重要な歴史の一部を代表するものです。その遺産は私たちだけにではなく、あらゆる未来の世代のアメリカ国民に属するものです。どの連邦の土地が開発に利用され、どの特別かつ脆弱な地域が未来のために保全されるかについての慎重かつ情報に基づいた決断を下すことによってこの遺産を守ることは、あなたの仕事の一部です。

それゆえ、何ダースもの国定記念物の縮小あるいは撤回の見直しに、120日という恣意的な締切を設けるのは不条理です。ご存知のように国定記念物を設定する過程はしばしば、何十年でなかったとしても、何年もかかります。それは提案されている記念物の地域の生態系、文化、考古学、経済およびレクリエーション価値を含む大掛かりな研究と、地元地域および全過程における選出代理人との強固な協議をともないます。それぞれの記念物の独特かつ複雑な歴史を鑑みるとき、何ダースもの記念物それぞれについて、こういった短期間に意義ある見直しをすることは単純に不可能です。

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公共の土地を公共の手のなかに

by イヴォン・シュイナード

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アメリカの政治家はつねに、政府を「ビジネスのように」運営することに固執してきた。彼らが請け合うのは、官僚制度の無駄をなくし、我々の問題のすべてを自由市場に解決させることだ。

さて、もしアメリカの公有地がビジネスだったなら、株主はその一部の重役たちの著しい怠慢にショックを受けることだろう。

すべてのアメリカ国民が連邦政府の公有地6億4千万エーカーの株を所有している。そして私たちは公務員を雇い、その最大の利益のために、この貴重な資源を管理させる。だが何十年ものあいだ、私たちはこのような非常に大きな所有物を気にかけず、しかもそれが信頼できる手に委ねられていると、たかをくくってきた。

私たちは化石燃料産業を取締役会に入れてしまい、公選した役職者を顎で使うボスになることをガスと鉱業企業に許しているのだ。

【 ユタ州インディアン・クリーク、ヴァン・キャンプ 写真:Andrew Burr 】

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海の呼吸がとまる前に

by 赤井絵理(パタゴニア横浜・関内

マイクロプラスチック
「私たちがいま生きている地球は、もはやプラスチックスープどころではない。プラスチックスモッグだ」 これは昨年、日本で25年以上海洋ゴミとその環境保全の活動に深く関わってきた一般社団法人JEAN が主催、パタゴニアの環境インターンシップ・プログラムを通じて、私がその通訳兼運営スタッフとして参加した、第14回海ごみサミット三重会議で、アメリカの海洋環境研究所5Gyres 代表マーカス・エリクセンが行ったプレゼンテーションでの一幕。彼の言葉を聞いた瞬間、とっさに自分の呼吸を意識してしまったのを覚えている。地球の7割以上を占め、何百年という歳月をかけて循環し、酸素を作り、たくさんの命を宿す海は、まさに地球の心臓のような存在だ。

【 沖縄北部の嘉陽の浜で拾ったマイクロプラスチック。全写真:赤井絵理  】

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北極圏に魅せられて

by ナサニエル・ワイルダー 

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ブルックス山脈東部上空をガタガタと揺れながら北に向かう飛行機の窓に頬を押し当て、真下の谷を移動するカリブーの巨大な群れに目を凝らす。夏至直後の暑い日のことだ。機体はカリブーの群れを数キロ越えたあたりでゆっくりと螺旋状に下降し、乾いた草に覆われたコンガクット川の流れと平行になる。6人乗りセスナ機のツンドラ対応型の太いタイヤが地面に触れ、古い観察小屋のある滑走路の終点で止まる。ここは北極海の端にある人里はなれた岩礁への、僕らの130キロのパドリングのプットイン。

【 コンガクット川を下りはじめて9日目の夜、北極海の一端を見ようと、何人かでキャンプ上にある尾根を上った。白夜が景色をパステルに染め、早くも私たちを夢の国へと送り込んだ。写真:Nathaniel Wilder 】

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アウトドア産業はユタを愛している。だがユタはアウトドア産業を愛しているのだろうか?

by イヴォン・シュイナード

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毎年、何百万人もの人びとがユタの公有地を訪れる。その目的はクライミング、ハイキング、スキー、狩猟、その他さまざまだ。私自身ユタの野生地で何年もスキーをし、登攀し、渓流釣りをしてきた。アメリカ国民がこれらの土地を所有し、そしてユタはその恩恵を受ける。毎年、アウトドアのレクリエーションがユタで生み出す消費は120億ドルにのぼり、全州で12万2千の職を支えている。たしかに、私たちはこれらの土地をエネルギーや放牧をはじめとするさまざまな用途に使っている。だが私の友人の多くがユタを究極の居住地だと考える理由はアウトドアへのアクセスにある。

【 アメリカの新しい国定記念物ベアーズ・イヤーズ。風化した砂岩、深い峡谷、森林、古代の岩窟住居、神聖な壁画からなる135万エーカー(約5,463平方キロメートル)のそこでは、世界級の探険、静寂、レクリエーションの機会が得られる。写真:Josh Ewing 】

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ジャンボ・ワイルド:聖域と野生地

by ロビン・ダンカン

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ジャンボ・バレーのパーセル山脈のパウダーの秘められた奥地には、ちっぽけなコンクリートのスラブがあります。放棄されたジャンボ・グレーシャー・リゾートの基礎です。それは環境認可書が無効になる前にグレーシャー・リゾートが公式にスキー場の建築に着手しようとした最後の試みの名残りです。

地元民が25年間戦いつづけているジャンボ・グレーシャー・リゾート計画はまったく意味をなさないものです。ブリティッシュ・コロンビアにもう一つ別のスキー場は必要なく、しかも野生のパーセル山脈のど真ん中に、またすでにすべての街に独自のスキー場がある地域ではなおさらです。私たちに必要なのは野生地であり、クトゥーナーハ族の神聖な価値への尊敬の念とグリズリーベアが自由に歩き回ることのできる場所なのです。

【 「いつかジャンボ・バレーのような野生地を私の子供たちに見せたいです。彼らが自分の内に野生地を培い、私たちに委ねられた世界を気遣ってくれるように」—リア・エバンス。ブリティッシュ・コロンビアのパーセル山脈ジャンボ峠にて。写真:Garrett Grove 】

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「その熱意、きちんと伝わっていますか?」:第5回草の根活動家のためのツール会議

by 中西悦子(パタゴニア日本支社 環境社会部)

1集合
1994 年の第1回目の「草の根活動家のためのツール会議」は、パタゴニアが環境保護団体にたんに資金提供する以上の支援を行いたい、またパタゴニアのもつ資産を緊急な環境問題の解決のために活用したいという願望からスタートしました。以来アメリカで、さらに2008年からは日本でも2年ごとに開催しつづけ、これまでに1,000人以上がこの会議に参加してきました。

日本の環境保護団体が直面している財政基盤、市民の意識、法律、メディアなどの状況はアメリカとは異なりますが、その状況に対応する適切なツールが必要なことは同じです。効率よく行動するには、効果的な戦略を構築し、メッセージを明確化し、そのメッセージが伝わるため有効な手段を見つける必要があります。

第5回となる2016年11月、54年ぶりの雪に覆われた山梨県清里高原キープ協会清泉寮に、未来の世代のために空気や水や土を守ろうと全国各地のローカルコミュニティで活動する草の根環境保護団体の皆さんが集まりました。不安、緊張、期待、半信半疑等、さまざまな気持ちを抱えながらも、大切な3泊4日という時間をパタゴニアに預けて、自分たちの取り組む問題の解決や新たな世界を作ることを少しでも前に進めたいという思いでした。

【 写真上:11月25日(金)、未来の世代のために空気、水、そして土を守ろうとする日本の草の根環境保護団体の皆さんと。全写真:パタゴニア日本支社 】

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クリーネストライン

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