モンタナに悔いなし

by ディラン・トミネ(パタゴニア・フライフィッシング・アンバサダー)

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子供たちが成長するにつれて、一緒に過ごす時間がいかに短く、貴重であるかということが、ますますはっきりとわかるようになる。また私にとっては、子供たちが私の人生の鍵となる人物たちとともに過ごすことも、これまで以上に重要となってきた。友人や恩師など、これまで私を刺激しながら助けてくれた人たちと接することで、子供たちにもそうした人たちの知恵や寛大な精神のお裾分けに与ってほしいという願いからである。そんな思いを胸に抱いていたのと同じ時期にスカイラとウェストンがフライフィッシングに強い興味を示すようになったので、私たちは東を目指してピュージェット湾を発った。そしてロッキー山脈で私の良き友イヴォンとクレイグに落ち合う。それは早朝のフェリー乗船からはじまった。

【 モンタナのマスが潜む水に足を浸し、乾燥した高原の景色を満喫するために上流へと向かうイヴォンと子供たち。写真:Dylan Tomine 】

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アングラーに非ざる者の手記

by アンドリュー・バー

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パタゴニアに長年寄稿する写真家のアンドリュー・バーは、最近才能ある生来のアングラーたちのグループとモンゴルへ旅しました。アングラーでない彼はそこでフライフィッシングと、写真に対する自分の情熱についての興味深い視点を発見しました。ここでご紹介するのは、とらえたイメージが魚の数よりも多かったことに感謝する彼が書いた、その旅からの記述です。

デーヴ・マッコイが僕を旅に誘うとき、その答えはいつもイエスだ。手放しで、疑う余地などどこにもない。それゆえ、モンゴルへのフィッシングトリップに参加しながら、何を釣るのかまったく知らずに到着したという人物は、僕が最初なのだ。一緒に旅するグループと落ち合ったとき、その面々については僕も知っていた。デーヴ(ベテランのフライフィッシングガイド)と彼の家族、マーク・ジョンソン(もう1人の生来のアングラー)と彼の息子、そしてフライフィッシングガイドであり環境保護活動家でもあるエイプリル・ヴォキー。釣りに関する知識が僕にまったくないことは、このグループのしょっぱなの交流で一点の曇りもなく明らかとなり、僕は自分の愚かさを、飲み干したビールグラスとともに、その最初の晩に置き去りにしたくてたまらなかった。銃でも乱射したいような気分だった。

【 夢のような緑のなかの、緑色の夢。モンゴルの高地砂漠にあるこの谷は、川によって完璧に切り開かれている。写真:Andrew Burr 】

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シンプルなフライから学んだこと

by イヴォン・シュイナード 

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私がこれまでにやってきた――登山やホワイトウォーター・カヤックから、スピアフィッシングや道具作りまで――さまざまなアウトドアへの探求や、手作業で何かを作ることにおいては、初心者からベテランへの進歩とはいつも、複雑さからシンプルさへの旅だった。イラストレーターがアーティストになるのは、より少ない筆さばきでメッセージを伝えることができるようになったときだ。

フライフィッシングはまったく逆方向に進んできたように思う。必要以上に複雑で金のかかる娯楽となり、何百種ものフライラインやハイテクロッド、あるいはトラックを止められるほどのドラグを備えたリールを選べる。アングラーならトラウトやサーモンの走りを止めるにはシンプルなドラグで十分だとわかっているにもかかわらず、釣り産業に不安感を煽られて、最新のギアと最新のフライを装備しないと釣りが楽しめないような気になる(正直、私も複数のロッドとリールを所有しているし、ある種のメイフライの特定の成長段階を正確に疑似するフライが見当たらないと悪態をついている自分に気付いたこともある)。

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沖縄県最長河川のいま:西表島・浦内川(後編)

by 中根 淳一 (パタゴニア・フライフィッシング・アンバサダー)

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前回紹介した西表島での渓流釣り。その浦内川に昨夏、取水用の送水管が引かれた。川沿いを黒い大蛇がうねるような光景は異様で、原始の流れを色濃く残す流れだけに、とても残念なことに感じる。

【魚類調査対象の6魚種。上からシミズシマイサキ、ニセシマイサキ、ウラウチフエダイ、カワボラ、ナガレフウライボラ、ヨコシマイサキ イラストと全写真:中根淳一  】

 

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「実生活」の科学

by ディラン・トミネ

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僕の子供は2人とも学校の科学の授業が大好きで、スカイラは大きくなったら海洋生物学者になりたいとひんぱんに言う。だから〈ワイルド・フィッシュ・コンサーバンシー〉の野外生物学者たちが、ピュージェット・サウンド周辺のサーモン稚魚の生息地の評価過程の一部として引き網のサンプリングに誘ってくれたとき、僕らはそれに飛びついた。

彼らは子供たちにとてもフレンドリーで辛抱強く、個々の魚を捕獲し、傷つけないように測定して記録し、捕獲のあとはリリースのために網からバケツに移動させるという各工程を、よろこんで説明してくれた。それは野外で実際に科学がどう適用されているのか、そして一貫した方法を採用することの重要さについての素晴らしいレッスンだ。

写真上:スカイラとウェストンにサンプリングの工程を説明する〈ワイルド・フィッシュ・コンサーバンシー〉のフィールド・テクニシャンのフランク・ストーラー。ワシントン州ピュージット・サウンド。写真:Dylan Tomine 

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南の島の渓流釣り:西表島・浦内川(前編)

by 中根 淳一(パタゴニア・フライフィッシング・アンバサダー)

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南国沖縄でのフライフィッシングというと誰もが海の釣りを想像することだろう。僕も普段は河口周辺のマングローブ帯や海に足が向くことから、近年まで淡水の釣りはほとんど経験していなかった。しかし低山ながら山岳が発達した西表島では、いくつもの渓流があり、そこには好ターゲットの「メジロ」が潜んでいる。

 【 全写真:中根 淳一 】

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フリー・ザ・スネーク船団アクション!

 

去る2015年10月3日土曜日、釣り人、アメリカ先住民、農夫、シャチ愛護家、ビジネスオーナー、サーモン提唱者、カヤッカー、環境保護家など300人以上が、ワシントン州南東部にあるスネーク・リバー下流のローワー・グラネット・ダム付近に集いました。多岐に渡る人たちからなるこのグループは「フリー・ザ・スネーク船団」を形成しました。彼らはスネーク下流の4基の役立たずのダムの撤去を呼びかける世界中の何千人から成る運動を代表する人たちです。オバマ大統領/政権、議会とカギとなる州および連邦機関にこれらの有害なダムの撤去を求めて、13万人以上の人びとが嘆願書とハガキに署名しました。

カヤックや他の船で集まったこの思いもよらない行動家のグループは、スネーク・リバーの現状が受け入れられないものであること、そしてそれが毎年悪化していることに同意しています。今年の夏、絶滅の危機にある何千ものサーモンが水温の上がった川と貯水池で死に、オルカはその好物の餌であるスネーク・リバーのキング・サーモンがダムによって死滅することで栄養不足になり、そして過去30年間、おもに孵化場やその他の失敗した試みに政府が費やした90億ドルは、野生の絶滅危惧魚の遡上を回復していません。

写真上:「フリー・ザ・スネーク船団」。制作会社:ムーンハウス、ディレクター:ベン・ムーン、映画撮影/編集:ペイジ・スティーブンソン、空中撮影:ホイットニー・ハセット、音楽:ピーター・M・ムリーの「エクスプロージョン・イン・ザ・スカイ」

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野生の魚はトラックには乗らない

by イヴォン・シュイナード/マット・シュテッカー

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本論説は2015年7月23日のサクラメント・ビー紙に掲載されたものです。

5月7日、ユバ・サーモン・パートナーシップ・イニシアチブ(YSPI)はカリフォルニア州では初の「捕獲と運搬」プログラムに着手する計画を発表した。捕獲と運搬とは魚を捕まえて、トラックに乗せ、ダムなどの障壁を迂回させるために川の上流/下流に運ぶ作業だ。

このイニシアチブが提案しているのは、キングサーモンをエングルブライトとニューバラーズ・バーという2つのダムを迂回させ、ユバ・リバーの北流へと移動させる7億ドルの50年計画である。

私たちはユバ・リバーとそこでサーモンが繁栄するのをこの目で見たい。だがこのような、ユバ・リバーにおける野生で持続可能な漁場や、流域機能の真の復元を達成しない高額なプロジェクトは大きな誤りだ。

写真(上):2011年、カリフォルニア州のユバ・リバーのエングルブライト・ダムを見下ろすイヴォン・シュイナード。写真:Matt Stoecker

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ザ・リリース:魚に対する基礎知識と責任ある釣りへの道

by アンディ・ J・ダニルチャック, PhD

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遊漁(レクリエーショナル・フィッシング)は北米において非常に人気の高いレジャー活動で、我々の社会の幅広い層に普及しており、魚がいる場所ならほぼどこでも行われている。遊漁にまつわる道具や技術も多様で、適した用具一式を選ぶだけでも相当の自由時間と収納スペース、そして資金を費やすことになる。ひとつのルールが万人に適用するスポーツではなく、大部分においては、それこそが魅力なのだと言える。

遊漁の人気や範囲や奥行きを考えると、それにより非常に多種の魚がさまざまな方法で捕獲されているということにもなる。私たちが釣りをする理由の一部はここにある。しかし獲物をキープするために釣る人も、間違った魚種だったり、合法のサイズに満たなかったり、捕獲量の上限に達した場合などは、魚をリリースしなければならない。また、自発的に「キャッチ&リリース」を重視する傾向も盛んになってきている。それは釣った魚をふたたび逃がすことにより、釣りをスポーツとして楽しむと同時に、魚類に与える影響をできるかぎり抑えようというものだ。理論的には「キャッチ&リリース」は持続可能性を高め、環境保全に貢献しているように思われる。放した魚が泳ぎ去っていく様子を目にすれば、その魚はもう大丈夫ということだろうか?

上:スキーナ・リバーでスチールヘッドをリリースするエイプリル・ヴォキー。写真:Adrienne Comeau

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『Xboundary』:アラスカとブリティッシュ・コロンビアのサーモン・リバーを露天掘り鉱山から守る

by ライアン・ピーターソントラビス・ラメル

 カナダのブリティッシュ・コロンビア州北部ではいま露天掘り鉱山がブームです。その規模は巨大で、その場所は国境を越えてアラスカへと流れ込む主要なサーモンの生息する川の源流に位置することにより、アラスカ州民は何十億ドルもの漁業と旅行産業を脅かす汚染リスクを懸念しています。その懸念は2014年8月4日にブリティッシュ・コロンビア州のフレーザー川の流域付近にあるマウント・ポリー鉱山の破壊的な鉱滓ダムの決壊でさらに高まりました。

昨年の夏、『Xboundary』の制作の一部として、私たちはユヌック川流域160キロを横断しました。以下はその旅のあとに〈Trout Unlimited Alaska〉から受けたインタビューの抜粋と行動への呼びかけです。〈Trout Unlimited Alaska〉はパタゴニアとともに本プロジェクトを支援しています。

ビデオ:サーモン映画『Xboundary』byライアン・ピーターソン

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クリーネストライン

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