スリランカへの再訪

by ベリンダ・バグス

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ほぼ10年ほど前、永遠に割れつづけ、見渡すかぎり人っ子ひとりいない神秘的なポイントの話を耳にしました。そんな話を聞いてぜひとも行ってみたいと思わないサーフィン中毒者がどこにいるでしょう。それがたとえ渡航勧告を無視し、内戦によって不安定な状況がつづく地域に足を踏み入れることであっても。

若くて経験もなく、ほぼ間違いなく愚かだった私は、数人の友人とともに旅に出て、アルガムベイで人生最高の波を体験しました。そこはスリランカの南東沿岸に位置し、時間が緩やかに流れる漁村でした。2004年のインド洋大津波から1年が経っていた当時、長年の武力紛争に苦しんできたこの地域は、やっと一般市民に開放されたところでした。

軍による検問はひんぱんにありました。車内で昼寝をして目を覚ますと、AK-47ライフルを頭に突きつけられながら、車の上に積んでいる荷物について質問を受たりもしました。それはこの旅は間違っていたと思うに十分な体験でした。でも車の上にあるのはサーフボードだけだと伝えると、彼らは笑顔とシャカサインで別れを告げていきました。これらはスリランカ人をうまく象徴している体験だと思います。彼らは戦争の真っ只中でも、笑顔を分かち合うことを忘れていませんでした。

【 「家を離れる私の旅の中心は、たいてい冒険と波の追求。この旅も、スリランカの暖かい水と神秘的なポイントブレイクの再訪として、ほぼ同じようにはじまったの。 でもパタゴニアがフェアトレード・サーティファイド製品をここから調達すると知って、それらがどのように作られているかを見る機会にも飛びついたわ」 写真:Jarrah Lynch 】

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The More Things Change (変われば、変わるほど):ジェリー・ロペスのウルワツ・トークストーリー

by ジェリー・ロペス 

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ジェリー・ロペスがはじめてウルワツでサーフィンをしたのは1974年のことでした。バリの伝説的な波は美しく魅惑的で、辺りは閑散としていました(詳細は後述)。そして40年後、ジェリーはそこでヨガの合宿を主催し、教室の合間に波に乗り、ウルワツを次世代に残す保護活動を支援するため、戻ってきました。この短編ドキュメンタリーでは、ジェリーがウルワツとサーフィンを変化の隠喩として使いながら、ブキット半島、バリ、そしてサーフィンを越えた多様なメッセージを伝えています。ネイサン・マイヤーズ監督の『The More Things Change (変われば、変わるほど)』は、ジェリー・ロペス、デーブ・ラストヴィッチ、ロブ・マチャド、リザール・タンジュンのサーフィンにスポットを当てています。

【 ウルワツの崖を背景にボトムターン。この頃はまだ丘の上にホテルを建てようと考える者すらいなかったはずだ。写真:Dana Edmunds 】

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より良く知り、より良く行動する

by デイヴ・ラストヴィッチ

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スリランカのコロンボ近郊でパタゴニア製品を製造するフェアトレード認証済みの工場、MAS アクティブ・レジャーラインに足を踏み入れると、感覚をまず刺激するのはその音だ。

鮮やかな緑色の作業服を着た数百人の従業員が、蛍光灯の白い光の下で列をなす裁断機とミシンを操作している。スリランカの伝統音楽が機械に負けない音量で作業場に流れている。僕は騒音のなかに立ち、パタゴニアのサーフィン製品がどこで、誰の手によって作られているのか、また従業員がどんな待遇を受けているのか、もっとはっきりと理解しようとする。

【 スリランカのMASアクティブ・レジャーラインを訪れるデイヴ・ラストヴィッチ。パタゴニアはこの工場と提携を結び、そのフェアトレード認証の獲得に協力した。写真:Jarrah Lynch 】

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『Surf Is Where You Find It(改訂/増頁版) 』 ジェリー・ロペス著発刊&ジェリー・ロペス来日

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ジェリー・ロペスの言葉は、彼のボトムターンとおなじように美しい。幼少期を裸足で過ごしたハワイのサトウキビ時代、サーフィンの歴史に名を刻むレジェンドたちとのスリルに満ちた体験、世界有数の波質を誇る未開拓ポイントへの冒険トリップ。どのストーリーにも、読み手が実生活に当てはめられる教訓が存在する。本書を通じて、自分自身サーファーであることに誇りをもつことができた。
―ジャック・ジョンソン

ジェリー・ロペスがサーフィンから学んだ数々の体験を綴った『Surf Is Where You Find It』にストーリーと写真を追加。新たにスノーボードとスタンドアップ・パドルのストーリーを含み、新たに訳しおろした改訂/増頁版が、10月14日(金)発刊します(一部直営店は10月15日(土))。

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ハチミツを愛するがゆえに

 by ハンク・ギャスケル

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彼の手は他の農家の人のそれとは違った。硬かったり、たこやひび割れができているわけではない。ただ大きくて、純軟性があり、その動きはすばやい。僕らは分厚い白色防護服と息が詰まるような覆面布付きヘルメットを着用していたが、彼にとってはそれも苦にならないようだった。僕は熱で溶けそうになっていたのに。

マウイ島の深い森林に覆われたワイホイ渓谷にはハチの巣が無数にある。それは花の咲く生態系には不可欠だ。黒ずんだ溶岩の鉱脈で寸断された肥沃な土地にはアボカド、マンゴー、グアバ、オヒア、レインボーユーカリ、カンアオイが力強く成長し、カピアの小川が海に向かって細長く流れていく。渓谷のふもとでは、マンゴーの枯れた切り株にできたハチの巣が地元の漁夫の一家を困らせていた。

そのハチの巣はねじれた場所にあり、友人のケニーはいつもよりも敏感に、よりスムーズに作業を進めなければならなかった。20年の経験をもつ彼は、ハチが攻撃してきても平静に集中力をもちつづけた。外科医のような的確さで巣を取り扱い、箱を動かして、ハチの巣がぴったり納まるように調整する。その動きは巧みで忍耐強くありながらも熱意にあふれていた。僕の白い防護服は汗まみれの肌に密着し、ハチに刺されやすくなっていたが、僕はそれを一心に見つめた。とりこになっていた。

写真上:4枚の巣枠の1つを調べ、採蜜可能かどうかを確認するガールフレンドのマリアと僕。ハワイ、ハナ。写真:Anna Riedel

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姉妹愛を育んだツアモツ諸島での10日間

by リズ・クラーク

  

昨年はじめてパタゴニアのアンバサダー仲間であるキミ・ワーナーレア・ブラッシーに会う機会を得ました。パタゴニアが親切にも、私の愛する裏庭そして遊び場となったフランス領ポリネシアに浮かぶ珊瑚礁の海のうえで彼女たちと会う手配をしてくれたのです。彼女たちのことを知るかぎり、楽しい時間を過ごせるだろうと期待はしていましたが、別れを告げるころにはまるで姉妹を2人得たような気持ちになるほど親しくなるとは、想像もしていませんでした。

自然、野生動物、波、思慮ある食生活など、私たち3人には共通点があります。でも私たちの時間を純粋で特別なものにしたのは、先入観のない開かれた心だったように思います。ダイビングをしたり、波をシェアしたり、星空の下で笑いあったり、ココナッツを探して島を探索したり、あるいはただ鳥が旋回しながら海へ飛び込むのを見ているだけであっても、彼女たちはまさに私が見ているもの、自然の神々しさ、自由、平和、尊敬の念などを目にしているようでした。キミとレアと一緒に自然のなかに身を置くことで、私は完璧に理解してもらったように感じました。

写真上:フレンチポリネシアでリズ、レア、キミがともに過ごした時間を収録したビデオ4部作。ビデオ:Patagonia

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『The Fisherman’s Son』:プンタ・デ・ロボスへの僕のビジョン【アップデート:ラモン・ナバロ来日フィルム&ブックツアー日程】

by ラモン・ナバロ

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子供のころの僕は、父の手伝いをしながら父とまったく同じような漁師になりたかった。でも数人の男たちがサーフボードとウェットスーツとともに町に現れたとき、僕は思わず「ワオ!これはすごい」とつぶやいた。そしてそれからは、世界中の何よりもサーフィンについて学びたいと思うようになった。

そうしてサーフィンを学び、世界中を旅しはじめたのだが、サーフィンをするのにいちばんの場所は地元であることにすぐに気がついた。ここにはビッグウェーブもあれば、質のいい小さな波もあり、僕の愛する伝統的な漁業文化がある。だからここを超える場所はどこにもない。

僕は旅をしながら、世界中の同じような海岸が汚染され、自制心のない開発業者たちによって永遠に傷つけられてしまった姿をたくさん目にしてきた。以前は手つかずだった場所が台無しにされてしまった様子も見てきた。そして僕が愛するこの海岸も、パルプ工場、下水パイプライン、ダム、無分別な開発などによって、脅かされていることを知った。

上:漁具を整理するラモンと彼の父アレハンドロ。写真:Jeff Johnson

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パタゴニア直営店 2015 SURF FILM 上映会

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 『ティエラ・デ・パタゴネス』
― 海のカウボーイ ―

2014年/アルゼンチン/72分

"Gaucho Del Mar" (海のカウボーイ)の兄弟は世界最南端エリアのひとつであるエスタドス島でのサーフィンを目的に旅へ出た。パタゴニア地方で6か月に及ぶトラックでの移動やテント生活のなかで現地の人びとと交流し、都会には存在しない言質の生活を学び、旅の途中で固有の植物たちや動物たちに出会う。そして兄弟は厳しい気象状況との戦いの末、ウシュアイアという街に到着する。そこからヨットに乗り、ビーグル水道を抜け、世界で最も危険とされるル・メール海峡を航海し、目的の無人島エスタドス島へ辿りついた。その先にあるものは…?

 
『ラスト・パラダイス』
― アドレナリンを追い続けたニュージーランドの冒険家たち ―

2013年/ニュージーランド/100分

ニュージーランドの豊かな自然の中で育ち、工夫しながら様々な遊びや冒険に挑戦していた子どもたちが、やがてアドベンチャー・トラベルに大きな変化をもたらした。45年にわたる映像記録のおかげで、我々も初期の「冒険野郎」たちの旅を経験し、当時の手つかずの自然を目にする貴重な機会を得ることができる。それが『ラスト・パラダイス』だ。本映画は観る者に、待ったなしの重要な環境問題を突きつけている。エクストリーム・スポーツの誕生や初期のパイオニアたちの物語、そして45年の歳月をかけて撮影、編集した素晴らしいオリジナル映像を通して、我々はかつて「正常だった」地球の姿が一世代で激変してしまった事実を知ることになる。

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奄美大島の海岸より

by 碇山 勇生(パタゴニア・サーフィン・アンバサダー)

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パタゴニアから新しいカタログが届いた。表紙をめくると「ローカリズムの新たなかたち」という言葉が目に飛び込んできた。そこには自分たちのお気に入りのサーフスポットやリーフを保護しようというようなことが書かれている。環境問題への取り組み。世界中さまざまな場所で、たくさんの環境問題が起こっている。そこで、僕が経験した小さな南の島のできごとと、その後の活動についてお伝えしようと思う。

2013年11月、鹿児島県の南西諸島に位置する奄美大島の龍郷町手広海岸に立案された「手広海岸園地整備計画事案」に対し、僕たちは工事内容である砂浜部へのコンクリート工事の中止および駐車場舗装工事の変更を求め、行動を起こした。

[ 手広海岸は年間を通してコンスタントに波があるポイント。センターはリーフで、手前と奥はビーチブレイクになっている。ベストシーズンは3月~5月、9月~12月 写真:碇山勇生 ]

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素晴らしき友:トロピキャットの「アメリア」

by スウェル号船長 リズ・クラーク

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これまでの9年のあいだ「スウェル号」に乗船したペットは何匹かいた。そのほとんどは勝手に乗り込んできた連中だった。蓄えのバナナによく現れるヤモリなどは気にしない。ヤモリはいつも隠れているので、滅多に見ることはないし無害のうえ、夜になると可愛く咳をしたりする。数々のアリをもてなしたこともあった。微毛で覆われた小さな黒アリから巨大で艶やかな赤アリまでいろいろ。ときどき飛びまわるスズメバチの集団がスピンネーカー・ポールに棲むことがあるが、互いに干渉しないようにしている。かつて、どこからとなくコオロギが現れたこともあった。その姿を見たわけではないが、夕刻に奏でるセレナーデに酔いしれた。いつかその音色は聞こえなくなったけれど。カリフォルニアへ旅に出ていたあいだには、スウェル号を停めていたボートヤードからネズミの新婚カップルが乗り込み、麗しい4匹の赤ちゃんネズミを出産して育てあげた。ネズミたちは船首から船尾にいたるまでスウェル号船内を探索し、嚙みつぶし、糞を散らかした。ただこのネズミたちの物語はかなり残酷な結末で終わることになった……私と一緒にキリバスまで航海した多産なゴキブリ家族も同じだ。

写真上:「スウェル号」に戻る途中のリズ・クラークと猫のアメリア(船には水嫌いのアメリアが誤って海に落ちたとき登れるよう、猫用はしごを装備)。写真:Jody MacDonald

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クリーネストライン

アウトドアウェアを製造/販売するパタゴニアの社員、友人そしてお客様のためのブログです。パタゴニアについては patagonia.jp をご覧ください。

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