山と人を撮る

by 松岡祥子(山岳スキーフォトグラファー)

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山岳滑降が好きです。とりわけ緊張感や達成感を得ながら濃密な時間を過ごすことのできる、北アルプスの急斜面やレアルートの、しかも広い斜面より狭いルンゼが。なぜなら山に抱かれている気がするから。山岳滑降のいいところは、遠くからでも滑ったルートが分かることです。たとえば白馬三山(白馬村に入った途端目に入る白い三つの頂、厳冬期に鋭く尖って白く輝く尾根、それらが集まって出来るピーク)は山頂から滑ることができ、かつそのルートを麓から見ることができます。見るたびに滑ったときの感動を反芻できるので、それを味わうために何度も北アルプスに足を運んでしまう人も多いのではないでしょうか。そこを滑ったときの熱い情熱は、年を取ったとしてもその山を見るたびに思い出すはずです。

【 八方より白馬三山。 全写真:松岡祥子 】

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僕らはおしまいだ、健全な環境がなければ。

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「環境汚染は危機的転換点に達している」このことをどのくらいの人びとが認識しているだろうか?2015年は、気象統計を取りはじめた1850年以降で最も気温が高い年となり、世界各地での洪水、干ばつなど異常気象による自然災害はもはや「新しい常態」となった。温室効果ガスの排出を減らし、きれいな水、空気、土を守り、再生可能エネルギーに投資しないかぎり、地球が自己治癒できる能力を人類が破壊することになる。

【 写真:ひとけのない双葉町で、スローガンが掲げられた看板の前に立つ、防護服とマスクを身に着けた人。2011年3月、福島第一原子力発電所の事故により全町民が避難した。このスローガンは今、皮肉にも原子力への依存の危険性を思い出させている。Arkadiusz Podniesinski 】

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投票することは、無駄ではない

by イヴォン・シュイナード

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「気候変動を否定し、世界の気候科学者の99%よりも自分のほうが賢いと自負する政治家は、いかさま師か大バカのどちらかだ。そんな奴らに、なぜ投票するのか」

アメリカでは、 前回の大統領選挙で一票を投じた有権者はわずか60%だった。そのうち多くが大統領にだけ投票し、残りの投票用紙は空白のままだった。

編集者記:日本における直近の選挙の投票率をみると、2015年統一地方選挙では過去最低の、市長選挙50.53%、市議会議員選挙48.62%の平均投票率でした。また2013年参議院選挙では全体投票率は52.61%。しかし20代の若い有権者は33.37%と、世代別でもっとも低い投票率でした。

写真: 米国史上最大の素晴らしい機会となった、エルワ・ダム撤去の開始に居合わせるイヴォン・シュイナード。ワシントン州クララム郡 MICHAEL HANSON

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愛するものを守るために、愛することをする:「マイル・フォー・マイル」キャンペーンが募金目標を上回る

by クリス・トンプキンス

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「行動なき感傷は、魂の荒廃である」
—エドワード.アビー

規模というのは捉えがたいものです。景観を理解しようと必死に地図を見つめたりします。しかしときとして、渓谷や山々の上を飛行機で旋回する機会があると、その地勢を真に理解しやすくなります。しかしまたときとして、自分の足で歩くことに勝るものはありません。一歩一歩、真の野生の広大さに足を踏み入れるのです。

私は足でパタゴニアを愛するようになりました。小さな町のはずれまで連れていってもらい、チリ南部の草原をはじめて歩いたときのことを覚えています。身につけた衣類と背負ったパックだけで、顔を風に吹かれながら。この地方の聳え立つ山々と好奇心にあふれた動物などを愛するようになるまで、何日とかかりませんでした。20年以上が経ったいま、個人の基金と多くの友だちや支持者の協力を得て、夫のダグと私は南米の脅かされた野生地のほぼ2百万エーカーを保護することに成功しました。2004年には世界最大の草原修復プロジェクトという人生屈指のチャンスにも恵まれました。これが未来のパタゴニア国立公園です。

写真上:〈コンセルバシオン・パタゴニカ〉の創始者クリス・トンプキンスにアヴィレス・トレイルで合流するウルトラランナー、ジェフ・ブラウニング、クリッシー・モールとルーク・ネルソン。チリ、パタゴニア公園。写真:James Q Martin

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ヨーロッパからの見解:包括的貿易投資協定(TTIP:Transatlantic Trade and Investment Partnership)に反対します

by ライアン・ゲラート、パタゴニアEMEA(欧州、中東、アフリカ)

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先週〈グリーンピース〉が、提案されている包括的貿易投資協定(TTIP)の交渉中の文書と内部見解を示す文書248ページを漏洩しました。これにより、関与しているヨーロッパの28政府、EUおよび米国間の深い亀裂が明らかになりました。

〈グリーンピース〉のレポートにより、ここヨーロッパでは混乱が引き起こされました。フランス政府は目下のところこの協定に反対しているという声明を出したほどです。すでに3年以上にわたる交渉はいま、危機に面しているようです。

この協定に賛成する者も反対する者も、貿易障壁は長期にわたってすでに取り除かれており、TTIPはそのためにはほとんど役に立たないことを認めています。その代わりその焦点は、米国よりもヨーロッパで一般的に強靭な環境、健康、動物福祉水準を調和させることです。

写真上:テキサスのオーガニックコットン畑。1996年以来、パタゴニアは合成殺虫剤、除草剤、落葉剤、化学肥料を使い、GMO(遺伝子組み換え)種子を使用する従来のコットン栽培ではなく、害虫を管理し、健康な土壌を構築する天然の解決策を使用するオーガニックコットンのみを使用してきた。写真:Tim Davis

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沖縄県最長河川のいま:西表島・浦内川(後編)

by 中根 淳一 (パタゴニア・フライフィッシング・アンバサダー)

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前回紹介した西表島での渓流釣り。その浦内川に昨夏、取水用の送水管が引かれた。川沿いを黒い大蛇がうねるような光景は異様で、原始の流れを色濃く残す流れだけに、とても残念なことに感じる。

【魚類調査対象の6魚種。上からシミズシマイサキ、ニセシマイサキ、ウラウチフエダイ、カワボラ、ナガレフウライボラ、ヨコシマイサキ イラストと全写真:中根淳一  】

 

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「実生活」の科学

by ディラン・トミネ

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僕の子供は2人とも学校の科学の授業が大好きで、スカイラは大きくなったら海洋生物学者になりたいとひんぱんに言う。だから〈ワイルド・フィッシュ・コンサーバンシー〉の野外生物学者たちが、ピュージェット・サウンド周辺のサーモン稚魚の生息地の評価過程の一部として引き網のサンプリングに誘ってくれたとき、僕らはそれに飛びついた。

彼らは子供たちにとてもフレンドリーで辛抱強く、個々の魚を捕獲し、傷つけないように測定して記録し、捕獲のあとはリリースのために網からバケツに移動させるという各工程を、よろこんで説明してくれた。それは野外で実際に科学がどう適用されているのか、そして一貫した方法を採用することの重要さについての素晴らしいレッスンだ。

写真上:スカイラとウェストンにサンプリングの工程を説明する〈ワイルド・フィッシュ・コンサーバンシー〉のフィールド・テクニシャンのフランク・ストーラー。ワシントン州ピュージット・サウンド。写真:Dylan Tomine 

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次の世代に繋ぐために

by 中山翔太(パタゴニア 東京・神田

夏の虫取り

幼いころ、何もない草原で虫とりをしたり、外で夢中になって遊んだ記憶はありませんか?昔は当たり前にあった自然も、いまでは「貴重」な自然になっています。足元にある小さな植物も、もしかしたら絶滅する危険性がある植物かもしれません。

【 夏の虫取り。子供たちがのびのびできる自然がここ三つ又沼ビオトープには残っています。 写真:松並三男 】

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南の島の渓流釣り:西表島・浦内川(前編)

by 中根 淳一(パタゴニア・フライフィッシング・アンバサダー)

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南国沖縄でのフライフィッシングというと誰もが海の釣りを想像することだろう。僕も普段は河口周辺のマングローブ帯や海に足が向くことから、近年まで淡水の釣りはほとんど経験していなかった。しかし低山ながら山岳が発達した西表島では、いくつもの渓流があり、そこには好ターゲットの「メジロ」が潜んでいる。

 【 全写真:中根 淳一 】

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2015年~16年パタゴニア・シーズン「パタゴニア・ドール」賞

by ロランド「ロロ」ガリボッティ

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先シーズン、パタゴニアでは多くの歴史的登攀がなされたが、僕の「パタゴニア・ドール」賞は私心のない、そして永続する、ある非登攀に贈りたい。

その勢いは2014年後半、僕にe-mailをくれたクライマーのステファン・グレゴリーとともにはじまった。「僕は来シーズン、チャルテンに戻るつもりですが、お返しのために自分の時間をいくらか割きたいと思います。排泄物管理についての計画は何かありますか? 私は既存のプロジェクトを支援するために助成金申請の書類を作ることができます」

写真上:セロ・フィッツロイから下降すると、写真中央右側にラグナ・カプリが見渡せる。チームはウィルダネス・ラトリン・トイレの設営に、ハイカーに人気でエル・チャルテンに比較的近いラグナ・カプリを選んだ。アルゼンチン領パタゴニア。写真:Dörte Pietron

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クリーネストライン

アウトドアウェアを製造/販売するパタゴニアの社員、友人そしてお客様のためのブログです。パタゴニアについては patagonia.com/japan をご覧ください。

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