電力小売り自由化:パタゴニア日本支社の選択

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2016年4月にはじまる「電力の小売り全面自由化」は、いままで選択権のなかった家庭用や小規模事業所の電力について、どの小売電気事業者から電力を買うのかを決定する権利が市民や事業所に移った、ことを意味しています。

しかしながら、多くの市民が望んでいる再生可能エネルギーによる電力が4月時点では十分に供給されないことが明らかななか、1年間で100万kwh以上の電力を消費しているパタゴニア日本支社はこの権利をどう行使するべきなのでしょうか?私たちは小売電気事業者を選択するうえでの基準を以下のように定めました。

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電力小売全面自由化で、再生可能エネルギーを選ぶこと

by 吉田明子 (パワーシフト・キャンペーン運営委員会事務局)

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今年4月からいよいよはじまる電力小売全面自由化。2000年以降、50kW以上の高圧部門(工場や自治体庁舎、大規模事業所など)は順次自由化され、多数の新電力会社が参入していましたが、私たちの一般家庭や小規模の事業所への供給は、選択のできない地域の電力会社だけでした。これが4月から「完全に」自由化されます。これまでは、「原発の電気は使いたくない」「再生可能エネルギーだけを使いたい」と思っても、電力会社の選択肢は一つでしたが、これからは複数から選ぶことができます。誰もが支払う電気料金を通じて、私たちは意思表示ができるようになります。どのような電力会社を選ぶかによって未来社会をつくっていく、そこに私たち一人ひとりが参加できるのです。

新電力会社については、2016年がスタートしてから料金メニュー等が次々と発表され、メディアでもさまざまな形で報道されています。ただ、いまのところその多くは、「どのような発電方法の電気を扱っているのか」よりも安さやサービスに注目するものです。私たちは本当に、再生可能エネルギーの電力会社を選べるのでしょうか。

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2015年11月29日(日)「気候をまもるパリへの行進。アースパレード2015・京都」開催

by  瀬戸 勝弘(パタゴニア 京都)

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本記事を投稿する3日前の12月12日、195か国によって達成される気候への取り組みが、地球の危機を救うために大きな一歩を踏み出しました。ここ何週間かのパリに対する注目は前例のないものであり、もはや世界でもっとも影響力のある国々が無視することのできない動きを作り出した数百万もの環境活動家たちのおかげです。つい最近ビル・マッキベンが話したように、「気候の動きはいまや断固とした強いものであり、私たちへの対抗に構わず継続する力があることは明らかである」

この協定の成功は化石燃料のない経済活動を構築するための献身的な活動への歴史的合意から、それを実行するために、政府、NGO、企業からのなお一層の焦点を必要とすることでしょう。

関係するすべての皆様にお祝いの言葉を送ります。

NYTimes.com: http://pat.ag/deym
特定非営利活動法人気候ネットワーク:http://www.kikonet.org/…/press-r…/2015-12-12/Paris-Agreement

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このアースパレードの実行委員のメンバーとして参加し、あらためて感じたことは、気候変動の問題や情報はまだまだ私たちのなかに広く浸透していないということでした。気候変動(地球温暖化)のリスクには、水の問題や自然への影響、暮らしへの被害などがあり、決して私たちの生活と無関係ではないはずの問題ばかりです。でもいま日本で暮らしている私たちにとっては、正直あまり実感できない問題なのかもしれません。蛇口をひねればいつものように水は出るし、むしろ少し気温が高い方が冬の生活もしやすく、光熱費も抑えられて良いこと尽くし、と感じている方も多いのではないでしょうか。しかしそれはいまが良ければすべて良し、という短期的な満足感や考え方であり、私たちには将来の世代や地球環境を見据えた、気候変動に向けたもう少し正しい知識と行動が必要です。

【 全写真:パタゴニア日本支社 】

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市民からはじまる小さなうねり

by 木村 芳兼(パタゴニア アウトレット東京・目白アシスタントマネージャー)

集合写真

「エネルギーを選択するということは地域に愛着をもつこと」 という言葉が心にストンと落ちた。2013年4月、パタゴニアの吉祥寺ストアで開催されたGo Renewable - 「いまあらためて再生可能エネルギーを活かして」 『シェーナウの想い』フィルム上映会&トークイベントで、元国立市長で脱原発を目指す首長会議の事務局長を務める上原公子さんがおっしゃっていた言葉だ。そのときに心がスッとなったと同時に背中を押してもらい、いまなお大事な支えとなっている。

2007年、渋谷ストアで働いていた私がストアの環境担当をしていた当時、宮下公園を出発点として青森県六ヶ所村における再処理工場建設反対のデモが行われていた。ストアから近かったこともあり、よく参加していた。宮下公園周辺を「NO NUKES」と書かれたプラカードを持って初対面の方と同じ言葉を叫びながら練り歩いた。そこからのつながりで原子力発電に関する反対運動のイベントなどにも参加するようになり、イベント後もかならずプラカードを持って歩いた。何かに反対したり、訴えるデモ活動は全国で大なり小なりあると思う。自分にとってはじめて行った社会活動はエネルギー問題だった。

[ 静岡県地球温暖化防止活動対策推進センターが主催する『地域の自然エネルギー活用と温暖化防止を考える』温暖化防止研修会終了後の集合写真 写真:〈しずおか未来エネルギー〉 ]

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Go Renewable 2015:自然エネルギーでまちづくり。全国に広がる「ご当地電力」

高橋真樹(ノンフィクションライター)

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ぼくは、全国各地に広がっている自然エネルギーを通じたまちづくり、いわゆる「ご当地電力」と呼ばれる活動を精力的に取材してきました今年、その取材をまとめた新刊『ご当地電力はじめました!』(岩波ジュニア新書)を出版したばかりです。その経験から、いま各地で起きている変化についてお伝えします。

独占されたエネルギーを取り戻す

これまで電気や熱といったエネルギーについては、国や電力会社がやるべきことで、一般の人はせいぜい日々の節電などごく狭い範囲のこと以外にはやれることはないとされてきました。でも、3・11の原発事故を受けて、「このままエネルギーを誰かに依存していてはいけない、自分たちでも積極的にエネルギーに関わらないと!」と感じた人たちが行動を始めています。

人々は地域のコミュニティで、仲間たちと一緒に小さな電力会社を設立します。例えば、太陽光発電や小水力発電などの自然エネルギー設備を設置して、売電をはじめたのです。この動きの意義は、単に地域で発電するようになったということではありません。

エネルギーが自分たちとは関係のない、遠い存在になってしまったために、多くの人は日本全国の海岸に原発ができても無関心になっていたという要素もあるでしょう。でも、つい100年ほど前までは山間部で住民自らが出資をして、水力発電機を設置、地域で発電するということが行われていました。自分たちで、自分たちのエネルギーをあたり前のように手がけていたのです。「ご当地電力」の動きは、今では独占されてしまったエネルギーを、もっと一人ひとりの手に取り戻そうという活動なのです。

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Go Renewable 2015:ウランや化石燃料では資源小国、自然エネルギーでは資源豊かな国、日本

by 大林みか (公益財団法人 自然エネルギー財団 事務局長)

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東日本大震災・東京電力福島第一原子力発電所の事故から四年経っても、日本のエネルギー政策は混迷したままだ。自然エネルギー拡大を阻止するような動きが始まり、将来に向けた目標値も決まらず、電力システム改革(発送電分離)の歩みも遅い。

大きな原因は、原発再稼働だけが日本のエネルギーの最重要課題であるかのように検討されていることにある。すべての原子力発電所が止まって一年半が経とうとしているのに、「(原発が復帰したら)系統が一杯になるので自然エネルギーを導入できない」、「(原発がまだ動き始めてないので)将来のエネルギー目標は定められない」、「(原発が動く確証がないので)電力会社の経営状態が厳しく、競争に入れない」などと、当たり前のように語られている。

いつ動くかわからない原子力発電所の運転開始を待ってエネルギー政策の改革を遅らせるのは、日本にとって大きな経済的な損失ともなっている。というのも世界では、格安の自然エネルギーの拡大が今までにも増して加速しているからだ。

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Go Renewable 2015 : パタゴニア従業員がみずから行動する理由

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2011年の震災から4年が経った2015年、パタゴニアは昨年同様に「Patagonia Says No Nukes Go Renewable」のメッセージを掲げ、原発から再生可能エネルギーへの転換が必要であることを訴えます。

「私たちは私たちが愛し、遊び、楽しむ場とする惑星と野生の場所の破壊を早める現状や体制を拒否する」このことを明らかにすることは、いまの私たちの世代の仕事です。私たちの子供や孫を顧みず、自然が破壊されるのを傍観していることはできません。

だから私たちは圧力をかけつづけなければなりません。それは路上や街頭で、市庁舎や首都で声を上げ、存在を知らせることを意味します。そして最も大切なことは、選挙で私たちが危機に直面していることを理解する候補者に投票することです。それは地元のサーフブレイク、川、草原、山を守り、持続可能な農業を支援することになります。私たちは個人としての責任を取らなければなりません。そしてそれは消費を控え、よりシンプルで吟味された生活を送ることを意味します。

3月7日の土曜日、京都で開催される「バイバイ原発3・7きょうと」は日本のエネルギー政策の未来のために大きな声明を出すチャンスです。パタゴニアは従業員に参加する選択肢を与えるため、パタゴニア京都を午後5時まで閉店することに決めました。以下は京都ストアマネージャー、瀬戸勝弘からのメッセージです。

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川内原発再稼働は無用だ:原発ゼロ状態の今日、電力は不足しているか

by 吉岡斉(九州大学大学院教授)

202【 鹿児島県薩摩川内市久見崎町にある川内原子力発電所。写真:原子力市民委員会 】

いまから1年前の2013年9月15日夜、ただ1基だけ営業運転していた関西電力大飯4号機が発電を停止し、日本はふたたび原発ゼロ状態となった。2011年3月11日の福島原発事故のあと、13か月の法定期限を迎えた原発が次々と停止し、原発ゼロ状態に至ったのは2012年5月5日だった。その2か月後の同年7月5日より関西電力大飯3、4号機のみが首相官邸の強いサポートにより営業運転を果たしたが、この2基も13か月の法定期限により停止し、今日に至る。

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私たちがNo Nukes Go Renewableと言う理由:豊かで創造的な地域生活を生む

6a0134876739c6970c01a51186efd1970c-250wiby 飯田哲也 (認定NPO法人 環境エネルギー政策研究所(ISEP) 所長)

いま「ご当地電力」が熱い

福島の会津電力、小田原のほうとくエネルギーをはじめ、北海道から沖縄まで、地名を冠したご当地電力が、とりわけ311後に続々と立ち上がっている。まず「ご当地電力」とは何か、ここで定義しておくと、国際的にほぼ共通な「コミュニティパワー」と同じ定義をベースに、私が拡張した定義によれば、以下の3つの原則から成っている。

・ 第一原則:地域コミュニティによるオーナーシップ

・ 第二原則:地域コミュニティの参加と意思決定

・ 第三原則:地域コミュニティが便益を享受すること 

第一原則の「オーナーシップ」とは、狭義には資本金の過半数以上をもつことによる「当該地域エネルギー事業の所有」となる。けれども、、広義には当該地域エネルギー事業に関して地域コミュニティが当事者意識(「我がこと」と感じる意識)をもつことも含まれている。第三原則の「便益」とは、経済的な便益のみならず、社会的な便益(たとえば誇り、共通の良い思い出など)にも拡張して捉えるべきものである。

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私たちがNo Nukes Go Renewableと言う理由:地域分散のネットワークが日本の経済を盛り上げる

6a0134876739c6970c01a51186efd1970c-250wiby 金子勝(経済学者/慶應義塾大学経済学部教授)  

原発は火力より高い

政府は、福島第一原子力発電所事故の原因も究明されず、事故収拾もままならない状態にもかかわらず、原発を「重要なベースロード電源」とする新エネルギー基本計画を出しました。「ベースロード電源」には「発電(運転)コストが低廉」という意味が含まれていますが、本当に原発は安いのでしょうか。

政府や原発推進派は現在の燃料費が3兆円ほど増加していることを原発再稼働の理由としてあげています。しかし、これはシミュレーションに基づいて作った数字で、福島原発事故後に進んだ節電分が入っていません。また東京電力の再建計画において、年間6500億円の燃料費の節約が出されているように、割高なガスを購入しています。

一方原発への新規制基準に基づく追加安全投資は、安全審査申請中の17基だけで約1.6~1.7兆円に及んでいます。さらに、賠償・除染費用が10兆円もあります。燃料費の増加とは比べものにならないくらい大きいのです。政府も原発依存を出来るだけ下げるとしていますが、原発は40年で減価償却し、廃炉の引当金を積むことになっているので、もし途中で廃炉にすると、原子力発電施設と核燃料の残存簿価、廃炉引当金の不足が生じ、特別損失として計上しなければなりません。現時点で原発50基をすべて廃炉にすると、少なくとも4.4兆円かかり、電力会社の経営が成り立たなくなります。だから、電力会社は安全軽視で原発を再稼働させたくなるのです。

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